Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした

今『Dead Space』をやるなら、間違いなくコレという1本。

連載・特集 Game*Sparkレビュー
Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした
  • Game*Sparkレビュー:『Dead Space』(2023)―傑作を現代に伝えるという目的を確かに果たした

『バイオハザード RE:4』や『Alan Wake II』など、2023年はサバイバルホラーファンにとってまたとない素晴らしい年になるでしょう。そんな2023年の幕開けを飾ったのは、リメイク版『Dead Space』です。サバイバルホラー、ひいてはTPSというジャンルに絶大な影響を及ぼした『バイオハザード4』と『Dead Space』が同じ年に発売されるというのは、歴史的瞬間であるとすら感じてしまいます。

本稿では、2023年1月28日にPC/海外PS5/海外Xbox Series X|S向けに発売された『Dead Space』(2023)のGame*Sparkレビューをお届けします。レビューにあたっては、PC版をXbox Series S用ワイヤレスコントローラーでプレイしました。そのため、記事中のボタン表記はXbox配列準拠となります。

『Dead Space』(2023)について

本作は、Viscera Games(当時の名称はEA Redwood Shores)が開発しEAが2008年に発売した『Dead Space』第1作目のリメイクです。リメイク版は『STAR WARS:スコードロン』を手掛けたMotive Studioが開発しています。2008年当時は日本で発売されませんでしたが、画期的なゲームプレイやグロテスクな表現から注目を集め、並行輸入版などをプレイしたコアゲーマーを中心として日本のゲームシーンでも以降一定の知名度を持った作品となっています。オリジナルPC版にはクオリティの高い有志日本語化Modも存在していたため、プレイした人も少なくないはずです。


リメイク版の発売にあたって、メインシリーズとしては初めて公式に日本語に対応しました。残念ながら字幕対応のみではありますが、これまで日本で正式な発売が叶わなかったシリーズとしてみると、これまた歴史的瞬間といえるでしょう。

物語は、エンジニアである主人公アイザック・クラークが巨大艦・USGイシムラを修理するという任務で派遣されるところから始まります。しかし、イシムラの内部は様子がおかしく、乗組員の姿は見当たりません。おそるおそる内部を探索してみると、乗組員が虐殺され化け物が徘徊する地獄絵図になっていたのです。エンジニアであるアイザックは、イシムラで働いていた最愛のパートナー・ニコールの居場所とイシムラに隠された秘密に迫っていきます。

原作の良さはそのまま受け継がれている

ゲームプレイの流れは、時折出現する敵を倒しながらイシムラの中を探索し、ストーリーの進行に合わせて指定されたミッションをこなしていくというものです。探索中には時折敵が出現するため、倒さなければいけません。武器は横もしくは縦の直線状に弾が出るプラズマカッターや、丸のこぎりで継続ダメージを与えられるリッパーブレード、オーソドックスなアサルトライフルタイプのパルスライフルなど複数種類存在し、状況に応じて使い分けていきます。

▲足を切り落とした様子。本作の特徴として、四肢切断システムが挙げられます。

他のシューターにおいて、敵の弱点は頭に設定されていることが一般的です。しかし本作の敵は頭を撃ってもダメージが少ないため、手足を撃って切断することが必要になります。人型の敵以外にも、赤ちゃんのような形で背中から触手を生やしている敵や、足の代わりに長い尻尾が生えている敵など複数種類存在しますが、基本的に手足や触手を切断するほうが大ダメージというルールは変わりません。

▲ステイシスによって敵の動きをスローにしている場面。

「ステイシス」という能力は探索にも戦闘にも活躍する優れた能力です。これは対象の動きをスローにできるというもので、素早く回る換気扇を遅くして通れるようにしたり、勢いよく駆けてくる敵を遅くして撃ちやすくしたりと、様々な場面で使えます。ゲージを消費するため、マップ上の特定箇所に設置してあるリチャージポイントか、「ステイシスリチャージ」という消費アイテムを使わなければいけません。

▲キネシスを利用してガスボンベをぶつけようとしている場面。

「キネシス」という能力は、物を引き寄せたり吹き飛ばしたりできます。敵を直接つかむことはできませんが、エレベーターなどを通電させるバッテリーを持ち運んだり、爆発するガスボンベを投げつけて複数の敵を一網打尽にしたりと様々な使い道があります。こちらはステイシスと違い、使用回数に制限はありません。

サバイバルホラーというジャンルの性質上、弾薬や体力といったリソースの管理能力も求められます。敵を倒すために撃ちすぎると弾薬が少なくなってしまいますし、ステイシスも便利だからといって使いすぎるといざという時に発動できなくなります。お金の要素もあり、マップの特定地点にあるストアで弾薬や回復、アップグレードなどを入手できます。

四肢切断システムはまず足を切って地面を這わせ、その後腕を切ってトドメというような戦略性を生んでいますし、敵はボロボロになってもかなりしぶとく追いかけてくるため、追い詰められるような感覚はホラージャンルとの相性も良いです。同時に複数の敵に襲われた際にも、ステイシスをうまく利用して捌き、まとめて処理できたときは気持ちよく、爽快です。

▲敵を倒してドロップした回復アイテムを入手する画面。

初期武器であるプラズマカッターを使用した場合、敵1体を倒すのに最低でも4~6発ほどは必要になることが多いです。1体ずつ丁寧に倒していると弾薬が足りなくなる事があるため、倒す場面と逃げる場面は見極めなければなりません。また、プレイヤー自身のシュータージャンルの腕前も影響するでしょう。

消費が大きい代わり、倒した敵にLBで踏みつけを行うことで、弾薬やお金、回復などのアイテムを必ず入手できます。戦闘によって失うリソースと得られる報酬のトレードを考えて立ち回るのも、本作の醍醐味と言えます。

以上の要素や面白い点は、原作の時点ですでに存在しました。このリメイク版でも大きくは変わっておらず、それぞれの要素の良さはそのまま、元々の魅力を存分に味わえます。


《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top