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【PC版先行プレイ】『Atomic Heart』はハードコアで伝統的なRPGシューター。美術とサウンドは痺れるが、古臭さも見過ごせない

音楽と美術はエッジが効いていて、非常に魅力的なシューターRPG。ただし一部には、好みが分かれる点や不便な要素も見られました。

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【PC版先行プレイ】『Atomic Heart』はハードコアで伝統的なRPGシューター。美術とサウンドは痺れるが、古臭さも見過ごせない
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独特なビジュアルで注目を集め、2018年5月の発表から長年にわたってゲーマーをやきもきさせてきた『Atomic Heart(アトミックハート)』の発売が、いよいよ直前に迫ってきています。この記事では、そんな本作を一足先にクリアまで遊んだ筆者からのPC版先行プレイレポートをお送りします。

ストーリーや進行に関するネタバレは避けていますが、記事の性質上ある程度ゲームの内容に触れざるを得ないため、「何も知らずに遊びたい!」という方は閲覧にご注意ください! また筆者は本作をメディア向け試遊会で体験済みなので、より基本的な本作の情報が必要な方は、そちらの記事と合わせてどうぞ!



本作は多くのシングルプレイ用ゲームと同様、プレイ開始直後に難易度を選択することになります。具体的にはイージーに相当する「平和の原子」、ノーマルの「ローカル障害」、ハードの「アルマゲドン」の三段階から設定可能。事前プレイから厳しめの難易度を感じていた筆者は、「ローカル障害」と「平和の原子」を切り替えつつ、比較しながら遊んでみました。

プレイを通してみると「ローカル障害(ノーマル)」では序盤の弾薬不足に悩むことが多く、装備などが揃ってくるゲーム中盤からはどちらの難易度であっても厳しいシチュエーションが続くため、プレイしていくうちに難易度の差は縮まっていくように感じました(ボス戦などは除きます)。

「平和の原子(イージー)」でプレイしておけば、装備などの準備を完全無視しない限りは難しさをほぼ感じないでしょう。とはいえ即死攻撃も登場するので要注意です。

全体的な印象としては「かなりクラシカルなゲーム」であると感じています。『BioShock』シリーズや、この間リメイクが発売されたばかりの『Dead Space』を思わせるところもありました。試遊会のレポートでも述べたように「回避」が重要になる近接戦闘は少し目新しくもありますが、基本的には旧世代の「RPGシューター」を彷彿とさせる、どこか懐かしい手触りでした。これは良い部分でもありますが、悪い部分とも言えます。

メインクエストは「○○に行く/そのために○○をしなければならない」というものが多く、“おつかい”感が先述のタイトルたち、特に『BioShock』シリーズを彷彿とさせます。もちろん各ロケーションには奥深さを感じる設定があり、ビジュアルも工夫されているので、プレイヤーを退屈させません。

しかし頻繁にシナリオが停滞するため、じれったく感じられることも。例えば「ようやく目的地に到着したのにもかかわらず、入場のためのキーアイテムを探すために戻される」というくだりでは、楽しさよりも面倒臭さのほうが勝っているようにも思えました。こういったポイントで「一昔前のゲーム」を思い起こさせ、良くも悪くも“クラシカル”な印象を受けています。

謎解きも古典的FPSアドベンチャーのようで、面倒だったり、分かりにくかったりする場面も少なくありません。「どうやったら進行するのか」を見失い、しばらくさまよう羽目になったケースも何回かありました。

ここから古臭さを感じるかどうかはプレイヤー次第かもしれませんが、長年にわたる開発期間の中で「シングルプレイゲームのトレンド」が動いたことも理由だと思います。このあたりは良し悪しというより、好みの問題でしょう。

リニアにストーリーを進めていくだけでなく、メインクエストの進行を無視して散策できるオープンワールドのパートもあります。オープンワールドパートではメインシナリオと関係がない「試験場」があり、パズル的なマップを攻略すると武器のアップグレードなどを得ることができます。

今回は隅々まで深く遊び尽くすというより、全体を見回すように広くプレイしていましたが、試験場を虱潰しにしたりと丁寧に遊んだ場合は、かなりのボリュームを感じられることでしょう。それ以外にも探索できる範囲はかなり広く、探索好きにはたまらないゲームです。

ただし、筆者が通して遊んだ中では「ファストトラベル」のような要素を見つけられず、歩き回っての移動に大変さを感じることもありました。移動手段として自動車が用意されていますが、敵や障害物・地形の関係上、乗って行ける範囲はそこそこ限定されていました。

メインクエストを進めていても探索に耽っていても、現れるオブジェクトやクリーチャーなどがどれもかっこよくて斬新。プレイヤーの目に入ってくるものがいちいちクールである、 というのが『Atomic Heart』の最大の美点です。ゲーム内ジャーナルもかなり充実しているので、設定フェチや世界観フェチなら、予告映像で抱いた期待を裏切られることはないでしょう。

音楽や音響もユニークで、初めて聞く曲が流れるたびに衝撃を受けてしまいました。サントラが出るならば絶対買います。また、PC版は完全に無規制とのことで、なかなか強烈なゴア表現を楽しめます。

世界観の他、本作の優れている部分として挙げられるのは「ボス戦」です。ボスの動きは非常にこだわられていて、かっこよく、戦っていて凄まじいスリルを感じられます。探索で鍛えた武器や能力をフルに注ぎ込むことができる絶好の機会ですし、「ボス戦だけを何度も遊べるモードがあったらいいのに」とも感じました。

一方で通常の戦闘は、前述した弾薬の厳しさもあってか、楽しいというよりはしんどく感じられることも多かったです(「平和の原子」モードであっても、です)。

敵の集団を浮かせて地面に叩きつけダメージを与えられる「マステレキネシス」を使って戦うのが筆者のおすすめ。ただし、ときには戦闘を避け、ダッシュで駆け抜けるなどの手段も用いたほうがよいでしょう。敵が無限湧きするようなパートではステルスも重要ですが、なんだかんだどうせ見つかるので、いっそ駆け抜けてしまったほうが都合が良かったりします。

筆者にとって本作最大の不満点は、融通の効かないセーブシステムです。セーブは「新しい順にいくつか保存され、古いものは破棄される」という仕様のため、二周目を遊ぶことが非常にためらわれます。クリア後にぼんやり二周目を遊んでしまうと、いずれ終盤のデータが消えてしまう……ということですね。

特定のパートを選んで「あの場面をやり直してみよう」というような遊び方もできません。このあたりも昔ながらのシングルFPS/TPSらしい“クラシカル”なところなのですが、やり込みたいプレイヤーにとっては不便であると思います。

筆者なりに本作についての感想をまとめると「音楽と美術はとてつもなくエッジが効いていて魅力的だが、その他は好みが分かれ、明確に不便な点があることも見過ごせない」といったところです。

トレイラーやイメージで覗ける斬新な世界観が好きなら間違いなく遊ぶべきで、クラシカルなRPGシューターが好きなゲーマーにもおすすめできますが、近代的なオープンワールドRPGを期待すると融通の効かなさに面食らうことにもなりかねません。とはいえ、Game Passにも追加されますしPC/Xboxコンソールのユーザーであれば、とにかく遊んでみて損はないでしょう。

『Atomic Heart』はWindows(Steam, Microsoft Store)/PS5/PS4(共に北米版)/Xbox Series X|S/Xbox One(Game Pass対応)向けに2月21日に発売予定。国内PS5/PS4版は4月13日に発売予定です。


《Game*Spark》
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