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35年ぶりのシリーズ最新作にかける想いは―和風ローグライクACT『GetsuFumaDen: Undying Moon』開発スタッフインタビュー【特集】

本作のディレクター・板倉高比古氏へのインタビューを実施。

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35年ぶりのシリーズ最新作にかける想いは―和風ローグライクACT『GetsuFumaDen: Undying Moon』開発スタッフインタビュー【特集】
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コナミデジタルエンタテインメントは、浮世絵風ローグライク剣戟アクション『GetsuFumaDen: Undying Moon』をPC(Steam)/ニンテンドースイッチ向けに配信中です。

本作は、ファミリーコンピューター向けに1987年に発売されたアクションゲーム『月風魔伝』の世界観をベースにした35年ぶりとなるシリーズ最新作。前作『月風魔伝』にて初代・月風魔が地獄の魔王「龍骨鬼」を封印したおよそ1000年後の世界を舞台に、主人公の月氏二七代目当主・月風魔の戦いを描く作品です。

Game*Sparkでは、今回、35年ぶりに復活した『GetsuFumaDen: Undying Moon』のディレクターである板倉高比古氏へのインタビューを実施。同社の過去の名作を35年ぶりに復活させた、その企画への想いが伝わってきました。


――35年の時を経て、過去の名作『月風魔伝』を今の時代に復活させた、その取り組みについてあらためて教えて下さい。

板倉高比古氏(以下、板倉):まず、本作は2018年頃に企画されました。当時のゲーム市場は独自アプローチの意欲的なゲーム性を持ったインディー作品が豊富で、「和」をテーマにしたメジャータイトルも目立っていました。ちょうどその頃に、我々もアクションゲームを作ろうという企画があり、果たしてどのようなタイトルを作ろうかという話になりました。

話を進めている中で、過去の名作でありながらこれまで続編が作られず、海外向けに発売されたことがない『月風魔伝』を取り上げたら驚きやインパクトが強いんじゃないかと盛り上がり、企画が進んでいきました。

――最初のボスが前作のラスボスという「続編作品のお約束」とも言える展開は、シリーズ復活を告げる強いメッセージを感じました。前作ファンがプレイして「この部分に気付いてほしい!」という場所があれば教えて下さい。

板倉:『GetsuFumaDen: Undying Moon』の舞台は前作から約1000年後の物語です。実は前作『月風魔伝』は西暦14672年という遥か未来の話で、今作はそこからさらに未来の時代に展開される月氏一族の末裔たちの物語です。

やはり前作の物語や因縁などはとても大切にしています。最初のボスとして戦う「龍骨鬼」とのバトルはもちろん、ボスキャラクター「月嵐童」戦のBGMや演出にはぜひ注目してもらいたい部分です。

一方で、歯ごたえのあるアクション性などは前作を踏襲していますが、リマスターではなくあくまで新規作品として製作しています。前作をプレイした人はもちろん、今作から遊ぶプレイヤーの方にも新規IPとして楽しんでもらえれば嬉しいなと思います。

――ちなみに開発スタッフは前作『月風魔伝』をプレイ・攻略している人が多いのでしょうか?

板倉:そうですね。本作の開発を務めたKONAMI側のスタッフはもちろん、ぐるぐる様のスタッフも前作のファンが多いですね。そういったこともあり、多くのスタッフが『月風魔伝』をプレイして楽しんだり、しっかりと攻略しています。

――浮世絵と3D表現を融合させている本作のグラフィックはインパクト抜群です。そのうえでステージ内の敵やアイテムも判別しやすく、アクションゲームとしての遊びやすさも際立っていると思います。このような「世界観とゲーム性の両立」という点でのこだわりや苦労したことを教えて下さい。

板倉:本作の浮世絵表現は「地獄」をテーマにしています。凄惨でありながら美しい雰囲気の、日本画独特の表現が十分に引き出せているのではないかと思います。全体的なイメージとしては、主に浮世絵師・河鍋暁斎の浮世絵を参考にしています。

こういった浮世絵風の「地獄らしさの表現」と、ゲームとしての「視認性」の両立は重要なテーマでした。『GetsuFumaDen: Undying Moon』の背景は、遠景・中景・近景を組み合わせて製作しています。絵的な構成が破綻しないように考慮しつつ、彩度・明度などの調整を何度も試して“いかにキャラクターと同化させないか”の表現を作り出すためにトライ&エラーを繰り返しました。

実は、開発当初は今よりももっと一般的な浮世絵表現にすることも検討していました。しかし、せっかく『月風魔伝』という作品テーマがあったので、浮世絵をベースにより尖ったオリジナルの表現に挑戦しようと思いました。

――本作には非常に多くの武器が登場します。お気に入りの武器やアクションがあれば教えて下さい。個人的には「両得物」の回転攻撃が、とても攻撃を当てている感覚があって爽快です。

板倉:実は自分自身はあまりアクションゲームが得意ではないんです(笑)。(もちろん、他の開発メンバーはアクションが大得意な猛者揃いです!)プレイ中は最も扱いやすい「刀」をメインに遊んでいましたね。

現在Steamでベータテストを実施中なんですが、そこで追加された新しい武器「剣斧」はとても面白い武器です。重量級の武器なんですが扱いやすく、一刀両断の破壊力が爽快です。個人的にも面白い手応えのある武器だなと感じています。

ぜひ、Steamのベータテストに参加したら「剣斧」に触ってみてください。具体的な搭載スケジュールはまだ決まっていませんが、いずれ本編にも追加される予定です。すでに本編で使用できる既存の武器に関しても、特性をさらに尖らせる調整を行う予定です。こちらに関してユーザーの皆様からの意見も募集中です。

※Steamベータテストへの参加方法はこちらに記載されています。セーブデータの互換性など、いくつかの注意点があるためFAQをご覧ください。

――『月風魔伝』では、フィールド移動や3Dダンジョンと言った要素がありました。『GetsuFumaDen: Undying Moon』はローグライクアクションですが、企画段階でオリジナル版であった要素を組み込もうという意見はありましたか?

板倉:『月風魔伝』のフィールド移動や3Dダンジョンなどの要素はとても面白いシステムで、『GetsuFumaDen: Undying Moon』でもこういった要素を取り入れていこうかという話はありました。

ただ、何度も繰り返しプレイするローグライクアクションというジャンルとの相性と、あくまで前作のリマスターではなく、新規作品として作ることを目的としていたため、要素を見送ったという経緯があります。

本作は繰り返しプレイすることで、プレイヤー自身の成長を強く実感できるシステムであると思いますし、(武器カスタマイズなど)プレイヤーひとりひとりが自由にビルドを組んで自分のスタイルを構築できるので、その点をぜひ楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。

ゲーム画面は、デジタルデラックス版特典のファミコン版『月風魔伝』のもの。

――Steam早期アクセスでリリースして、別プラットフォーム含めて再展開するという開発の流れで得た、良かったもの、悪かったものについて教えてください。

板倉:『GetsuFumaDen: Undying Moon』は、KONAMIとして初めての早期アクセス作品だったんです。

多くのことを手探りで進めてきた中で、通常の販売形式ではできなかった「ユーザーからのリアルタイムのフィードバック」を受けて調整を重ね、ユーザーの皆様と共にコンテンツを成長させることができたことはとても良かったと思います。ユーザーからのフィードバックを頂いてなければ追加されていなかった要素もたくさんありますね。

逆に早期アクセス期間中だからこそ、もっと踏み込んだ要素を試して良かったのではないかな、という反省点もあります。その反省を活かし、現在はSteam版のベータテストでこれまで実施していなかった色々なことを試しています。

本作のリリース時には「なぜKONAMIが早期アクセスをやるんだ」という意見を頂いたこともありましたが、ユーザーからのフィードバックを受けてアップデートを重ねてきたことで、好意的に受け入れて頂けたのではないかと思います。

――早期アクセスを経てバージョン1.0になりましたが、今後のさらなる長期アップデート計画などはあるのでしょうか。

板倉:現在行われているベータテストの結果はゲーム本編に反映される予定です。アップデートの日程などは今後お伝えできると思います。

長期アップデートに関しては、現時点としては検討中の段階です。

――『月風魔伝』以外にもコナミには過去の名作がたくさんあります。今後も『GetsuFumaDen: Undying Moon』のような、名作の続編・スピンオフ展開を期待してもよろしいでしょうか。また、板倉さんの好きなコナミの「過去の名作」はどれでしょうか?

板倉:自分の立場では具体的なことはお話しできませんが、個人的にはこういった企画が今後も続くと嬉しいなという気持ちはあります。

好きなKONAMIの過去の名作はもちろん『月風魔伝』です!

特典のファミコン版『月風魔伝』では、色々な部分の再現にこだわっているんです。特にSwitch版のパッケージイラストは、本体の傾きを検知して「傾きでイラストが変わる」当時の表現を再現しています。こういった部分に気づいてもらえると嬉しいですね。

――最後に、ユーザーの皆様へのメッセージをお願いします。

板倉:『月風魔伝』が35年ぶりにローグライクアクションという形式で復活しました。グラフィックが浮世絵風ということで、最初は海外の方からのリアクションが多いと思っていました。

しかし、実際は日本のファンの方々も非常に盛り上がってくれたんです。前作から随分と時間も経っていたのですが、とても好意的なリアクションが多く貰えました。ユーザーの皆様には本当に感謝しています。

KONAMIとして初の早期アクセスということもあり、開発には色々と苦労もありました。ユーザーからのフィードバックを通じて着実にゲームが良くなっていることに、あらためて開発を支えてくれたことに感謝しています。

Steamで現在開催中のベータテストも遊んでくれると嬉しいです!


『GetsuFumaDen: Undying Moon』は、PC(Steam)/ニンテンドースイッチ向けに配信中です。

©Konami Digital Entertainment


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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