ファンタジー世界の住人がルール無用のアメフト対決!「ウィズボール」の原案にもなった『Blood Bowl 3』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ファンタジー世界の住人がルール無用のアメフト対決!「ウィズボール」の原案にもなった『Blood Bowl 3』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】

今回はドワーフやエルフ、ゴブリン、オークなど、ファンタジー世界の住人たちがアメフトバトルを繰り広げる『Blood Bowl 3』をお届けします。

連載・特集 プレイレポート
ファンタジー世界の住人がルール無用のアメフト対決!「ウィズボール」の原案にもなった『Blood Bowl 3』の魅力に迫る!【デジボで遊ぼ!】
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デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回はドワーフやエルフ、ゴブリン、オークなど、ファンタジー世界の住人たちがアメフトバトルを繰り広げる『Blood Bowl 3』をお届けします。

本作はCyanide Studioが開発し、Naconによって2023年2月24日にPC(Steam/EpicGamesストア)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|Sでリリースされました。本記事ではSteam版でプレイします。

本作の元となるボードゲーム「Blood Bowl」(以下「BB」)は、1986年にGames Workshopから発売されました。「ウォーハンマーファンタジー」をベースにした世界観で、伝統的なファンタジー世界の住人たちがアメフトのプロテクターに身を包む姿は、ユニークかつ斬新なものがありました。

初版リリース後、何年か置きに改訂されたものが出版されましたが、ゲームの根幹となるルール自体は現在もほぼ変わっていません。フィールドとなる15x26マスの盤面上に双方11人の選手を配置し、ボールを奪って相手側のエンドゾーンまで運ぶと得点になります。筆者もボードゲーム版を以前プレイしたことがありますが、アメフトをまったく知らなくても問題は無く、ルール自体はすぐに覚えられます。

ちなみに日本では「BB」を原案とし、日本人に馴染みやすい「野球」と、『ウィザードリィ』の世界観とを融合させた「ウィズボール」というカードゲームが1989年に発売されています。こちらも「BB」のようなルール無用の野球バトルで、文字通り「デッドボール」で相手を死亡させることも可能。「BB」のように、観客席から選手めがけて攻撃魔法が撃ち込まれるハプニングもあります。

『Blood Bowl: Chaos Edition』のゲーム画面。

PCゲームでの「BB」ですが、1995年にMS-DOS バージョンがリリースされています。その後、2004年にCyanide Studioが『Chaos League』をリリース。内容が「BB」に酷似していることからGames Workshopが訴訟を起こしましたが、最終的には和解し、Cyanide Studioが「BB」の公式PCゲームを開発することとなりました(そして現在に至ります)。

2009年に本シリーズの1作目がリリースされ、翌年にはバージョンアップした「Legendary Edition」、さらに2012年には「Chaos Edition」が登場。2015年にはグラフィックを大幅に強化した続編『Blood Bowl2』がリリースされ、人気を博しました。

本作は2021年にリリースされる予定でしたが、延期に継ぐ延期で、筆者のSteamのウィッシュリスト内にずっと残っていました。今回やっとのことでプレイできるといった次第です。

本作の特徴としては、「BB」最新バージョンである2020年リリースの「セカンドシーズンエディション」(以下「BBSE」)をベースに開発されています。マイナーチェンジがいくつかありますが、既存のファン層を混乱させないようルールの根幹部分はほぼ変わらないとのこと。一体どんなゲームになったのか、早速プレイしていきましょう!

ブロック(という名の攻撃)を制する者がゲームを制する!

ゲームを起動すると、テンポの良いムービーが流れます。リリースまで長く待たされただけあって、観ているだけでテンションが上がりますね。本作から日本語サポートがされており、ムービーにも日本語字幕が付いています。

サーバーに問題があるのか、オンラインは何度やってもつながらないため、オフラインモードでプレイ。チュートリアルも一応あるのですが、まったくプレイしたことのない方にはわかりづらい内容なので、ゲームの要点を説明していきます。

チュートリアル試合。グラフィックは前作『BB2』と大きく変わらない感じです。本作では、ほぼすべての行動はダイスの目で解決されます。相手のそばを通り抜けたり、パスを受け止めたりだけでなく、地面に落ちているボールを拾うのにもダイス判定が必要。

各選手には、前作でもあった「MA(移動力)」「ST(攻撃力)」「AG(俊敏度)」「AV(アーマー値)」の4つに加え、本作初登場の「PA(パス力)」の、合計5つのパラメータがあります。

ボールを拾うには、まずボールの落ちているマスまで移動し(「MA」の数値分のマスを移動可能)、1D6(6面ダイスを1つ振る)で「AG」の数値以上を出さなければなりません(標準的な選手の「AG」は3)。ゲームだと自動で解決してくれるのが便利ですね。

ゲームは前半・後半各8ターンの、合わせて16ターン。ボールを拾って、相手側のエンドゾーンまで運べば1点です。選手の下にある円が赤いのは「行動済み」(もしくは行動不能)、白いのは「未行動」。選手全員が行動済みになるまで動かせますが、誰かが「転倒」「パス失敗」などダイス判定をミスした時点で相手のターンになります。そのため「まずダイス判定不要な選手(移動のみの選手)を動かす」→「ダイス判定が必要な選手を動かす」の順で行うのが良いでしょう。

選手は、その周囲8マスに「タックルゾーン」を持っています。タックルゾーンを通る相手は、そのたびに通過できるかどうかのダイス判定を行います。タックルゾーンでは、相手の回避判定に「-1」の修正が掛かります。同チームの選手のタックルゾーンが被っている場合、その人数に応じて「-2」「-3」と、どんどん修正が大きくなっていきます。そのため、なるべく複数の選手で相手の進路を妨害した方が良いでしょう。

ブロック(という名の攻撃)を相手に仕掛ける場合、自分と相手のSTを比較します(ボールを持っていない相手にも仕掛けられます)。STが同等ならダイス1個、相手より高ければダイス2個、倍であればダイス3個になります(「相手は1マス下がる」「相手は1マス下がってダウン」「双方ダウン」「攻撃側ダウン」などのマークが描かれた、専用の6面ダイスを使用)。振ったダイスの中から1つを選んで、それを「結果」にします。ダイス3個でも、運が悪いと3個とも「攻撃側ダウン」だったりすることも。

ブロックが成功した場合、相手を「プッシュバック」する方向を決められます。プッシュバック時には「フォローアップ」(1歩前進)するか、その場に留まるかの選択が可能。ラインを崩したくない場合や、敵に囲まれてしまう場合は、その場に留まった方が良いでしょう。

ブロックでダウンした相手は、AV(アーマー値)判定負傷判定が行われます。エルフなどAVが低い選手は、ケガしやすくなります(最悪死亡します)。ダウンした相手には、さらにトドメを刺すことも可能。ただし反則なので、ダイス判定によっては審判に発見され、「選手の退場」かつ「ターン終了」になってしまいます。リスクも考えて仕掛けた方が良いでしょう。

チームを作って試合に挑もう!

移動とブロックさえ理解できれば、後の細かい部分は実戦で覚えていくといいでしょう。「BB」のゲームの流れですが、チームを作成したのち、リーグに参加し、試合で稼いだ賞金や経験値でチームを強化していきます(実際のボードゲームでも、成長要素有りのリーグ戦を何日もかけてプレイすることがあります)。

プレイ種族ですが、それぞれ特徴があります。例えば「エルフ」は俊敏ですが、打たれ弱い。逆に「ドワーフ」は、動きが遅いけど打たれ強いといった感じです。筆者は主に「人間」を使っていますが、「特徴が無いのが特徴」という種族。突出した能力はありませんが、弱点と言うほどのものも無く、全体的にバランスの取れた使いやすい種族です。今回も「人間」でいきます。

テンプレートで作られたバランス型チームもありますが、試しに自分で作ってみましょう。ゲームには大きく分けて5タイプの選手がいます。汎用選手である「ラインマン」、ブロックに秀でた「ブリッツァー」、ボールピックやパスに優れた「スローワー」、俊足でパスキャッチの得意な「キャッチャー」、でかい図体で攻撃力の高い(けど命令を聞かないこともある)「ビッグガイ」の5タイプです。

『BB3』になって、人間チームには種族「ハーフリング」が追加されました。能力は高くないのですが、小柄なことから「ビッグガイ」のオウガを使って投げ飛ばすことができます。上手く使えば、敵ラインを一気に突破できるかもしれません。

チーム作成時には100万ゴールドを渡されますので、その金額内で選手を雇用。今回は『BB2』で使っていた組み合わせ「ラインマン×4、プリッツァー×4、スローワー×1、キャッチャー×1、ビッグガイ×1」の、控え選手無しの11人でいきます。余ったお金で「リロール」(ダイス振り直し。試合中に使用可能)を3つ購入。

フォーメーションの設定。サイドエリアは各2人までしか配置できません。ビッグガイやプリッツァーなどブロック要員を前線に置き、左サイドには奇襲用にスローワーとキャッチャーを配置。あとはラインマンを適当に置いて完成です。それと選手名が「???」になっていますが、アップデート後に日本語が上手く表示されなくなったようですね。

チームの総合能力が相手より低い場合、その差分だけゴールドが貰えて買い物ができます。観客席から敵選手に魔法を打ち込む「魔法使い」や、審判に反則を見逃してもらう「賄賂」、選手を治療できる「薬師」、能力の高い「スター選手」などいろいろあります。控え選手がいないので、「薬師」を雇っておきましょう。あとハーフタイム時にリロールが+1になる「猛特訓」も購入。

試合前のコイントス。成功した方のチームが、ボールをキックする側か、レシーブ側かを選べます。ゲームでは自動解決されていますが、ボードゲームだとコイントス以外にも、天気に関するダイスロールを行います。晴天や雨天・猛暑・ブリザードなどがあり、試合に影響を与えます。今回は晴天。

コイントスに勝利し、キック側を選択(手前が敵陣)。どこにボールをキックするかを選べますので、敵陣の奥あたりを選択。キックオフ時にはイベント発生のダイスロールが行われ、「チア合戦」(雇ったチアリーダーの数が多いチームにリロール+1)や「ピッチ乱入」(全選手に気絶のダイス判定)などユニークなイベントが起ることも。

試合開始の1ターン目から、前線を守るプリッツァーの一人が移動時に敵のタックルを食らい、まさかの負傷。いきなりチームメンバーが一人減り、控えもいないので、残った10人で戦わなくてはなりません。これはかなりツイていない……。

相手は素早い動きのネズミ人間「スケイブン」のチーム。こちらのディフィンスの隙間を縫うようにして、どんどん自陣に入り込んできます。「打たれ弱い」という弱点があるので、ブロックで食い止めて、負傷させてやりましょう。

相手選手を潰すために反則を仕掛けたところ、バレてレッドカードになりました。さらに1人が退場し、これで残り9人に。賄賂を用意しておけば良かったですね。

ディフェンスの隙を突かれて、ボールを持った敵がエンドラインに到達。先制点を取られました。足が速いので、一気にエンドラインまで駆け込まれてしまいますね。画像の背景の味方ベンチには、先程レッドカードになった選手と、開幕で負傷した選手の姿が見えます。

ハーフタイムで、敵陣営のチアリーダーによるパフォーマンス。チアリーダーには違いないのですが……。

1点リードされたまま、後半戦開始。しっかりラインを作って敵を通さないようにしますが、やはり人数差が厳しい。とにかく守りに徹して、敵を潰す作戦でいきます。しかし善戦も虚しく、追加点を許してしまいました。せめて1点だけでも取り返したいところ。

オウガの攻撃(ブロック)が決まり、相手選手を一発KO!「どうやら選手たちはようやく思い出したようです、この競技はサッカーじゃないってことをね」との実況も入り、テンションも上がってきました。実況の面白さも本作の特徴ですね。

敵のディフェンスに隙間が出来たので、オウガも含めた選手全員で一丸となって攻め込みます。ボールを持っている選手を守るように配置し、迫りくる敵をブロック。果たして得点なるか……?

途中、敵ビッグガイのブロックによってボールを落とし、それを敵選手が拾おうとしたところ、ボールピック失敗。スッ転んでこちらのターンになりました。味方ラインマンがすぐにボールを拾い上げ、エンドゾーンに駆け込んでタッチダウン!やっと1点取り返せました。

激しい攻防が続く中、16ターンが経過して試合終了。2対1でこちらの敗北です。初試合だったこともあり、操作ミスや判断ミスが目立つ反省点の多い内容となりました。次は果たして勝てるのか、続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

「BBSE」ルール導入の最新作

本作は「BBSE」ルールが導入された最新作ですが、基本ルールは前作と大きな違いはありません。前作をプレイしたことがあれば、本作も問題無くプレイできるとは思います。名作ボードゲームの移植なので、ゲーム自体の面白さは保証済みなのですが、細かいバグやオンラインの問題などから、Steamのストアぺージでは「やや不評」の評価がされています。

本作は日本語サポートもされており、翻訳の出来も問題ありません。これまで英語が障壁になってプレイできなかった方にもオススメしたいのですが、前述のバグの問題や、筆者の環境だと部分的に日本語が「???」で表示されていたり、サーバーにつながらないといった事態にも遭遇しているため、強くオススメしにくいところがあります。英語に支障の無い方は、完成度の高い『BB2』の方を先にプレイした方がいいかもしれません。ゲームの内容自体は面白いので、今後のアップデートに期待したと思います。

製品情報

『Blood Bowl 3』
開発・販売:Cyanide Studio、Nacon
対象プラットフォーム:PC/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S
リリース日::2023年2月24日
通常価格:3,400円
サポート言語:日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、ドイツ語など12言語
ストアページ:SteamEpicGamesストアPlyaStationストアXBOXストア

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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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