『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】

ながく『バイオハザード』シリーズと向き合って両名が、名作とされる『4』のリメイクにどのように挑んだか、そしてどのように進化させたのかを伺いました。

連載・特集 インタビュー
『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】
  • 『4』のリメイクはできればやりたくなかった?『バイオハザード RE:4』平林Pと安保Dが名作リメイク開発のプレッシャー語る【インタビュー】

世界中のゲーマーの注目を集める『バイオハザード RE4』。3月24日に発売が迫る中、インサイド編集部は、原作の『バイオハザード4』の開発にも携わっていた本作プロデューサーの平林良章氏と、『RE:2』に続きディレクターを務める安保康弘氏に、本作についてインタビューを実施しました。長い間『バイオハザード』シリーズと向き合っている両名が、名作とされる『4』のリメイクにどのように挑んだか、そしてどのように進化させたのかを伺いました。


左が本作のディレクター安保康弘氏、右がプロデューサーの平林良章氏

――原作となる『バイオハザード4』の思い出と、リメイク版をどのようなスタンスで開発していったのかお聞かせください。

平林良章氏(以下、平林):私は原作には開発者の1人として関わっていいました。当時は三上さん(三上 真司氏)がディレクターとして進めていく中で、最初の村の部分を作っていました。かなり面白いという手応えを、自分を含めたチーム一堂で感じていたのは今でも鮮明に思えています。そういう「面白い」部分が、なぜ面白く感じたのだろうというのを、今回のリメイクにあたって考えました。改めてこの作品と向き合った時に、プレイヤーに色々と選択の幅があったこと、つまりそれぞれの答えを出せるようなレベルデザインのゲームシステムが面白さに繋がっていたのかなと。リメイク版である本作においても、プレイヤーそれぞれのスタイルに合わせていけるようなゲーム体験の持っていき方を大切にすべきだと思って開発しています。

安保康弘氏(以下、安保):当時、私はまだ関わってはなかったので、1ユーザーとしてかなり衝撃を受けました。これまで『バイオ』シリーズを作ってきた側でもありますが、いい意味で『バイオハザード』らしい部分を残しつつ、ゲーム内容が全く変わっていたところが 1番驚きでしたね。シューターに変わったけど、サバイバルホラーの部分はしっかり残っているってところとか。なので、今回リメイクするにあたって『バイオハザード』としての芯はもちろん大事にしつつ、アクションゲームとしての爽快さとホラーのバランスが取れているところは、しっかりとリメイクでも活かしていこうと意識しました。

――お二人は自分が『バイオハザード4』のリメイクを担当すると決まった時にどのような気持ちになりましたか。

安保:最初、正直なところ『バイオハザード4』はシリーズでも伝説的な作品でしたし、リメイクする難しさも痛感していたので、うん、これはできればやりたくないなと思っていました(笑)。下手したらユーザーに叩かれるやんって。

平林:やる前から心が負けてるじゃない(笑)。

安保:それぐらい伝説ですから。ただ、今プレイしてみると、 もうちょっとこうしたら良くなるな、みたいな部分が見えてきたんですよね。そこから、ちょっとチャレンジしてみようという風に考えを改めました。 それでも、やっぱりプレッシャーはありましたね。

平林:私も非常にプレッシャーを感じていました。先ほど安保が言ったように、皆さんに愛されていて、今も普通にプレイをしていただいて、非常に楽しいと言ってくださっているタイトルのリメイクにどう向き合ったらいいのかと。昔の開発者の1人としての部分ももちろんありますけれど、お届けする側としても、皆さんに本当に喜んでいただける形にするは、いくつもの山を越えることになるだろうなと。ですので、正直なところ大役だなと感じていました。やりたくない、みたいなことは僕はありませんでしたが、非常にプレッシャーを感じましたね。

――安保ディレクターが先ほどお話しした「もうちょっとこうしたら良くなる」と思った部分を具体的にお聞かせください。

安保:わかりやすいところで言うと操作性ですよね。原作当時は新しかったんですが、その後、シューティングゲームはどんどん進化していっています。今のスタンダードからすると、操作性は独特のものがありましたので、そこはまず改善はできるだろうなと。次に、ストーリーの部分も現代のゲームと比べると、やはり表現方法としてもっとやれることがあると感じました。掘り下げれば色々表現できるところや、ビジュアルに関しても、当時はしっかりとホラーの雰囲気があって怖かったり、綺麗な絵だったりしたのですが、今の最新のハードでの解像度が上がったビジュアルがあれば、もう1段階この雰囲気を押し上る余地があるのではないかと。

――本作はZ区分のみの展開となっていますが、グロテスク表現を控えた通常版と分けなかった理由はあるのでしょうか。

平林:各国のレーティングの判断は尊重しています。ただ、皆さんにとって思い出深い作品の中で表現されていた要素を、必要以上に省いて売って良いのか、という思いが強くありました。特に『バイオハザード』の場合は、そのレーティングに対して満たさなければいけない必要情報が、通常表現のコンテンツよりは強めです。ただ、2つのレーティングの中で皆さんへの体験の差を作るべきではないだろうと本作では考えました。皆さんの思い出の部分をどこまで残していきながらお届けするか考えて、 今回はZ区分の表現で皆さんにお届けしたいとなりました。真摯に原作の表現に向き合った結果、やはりZ区分一択として、国内は展開ささせていただきたかったんです。

――3rdトレーラーではルイスが原作より活躍しているように見えたのですが、本作では原作にはないキャラクターの活躍が描かれているのでしょうか。

安保:そうですね。原作のストーリーを考えた時に、ルイスはきちんと描ききれてなかったなというのはまず気になっていたところでした。ルイスの出番をもっと増やすことで、彼に対して思い入れを持ってもらえるのではないかと考えて、レオンと一緒に戦うなど、彼が活躍する部分を少し増やしています。アシュリーも原作よりもかなりセリフを増やしています。レオンと一緒に行動する中での会話を増やして、お互いどのような心境で一緒に行動しているかというのを深掘りしました。

平林:原作ではゲーム中にあまり会話はせずに、基本的にカットシーンの中やファイルの中で伝えるような表現でしたが、本作ではゲームプレイを止めていない状態でも、お互い思いの部分であったり、キャラクター設定の部分であったりについて触れるようなことが盛り込まれています。ですので、原作以上にストーリー性を感じていただけるんじゃないかなと思います。

安保:アシュリーは急にああいう状況に放り込まれて、不安な状態からレオンと出会って一緒に行動する中で、 リアルであればいろんな心境変化があると思うんですよね。不安でまだ信用できないとか、一緒に行動する中でだんだんこの人信用できるんだな、みたいな心境の変化なると思いますので、 そういった部分も結構細かく表現しています。

――原作のクラウザーは唐突に出てきた印象があったのですが、その辺りも深掘りされているのでしょうか。

安保:そうですね。そこもちょっと唐突だった部分をもう少し前から存在を匂わすような部分を足すなどしています。出てきた時に、こいつか!って感じられると思います。

――今回リメイクするにあたって、新たにヨーロッパなどの現地の取材はされているのでしょうか。

平林:時節柄も含めまして、現地に開発チームが行くということは今回はありませんでした。ただ、スペインを母国をされている方が開発チームのメンバーにもいますので、実際に現地ではどのような風習なのかとか、どのようなロケーションの特徴があるのか、という部分は、そういうスタッフからのヒアリングも含めて、開発に反映をさせています。

――本作はガナードをはじめとした敵のアクションも変わっているのでしょうか。

平林:そうですね。基本的な要素は同じではあるんですが、改めて遊んでもらう時に驚きが欲しい部分に、原作と同じ見た目をしてるやつがこんなことしてくる!みたいなのをあえて色々仕込んでいます。寄生体プラーガも原作にはない動きや攻撃が増えていますね。

――本作のナイフには耐久値が設定されていますが、原作でできたナイフ縛りプレイも本作では可能なのでしょうか。

安保:はい、できます。ナイフ以外の武器を使わないと倒せない一部の敵を除けば、基本的にはナイフだけでもプレイはできます。耐久値がついたことで、本作ではナイフってあんまり使えないんじゃ?みたいなご心配がある方もいるとは思います。実際は様々な用途で使うこともできますし、武器商人のところで耐久値を回復させることもできますし、また新たに入手することもできます。

――原作では村長の家にだけトイレがありましたが、今作だと他の家にもトイレはあるのでしょうか。

平林:トイレというものについて、どうあるべきかという認識は持っておりました。『RE:2』ではトイレが新しくできたという話もさせていただいたのですが、先ほど話した色々な地域特性などの意見を含めた上で、表現の1つとしてどうあるべきか、というところを意識して開発しています。

――日本語音声のキャスティングはどのように選んだのでしょうか。

平林:僕はディレクターと2人で拳拳服膺しながらもベストなチョイスができたんじゃないかなと皆さんの反応を持って感じています。それぞれのキャラクターで持ち回りパートがありまして、僕はルイス(津田健次郎さん)と武器商人(千葉繁さん)はこだわらせていただきました。

安保:サドラーは僕のこだわりで大塚芳忠さんを選ばせていただきました。悪の深みや重たさを意識しています。実はサドラーって、ゲームの中では出番が少ないんですよね。なので、 たまに出てきてもすごく存在感がほしかったので、それも含めて選びました。

平林:アシュリーは、2人でいろいろな方の演技を聞かせていただきながら選びました。既存のレオンであったり、エイダであったり、ハニガンであったりというのは、今までのシリーズでしっかりと演じて下さっている方が今回もふさわしいだろうと。

安保:アシュリーの英語の声は比較的に低い声質になっているのですが、日本語吹き替えは原作に寄せる感じで鬼頭明里さんにお願いしています。

――ずっと英語音声しかなかった『4』の日本語音声を作る際のこだわりポイントはあったのでしょうか。個人的には武器商人を演じる千葉繁さんが英語版と同じく「ウェルカム!」と言っていたのは驚きでした。

安保:我々としても、武器商人には「ウェルカム」と言われるんだと刷り込まれているのだと思ったのでそのまま残しました。 最初、「ようこそ」でセリフを言ってもらったらしっくり来なかったんですよね。

――日本人だけど原作の英語のセリフに慣れ親しみすぎていたと。

平林:やはりプレイしている時に繰り返し聞くから、みんなすごい刷り込まれるんですよ。海外の方からも武器商人のあのセリフがすごく頭に残っていると言われたことがあります。

――最後に読者へのコメントをお願いします。

平林:3月24日まで、時間も残すところあと少しとなっています。体験版も近日中に用意させていただきますので、そちらをプレイしながらお待ちいただければと思います。皆さんの思い出や作品に対する愛というものに自分たち製作者一同向き合って開発を続けてきました。ぜひ楽しんで頂ければと思います。

安保:前作『RE:2』でもレオンが主人公でしたが、そこからさらに 成長した地続きのレオンを『RE:4』では描いています。もちろん、『RE:4』から入る方でも十分に楽しめる内容になっていますが、『RE:2』を遊んでいただいた方もぜひとも遊んでいただけると嬉しいです。

――本日はありがとうございました


『バイオハザード RE:4』は、PS5/ PS4/ Xbox Series X|S/ Steamを対象に3月24日発売予定。ダウンロード版が7,990円(税込)、パッケージ版が8,789円(税込)です。ダウンロード版のみ、追加DLCパックが付属した「Deluxe Edition」が8,990円が用意されています。また、PS5とPS4のみ、フィギュアなどが付属する「Collector’s Edition」が34,969円で発売予定です。


《蟹江西武》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

連載・特集 アクセスランキング

アクセスランキングをもっと見る

page top