我は銀河皇帝!門閥貴族とエイリアンを統べるものなりー宇宙人事4X『Stellar Monarch 2』【爆速プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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我は銀河皇帝!門閥貴族とエイリアンを統べるものなりー宇宙人事4X『Stellar Monarch 2』【爆速プレイレポ】

発売48時間以内のプレイでお届けする爆速プレイレポ。今回は、中世封建制と近未来SFを組み合わせたターン制4Xストラテジー『Stellar Monarch 2』をお届けします。

連載・特集 プレイレポート
『Stellar Monarch 2』
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

今回は2021年12月6日にSilver Lemur GamesよりPC(Steam)向けに早期アクセスが開始された『Stellar Monarch 2』について生の内容をお届けしたいと思います。

『Stellar Monarch 2』とは

Stellar Monarch 2 - Trailer (alpha)

Silver Lemur Gamesが手掛ける本作は、銀河系を舞台にしたターン制の4Xストラテジーゲームです。プレイヤーは皇帝として地球人類を率い、異星人や帝国内の有力貴族を屈服させて、銀河系の支配者になることを目指します。

本作でプレイヤーが操作するのはあくまでも皇帝で、直接指示できるのは大まかな国家方針だけです。個々の宇宙艦隊に移動命令を出すことはできませんし、戦闘の指揮も現地司令官に任せなければなりません。そのため、ゲーム全体にわたって細かい指示を出す必要はなく、いわゆるマイクロマネジメントが不要なゲームデザインになっています。

また、本作の皇帝は絶対的な権力者ではありません。帝国内には独自の領地を持つ有力貴族が複数存在し、その意向を無視することはできないのです。帝国を安定させるためには、異星人だけでなく国内の権力バランスにも気を配らなければなりません。

『Stellar Monarch 2』の実内容に迫る!

ゲームを開始すると、大きな但し書きが目に入ります。本作は早期アクセスとしてリリースされていますが、この但し書きによれば開発はまだ初期段階で、ゲーム内の各画面には完成の度合いを示す数字が表示されるとのことです。

初期段階にあるのはルール説明も同様です。現時点でチュートリアルはなく各画面のヘルプも機能していません。そのため、ルールを理解するには各パラメーターにマウスカーソルを合わせ、ツールチップに表示されるわずかな情報を頼りに試行錯誤する必要があります。

ゲーム内には実装済みの機能と未実装の機能が混在しており、未実装の機能にはそのことを示す説明が表示されます。本稿ではリリース時に実装済みの機能のみをレポートします。

帝国は一日にして成らず

本作は4Xストラテジーゲームに分類されます。4Xとは、未知なる領域の探索(explore)、自勢力の領土の拡張(expand)、拡張した領土の開発(exploit)、敵対する勢力の殲滅(exterminate)の4つの要素を兼ね備えたストラテジーゲームのことです。

プレイヤーは皇帝の立場でプレイします。4Xの要素のうち探索と開発は自動的に行われ、毎ターンの初めに結果だけが報告されます。拡張と殲滅についても、プレイヤーは大まかな方針を決めるだけです。

ゲーム全体に影響する重要なパラメーターには安定度、幸福度、反乱進捗度があります。皇帝が命令を発する際に必要なリソースは資金とポイントの2種類です。資金は帝国の資産と皇帝の個人資産に分かれており、ポイントは注意力ポイント、統治ポイント、立法ポイントの3種類があります。

ゲームの勝利条件は銀河系の支配者として戴冠することです。そのためには、安定度の向上など12個の条件を達成する必要があります。安定度が0になるか、地球の支配権を他の勢力に奪われると敗北です。

帝国の統治は臣下の統治

帝国内には独自の領地を持つ有力貴族の一門が複数存在し、家格によって公爵、伯爵、男爵の爵位を持っています。貴族との関係が悪いと反乱の準備が進んだり、新法の制定が困難になったりするので、当主への贈り物や謁見を通じて関係を改善しなければなりません。それぞれの貴族には権威や君主主義といったパラメーターが設定されています。

帝国政府の大臣は財務、軍務、内務、外務、司法、宮内の6人です。大臣の能力によって謁見で起きるイベントの良し悪しが決まるため、有能な廷臣を大臣に登用しなければなりません。大臣の任免には大量の注意力ポイントを消費するので、慎重に行う必要があります。

宮廷には大臣以外にも多くの廷臣が控えています。廷臣にはそれぞれ能力、忠誠、魅力のパラメーターがあり、性格などの特性も設定されています。さらに、廷臣は影響力というパラメーターによって階級が決められています。階級が高い廷臣は能力が倍増するので、能力が高くても影響力の低い人物は大臣に向かないこともあります。

貴族と良い関係を築いて立法ポイントを貯めると、公務員法や改革法といった法律を制定できます。法律には大きなボーナスがあり、帝国に長期的な恩恵を与えます。改革法は特別な法律で、改革と呼ばれる別のボーナス要素を解禁します。改革には犯罪を減らす司法改革などがありますが、実行までには長い時間がかかります。

帝国の問題は謁見で解決

謁見は本作の特徴的なシステムです。一定のターン毎に発生し、様々な人物からの陳情を受けて皇帝としての判断を下します。謁見を求めてくる人物は大臣から貴族、異星人の大使まで千差万別です。それぞれの人物ごとにイベントが発生するので、複数の選択肢の中から一つを選びます。選択肢にカーソルを合わせると、選んだ時の影響が表示されるので迷うことはありません。

具体的なイベントの例をいくつか紹介しましょう。

外務大臣から「異星人のレポーターが異種族に対する皇帝陛下の考えを取材し、全銀河に向けて配信しようとしている。」との報告がありました。ここは皇帝としての政治的影響力を考えて、「我々は皆友人になれる。もちろんハイブは除くがね。」という選択肢を選びました。ハイブとは文明的な種族から蛮族扱いされている異星人の名前です。この選択肢の影響で、すべての文明的な種族からの外交的評価が上昇しました。

イベントは良いものばかりではありません。大臣の能力が低いと悪いイベントが発生する確率が上昇します。

別の謁見では、司法大臣から「植民地で恣意的に法をねじ曲げた判決が出されている。」との報告がありました。そのまま放置すれば反乱の準備が進みますし、軍事査察を命じればすべての植民地で総督の忠誠心が低下します。補償を行う選択肢もありますが、多額の資金を投入しなければなりません。どれを選択しても悪い結果が起きます。このような場合、皇帝としては現時点で一番無難な選択を探すしかありません。

帝国の下に弱兵無し

宇宙艦隊の生産や配備、新型艦へのアップグレードは自動的に行われます。星系間の移動も同様です。軍事に関して皇帝が指示するのは、もっと高いレベルの戦略です。

まず、国境にどれだけの艦隊を配備するかの優先度を異星人ごとに決定します。特定の異星人の優先度を高くすると、その異星人との国境には自動的に多くの艦隊が配備されます。警戒すべき相手は優先度を高くするべきでしょう。

次に、攻撃の際に相手の艦隊数に対してどれだけの艦隊を投入するかの割合を決定します。これも異星人ごとの設定で、標準は200%です。つまり、そのままなら相手の2倍の艦隊数で侵攻することになります。相手の技術力が低ければこの値を減らしても問題ありません。

宇宙艦隊は帝国内の有力貴族が有する艦隊が寄り集まった連合艦隊です。そのため、どの艦隊が銀河のどの方面を担当するかを決める必要があります。

戦争と外交で版図を拡大

戦争状態にある敵勢力の星系に侵攻する方法は2つあります。一つはマップ上で侵攻先の星系を選んでから個別に攻撃命令を出す方法で、もう一つは特定の異星人に対する一斉攻撃命令を出す方法です。

星系への侵攻は2段階で行われます。まず宇宙艦隊が星系の制宙権を奪取し、その後で地上軍が地上を制圧します。星系から敵の艦隊を排除し、続いて敵の地上軍も完全に排除すると、星系を支配できます。

制宙権を獲得している星系では戦略兵器が使えます。例えば、化学爆弾を使用すると地上兵力と星系の人口の半数が瞬時に消滅します。

異星人には主要種族、弱小種族、ゼノの3種類があります。主要種族と弱小種族は文明国ですが、ゼノは蛮族扱いです。先ほど登場したハイブはゼノの一種です。ゼノとは外交の余地がなく、常に戦争状態にあります。

ゼノ以外の異星人とは外交が可能です。国境を接している異星人には時間経過とともに外交ポイントが貯まり、相手との関係が良ければポイントと引き換えに条約を結ぶことができます。条約には通商条約や同盟などがあります。

植民と研究は帝国の礎

拡張の方法は他の勢力から戦争で星系を奪うだけではありません。どの国家にも所属していない星系は前哨基地を建設して領有権を主張できます。前哨基地のある星系は自動的に植民の対象になりますが、特定の星系への植民を促進するように命令することもできます。敵から星系を奪った場合も自動的に植民の対象になります。

各星系には通信塔、星系基地、要塞が建設できます。通信塔や星系基地に近い星系で戦闘すると戦術ボーナスが得られ、逆に遠い星系ではペナルティが課されます。

技術は建造工学、エネルギー工学、電子工学、生化学、社会学の5分野に分かれています。技術ツリーはありません。技術にはレベルが設定されており、低いレベルから高いレベルへ順番に研究を進めます。研究所を割り当てることで特定の分野の研究速度を上げることもできます。

技術の出現順序は固定でなく、ある程度ランダムです。未来の技術は研究済みの技術の2つ上のレベルまでしか見えません。このルールはゲーム開始時のオプションで変更できます。

内政には他にも産業への投資や予算、徴税といった要素があります。

封建君主としての銀河皇帝をプレイできる作品

本作は中世封建制と近未来SFを組み合わせたターン制の4Xストラテジーゲームです。銀河系の支配者となるためには、帝国外の異星人だけでなく、帝国内の有力貴族も相手にしなければなりません。

プレイヤーは皇帝なので、広大な帝国全土にいちいち細かな指示を出す必要はありません。しかし、筆者のプレイ中には戦闘が膠着状態に陥ったまま、撤退も増援もできずに行き詰まる場面がありました。筆者がなにか重大な見落としをしているのかもしれませんが、現時点ではヘルプ機能がないためそれを知ることもできません。

このように、本作は早期アクセスの初期段階にあります。現時点では戦闘アニメーションなどの演出もないため、限られた文章や数値の変化から帝国の興亡史を想像できるプレイヤー向けだと言えるでしょう。将来どのような発展を遂げるか気になる作品です。

タイトル:Stellar Monarch 2
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2021年12月6日
記事執筆時の著者プレイ時間:12時間
価格:2,570円

《FUN》

遊ぶより創る時間の方が長いかも FUN

元ゲームプログラマー。得意分野はストラテジーゲーム。ゲームライターとして活動する傍ら、Modの制作や有志日本語化に携わっています。代表作は『Crusader Kings III』の戦国Mod「Shogunate」。

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