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ローグライト×チェス×ショットガン!『Shotgun King: The Final Checkmate』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】

今回はチェスにローグライク要素と、さらにはショットガン要素を加えたストラテジーゲーム『Shotgun King: The Final Checkmate』をお届けします。

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ローグライト×チェス×ショットガン!『Shotgun King: The Final Checkmate』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】
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デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回はチェス要素にローグライク要素、さらにはショットガン要素を加えたストラテジーゲーム『Shotgun King: The Final Checkmate』をお届けします。

本作はPUNKCAKE Delicieuxによって、2022年5月12日にSteamで配信されました。PUNKCAKE Delicieuxは、フランス出身のゲームデザイナーBenjamin Soulé氏とRémy Devaux氏によって設立されたインディーデベロッパー。itch.ioを中心に活動しており、「毎月1作品、誰も観たことのないゲームを作る」というコンセプトの元、ハイペースでの開発が続けられています。

itch.ioでは本作を含め、すでに9作品がリリースされています。以前、ローグライトサバイバル建築シム『Stacklands』を紹介しましたが、そのデベロッパーのSokpop Collectiveのようなコンセプトですね。どちらのデベロッパーも、短期開発ながらも、きちんとオリジナリティが出せているのが素晴らしいです。

本作はチェスをベースにした、ターン制の戦略ゲームです。「Ludum Dare」という短期間でゲーム制作を行う大会において、72時間で完成させた作品がベースになっています。しかも、その作品は最優秀賞に選ばれました。確かにこのペースで開発できるのでしたら、1カ月1本も可能ですね。

チェスは世界で一番有名なボードゲームで、「ボードゲーム界の王」とも言える存在です。ルールを把握している人が多いので、チェスをベースにしたPCゲームも数多くリリースされています。

有名なのは、1988年にInterplayEntertainmentがAmigaでリリースした『バトルチェス』ですね。ルールはチェスですが、コマ同士がアニメーション付きで戦います。リリース後は様々なプラットフォームに移植されたので、プレイしたことのある方も多いとは思います。中国将棋をベースにした『バトルチェス2』も、1990年にAmigaでリリースされました。ただこちらの方は、中国将棋自体がマイナーということもあって、あまり流行りませんでしたね(中国将棋も面白いのですけどね)。

ちなみに筆者がお気に入りのチェスベースゲームですが、「Warhammer 40,000」のキャラクターが戦う『Warhammer 40,000: Regicide』です。2015年にHammerfall PublishingによってSteamでリリースされました。基本的にはチェスなのですが、銃による遠隔射撃をしたり、グレネードを投げたりと、なかなかカオスな内容になっています。本作も、ショットガンによる射撃要素がありますね。

本作と雰囲気や色合いが似ているチェスベースゲームとしては、j4nwによって2021年9月24日にSteamでリリースされた『Pawnbarian』が挙げられます。ローグライク要素とデッキビルド要素のあるゲームで、盤面の敵を殲滅させるのが目的。短時間でサクッとプレイできるため、筆者は合間時間に遊んでいます。

本作もコンセプト的に似た部分はありますが、やはりタイトルにあるように「ショットガン」を使うというのが売りのようです。果たしてどんなチェスゲームになっているのか、早速プレイしていきましょう!

ショットガンを手に逆恨みの復讐劇!

ゲームには、王座を取り戻すために全12ステージを攻略していく「スローンモード」と、ゲームオーバーまで延々とプレイし続けられる「エンドレスモード」の2つがあります。エンドレスモードはスローンモードクリア後に解放されます。今回はスローンモードでいきましょう。

ちなみにゲームの難度は、「イージー」から「キング」までの5段階。難度による違いですが、イージーだと敵が少ないのに加えて、ショットガンの弾が多くなっています。この手のローグライク要素のあるゲームはイージーでも難しいので、最初はイージーが良いでしょう。

ゲームが始まる前に、ちょっとしたストーリー説明があります。主人公は、贅沢の限りを尽くす邪悪なブラックキング。臣下は次第に離れていき、高給かつ働きがいのある職場の、ホワイト企業ならぬホワイトキングの元へと鞍替えをしていきます。

ブラックキングは妻のクイーンにも裏切られ、ホワイトキング勢に城を乗っ取られてしまいました。ブラックキングは反省するどころか、ショットガンを手に、一人で復讐へと向かいます。……まあ、自業自得というか、逆恨みも甚だしい動機でゲームがスタート。すごく感情移入しづらいですが、とりあえずプレイしていきます。

ゲーム画面。レトロゲームを意識したかのような配色で、ブラウン管テレビのような映りになっていますね。昔のPCゲームを遊んでいるような感覚になります。

ゲームプレイですが、プレイヤーのすることは基本的に2つ。ブラックキング(画像最下部の黒いコマ)を移動させるか、ショットガンをぶっ放すか、です。ショットガンですが、どこに向かって撃つかは、自分でエイムをしなければなりません。ショットガンには飛距離や、弾の散らばる広さ(角度)があり、ステージクリア時の選択で、これらの値が修正されていきます(後述)。

試しにショットガンをぶっ放してみましたが、まったく敵に届きませんね。ショットガンの性能は、チェス盤左に表示されています。現在、威力4、飛距離3~5マス、拡散角度57度です。当てるには近づく必要がありますね。

ブラックキングの移動ですが、チェスのキングと同じ動きで、周囲8方向のマスに1マスだけ進めます。ターン制なので、こちらが動くと敵のコマが動きますが、敵全員が一斉に動くわけではなく、それぞれ「〇ターン後に動く」と決められています。次のターンに動くコマは、微妙に左右に揺れて教えてくれます。よく考えてから動いた方が良いでしょう。

ちなみに敵のコマの動きは、チェスと同様です。チェスのコマの動き方がわからなければ、マウスカーソルをコマにホバーリングすれば、チェス盤左に説明が出てきます。画像は、ナイト(馬のコマ)の動きですね。それと、動きの表示の下にある砂時計マークは、「あと何ターン後にそのコマが動くか」のメーターです。これを見ればコマの動きは把握できるので、チェスのルールを全く知らなくても、問題無くプレイ可能です。

ショットガンをぶっ放せ!

ショットガンは、敵の距離が遠くなればなるほど、弾が拡散して威力が落ちてしまいます。逆に至近距離から撃てば、すべての弾を当てることも可能。画像では1マス先の敵への射撃なので、現在の最大パワーである4ダメージを与えられました。できるだけ引き付けて撃った方が、無駄が少ないですね。

敵を倒すと、ソウルカードがもらえる場合があります。これを使うと、その敵と同じ動きができます。画像はビショップのソウルカード。ビショップは、日本将棋で言うところの「角」と同じで、斜めに何マスでも進めます。敵に囲まれた時の離脱用に使うのがいいでしょう。

チェス盤上部の左側に表示されているのが、ショットガンの弾の残数。ショットガンは、一度に2発の弾を装填できます。2発撃った後は、移動することでリロード可能。ショットガンの弾が尽きる前にステージクリアをしましょう。

それと、ショットガンの弾の右側にある盾マークは、ブラックキングのライフです。敵のターンで、ブラックキングのいる位置に敵のコマが移動可能だと、ダメージを受けます。敵に囲まれて身動きが取れなくなると、一気に大ダメージになるので注意しましょう。いわゆる「チェックメイト状態」ですね

盤面上にある敵のキングを倒せば、その時点で他の敵のコマも破壊されてステージクリア。この辺りもチェスと同じですね。最初から積極的に敵のキングを狙いにいくのも、一つの策でしょう。

ローグライトカードゲーム等ではお馴染みの、ステージクリア後のボーナス選択。本作では2択になっています。ボーナスはゲーム終了まで持続。ただし、自分だけでなく、敵にもボーナスが与えられるという仕様です。

例えば画像の、下の選択肢では、自陣営(黒のカード)は「射程距離+2」ですが、敵陣営(白のカード)にも「ポーン(兵。1歩しか動けない最弱のコマ)が1つ減る代わりに、ナイトが+1。.さらにショットガンの弾が-1」とボーナスが与えられます。ゲームオーバーまでずっと続く効果なので、よく考えて選択しないと、段々と厳しい状況になっていくでしょう。

本作最大の強敵であるクイーン。縦・横・斜めのいずれかの方向に、何マスでも動けます。日本将棋で言うと、「飛車」と「角」の動きをどちらも備えているという、「そんなのアリなの?」レベルのチートムーブですね。追い詰められないように気を付けましょう。

攻撃手段はショットガンだけではありません。チェスと同じように、相手のコマを取ることも可能。取った後は、投げ飛ばして相手にぶつけられます。画像ではナイトを取って、それをクイーンに投げ付けています。

最終ステージも目前になってきました。敵もかなり増えてきましたね。これまで培ってきたスキルを総動員して切り抜けていきましょう。果たしてホワイトキングを倒すことができるのか、続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

カジュアルに遊べるチェスベースローグライト!そしてショットガン!

本作は『Pawnbarian』のように、短時間でサクッと遊べるゲームです。チェスを知っている人はもちろんのこと、チェスを知らなくてもまったく問題無くプレイできます。ステージクリア時のボーナスで、敵も味方もパワーアップするので、先々を考えながら選択する必要があるのも面白いですね。

特に本作で気に入った点は、ショットガンをぶっ放したり、敵を捕まえて投げ飛ばしたりといった、爽快感のある攻撃手段です。ターン制ゲームは「爽快感」という面では弱くなりがちなのですが、「ショットガン」というアイディアが入ったことで、繰り返しプレイも苦にならずに楽しめます。現在、日本語サポートはされていませんが、ステージクリア時の選択肢が読めれば、問題無くプレイできるとは思います。チェスが好きな方、爽快感のあるローグライトをプレイしたい方は、ぜひ本作を試してみてください。

製品情報

『Shotgun King: The Final Checkmate』
開発・販売:PUNKCAKE Delicieux
対象OS:Windows
通常価格: 800円
サポート言語:英語、フランス語、スペイン語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1972440/Shotgun_King_The_Final_Checkmate/

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter

《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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