今回ご紹介する『ディサイプルズ ドミネーション(Disciples: Domination)』は、ダークファンタジー世界が舞台のタクティカルRPGです。プレイヤーはかつて世界に秩序をもたらした女王となり、王位の重圧に苦しむ統治者として世界の運命を担います。2026年2月12日にPC(Steam, Epic Games Store)/Xbox Series X|S版が発売され、来たる3月19日にはPS5版の発売が予定されています。
本作は2021年にリリースされた『ディサイプルズ リベレーション(Disciples: Liberation)』の続編で、『ディサイプルズ』三部作の第二章に位置づけられています。開発を手がけるのはArtefacts Studio。パブリッシャーはKalypso Mediaです。
筆者は前作『ディサイプルズ リベレーション』をプレイしていないため、本稿はあくまで前作を知らない立場でのプレイレポートとなります。前半では実際のプレイに基づいた作品紹介を、後半では発売前のメディア合同取材で行われた質疑応答の内容をお届けします。また、今回プレイしたのはパブリッシャーから提供を受けた「デラックスエディション」です。

政治色の強いダークなストーリー
ゲームを開始するとオープニングムービーが流れ、主人公の女王アヴィアンナがドワーフの砦の中を探索している場面から物語の幕が上がります。
本作の舞台は「ネヴェンダール」と呼ばれるダークファンタジー世界。主人公のアヴィアンナは前作で世界に秩序をもたらし、女王として世界を統治しています。しかし、王位についてから15年が経過した現在、彼女は王位の重圧から次第に統治を放棄し、かつての仲間や民衆もまた彼女を見放してしまいました。最高権力者でありながら孤独と疑念に囚われたアヴィアンナは、果たしてどんな未来を選択するのでしょうか。

この導入部からも分かるように、本作のストーリーは「統治者としての責任」に重点を置いた政治色の強いものとなっています。筆者は普段から歴史ストラテジーをプレイしているので違和感なく物語に入り込めましたが、プレイする人によっては話の筋が分かりにくいと感じるかもしれません。一方で、政治的な背景設定を持つタクティカルRPGが好きな方、ダークファンタジーの世界観が好きな方にはお勧めです。
前作のキャラクターが登場することもありますが、どのような背景を持つ人物なのかはストーリーの中でそれとなく語られるため、まったく予備知識のない筆者でも問題なく物語について行けました。前作をプレイ済みであれば、より一層楽しめるでしょう。
ネタバレを避けるため、本稿では具体的なストーリーには触れません。実際の物語はぜひご自身の目でお確かめください。

リアルタイム探索+ターン制バトルの基本システム
本作の物語は、探索、会話、戦闘、街の各パートを相互に行き来しながら進行していきます(パートの名前は筆者が便宜的につけたもので、正式名称ではありません)。
探索パート
探索パートは、主人公のアヴィアンナを操作して斜め見下ろし型のマップをリアルタイムに探索するモードです。マップ上の人物やオブジェクトに接触すると会話パートや戦闘パートに移行し、ストーリーが展開していきます。探索の舞台となるのは屋外だけでなく、ダンジョンを攻略する場面もあります。

会話パート
会話パートは、登場人物同士の会話を通じてビジュアルノベルのようにストーリーが進行していくモードです。セリフの量は比較的多く、フルボイスで感情豊かに話します。ただし、残念なことにボイスは日本語に対応していません。
会話の途中では選択肢が表示されることもあります。多くの場面では自由にロールプレイできますが、一部の選択肢はその後の展開に影響を及ぼすので注意しましょう。決断の結果はアイコンで事前に判別できます。

戦闘パート
戦闘パートは、タクティカルRPGの肝となるモードです。詳しくは後ほど述べますが、戦場のマップは六角形のマス(ヘックス)で区切られ、地形効果が存在します。高低差の概念はありません。行動順のあるターン制で、各ユニットはAPと呼ばれる行動ポイントを消費して行動します。

街パート
街パートは、アヴィアンナの居城がある「イリアン」の街を舞台に、ユニットの雇用から民の訴えの解決まで様々な戦略的判断が求められるモードです。本作にはゴールド、鉄、木などのリソースがあり、各勢力からの訴えに裁定を下す際や、街の施設をアップグレードする際に必要となります。
この世界にはエルフやドワーフなど5種類の勢力が存在し、女王の決断次第で各勢力との友好度が変化していきます。

バフ・デバフと後衛が鍵となる戦闘システム
AP
AP(行動ポイント)には色の異なる3種類があります。青は移動専用、赤はアビリティ専用、黄は両方の用途に使用できるAPです。自分のターンを終了した時にAPを使い切らず残していたユニットは、その数に応じてHPが回復し、能力強化(バフ)を獲得できます。そのため、ピンチの時はあえて余計な行動を取らず、ターンを終了することも重要です。

アビリティ
ユニットはクラスごとに固有のアビリティ(特殊能力)を持っています。単に目の前の敵を攻撃するだけのアビリティから、敵を遠くに弾き飛ばしたり、逆に目の前に引き寄せたり、あるいは死体を蘇らせて操るアビリティまで、多彩な能力が用意されています。こうしたアビリティは敵も駆使してくるので、その能力を把握して上手く立ち回らなければ戦闘に勝利することは難しいでしょう。

能力強化と状態異常
ユニットは能力強化(バフ)や状態異常(デバフ)を獲得することがあります。バフ・デバフは他の効果で上書きされず、複数の効果が同じユニットに蓄積して同時に影響を及ぼすこともあります。さらに、同じ効果を重ね掛けして効果を高める(スタック)ことも可能です。
実際の戦闘では、敵味方の間で常時かなりの数のバフ・デバフが飛び交います。ユニットにはアイコンや数字として現在のバフ・デバフの状況が表示され、そのユニットが有利な状態なのか不利な状態なのかが一目で把握できるようになっています。

前衛と後衛
ユニットには前衛と後衛の概念があります。前衛はマップ上で実際に戦うユニットで、前衛が全滅すると敗北です。一方、後衛はマップの外に配置されるユニットで、直接戦闘には参加しませんが、毎ラウンド自動的にアビリティを発動して前衛を支援します。例えば、回復アビリティを持つユニットを後衛に配置すると、傷ついた前衛を毎ラウンド回復してくれるといった具合です。

筆者の失敗から学ぶ序盤のヒント
筆者がプレイ中の失敗から学んだ序盤のヒントをご紹介します。
ユニットの位置取り
各ユニットの位置取りは非常に重要です。本作では遠距離攻撃や範囲攻撃のできるアビリティが序盤から多数登場し、敵も当然のように使用してきます。そのため、味方のユニットを密集させていると、思わぬダメージを受けることがあります。ユニットは適度に分散させましょう。
また、攻撃後の弾き飛ばしや引き寄せなど、敵の位置を強制的に変更するアビリティを駆使して有利な位置を確保することも大切です。
挑発系アビリティ
序盤の仲間が持っている「かかって来い、腰抜けめ!」などの挑発系アビリティはかなり強力です。敵を挑発して味方ユニットの中に引き込み、集中攻撃しましょう。
逆に、味方が敵の挑発を受けると、まったく指示を受け付けなくなるので要注意です。特に、アヴィアンナが挑発されると呪文が使えなくなるので気をつけましょう。
後衛の回復役
後衛に回復アビリティを持つユニットを配置すると、HPの減少したユニットを毎ラウンド自動的に回復してくれるので大変重宝します。後衛の組み合わせは工夫しどころですが、誰を配置すべきか迷った時は回復役を1人は用意することをお勧めします。
メディア合同取材の質疑応答
ここからは本作発売前のメディア合同取材で行われた質疑応答の内容をお届けします。
――新規プレイヤーはストーリー面、ゲームプレイ面の両方で『ディサイプルズ ドミネーション』からの方が入りやすいでしょうか? それとも先に『ディサイプルズ リベレーション』を遊ぶべきでしょうか?
本作『ディサイプルズ ドミネーション』から始めて大丈夫です。冒頭に『ディサイプルズ リベレーション』の出来事を振り返るカットシーンがあります。また、『ディサイプルズ リベレーション』で何が起きたかを細部まで知らなくても理解できます。遊んでいれば引用や参照、キャラクターなどでつながりを感じられますが、ゲーム進行にあたっての必須要件ではありません。
――『ディサイプルズ ドミネーション』の選択は「訴え」のシステムだけに限られますか? それ以外の場面でも物語に影響する決断はできますか? 例えば、“悪”を演じることはできますか?
会話や冒険の中でロールプレイできます。会話状況に対して自分の望む返答を選べます。さらに、ゲーム中は定期的に「話し合いで解決する」か「相手を殺して解決する」かを選べる場面もあります。そういった選択はかなり頻繁に起きます。

――『ディサイプルズ ドミネーション』にて、前作『ディサイプルズ リベレーション』の要素のうち最も調整したメカニクスは何ですか? その理由も教えてください。
最も調整したのは墓場の要素です。『ディサイプルズ リベレーション』では画面右側のボタンで倒れたユニット一覧が表示され、一定数の死亡で呪文が使える仕組みでした。今回はそれをより没入感があり、戦場で視覚的に分かる形にしたく、死体システムとして刷新しました。ユニットが倒れると戦場に死体が残り、表示の目立ち具合も切り替えられます。これにより地形要素を作ったり、死体に干渉したり、爆発させる呪文などの相互作用が増えました。また、グリッドの形やサイズも多様になり、戦闘体験が新鮮になります。
――前作『ディサイプルズ リベレーション』ではターン制バトルの数とテンポについて不満がありました。本作で新たに導入した押し引き・衝突ダメージ以外に、戦闘をどう調整したのか教えてください。
戦闘中の通常100%速度が『ディサイプルズ リベレーション』より速くなり、全体のテンポが上がっています。また、ユニットの進行とバランスも見直し、より致命的でインパクトのある戦闘にしました。無駄に長引く展開を減らし、より戦術的で反応が求められる戦闘にしています。標準的な戦闘は短くインパクト重視で、ボス戦やエリート戦は戦略性と難度のため少し長めです。グリッドサイズも『ディサイプルズ リベレーション』と同程度か小さめが多く、より早く戦闘に入れます。
――『ディサイプルズ ドミネーション』の1周のプレイ時間はどれくらいを想定していますか?
量より質を重視しています。メインストーリーを一直線に進めるなら約30~35時間です。100%やり込むなら50時間強になると思います。
『ディサイプルズ ドミネーション』は、PC(Steam, Epic Games Store)/Xbox Series X|S向けに配信中です。また、2026年3月19日にはPS5版が発売予定です。













