今回は、Odencatが贈る『メグとばけもの』のニンテンドースイッチ版をプレイ!本作は、地上から魔界に落ちてきた人間の少女メグと、魔物のロイの交流を描いたアドベンチャーRPGです。
僕が20代の頃、小さな子どもを主要キャラクターとした作品は、どんな内容であっても「子ども向けだろ?フフーン」と決めつけて避けていた時期がありました。特に子どもが何気なく言った一言に、大人がハッとさせられるみたいなシーンが嫌いだったんですよね。

30代になって姪っ子甥っ子が出来て、小さい子どもと接する機会が増えた今では、あの頃避けていた分まで楽しんでいます。そんなわけで、本作も発売を心待ちにしていました。子どもと魔物が心を通わす物語って……絶対面白いやつじゃん!
◆HPカンストの最強魔物と少女が出会う

人間が住む地上とはまた別の世界である魔界に、母親とはぐれた少女「メグ」が迷い込んできた。魔界の住人にとって人間はエサでしかなく、その場に居合わせた魔物たちの毒牙にかかろうとしたその時……。

メグの泣き声に呼応するように辺りは赤く染まり、明らかに異常な事態が起こる。魔物のロイとゴランが、メグをあやして泣き止ませると異常な事態も収まった。

そこに、メグを食べようとする新たな魔物がやってきて、成り行きでバトルが始まった!ロイのHP、めっちゃ高いな!

「ロイもいつか弱体化しちゃうのかな……」と心配になったけど、今はまだ圧倒的なパワーは健在だ。魔物をなんなく退ける。

メグに妙に懐かれてしまったロイは、そのままロイの住処にメグを連れて帰る。ゴランいわく「メグが泣くと世界が滅びるかもしれない」とのこと。
ロイは己の身を守るためにも、メグの子守をしつつ、母親探しに協力するのだった。

お母さんが見つかるまで、おじさんがママだよ!
◆最強魔物の制約は子守!

先程倒した魔物が、他の魔物を引き連れて再びやってきた。えっ、メグも戦うの!?

もちろん非力なメグが戦えるわけはない。メグは敵から直接攻撃されないが、ロイがダメージを受けると、心にダメージを負って泣いてしまう。
メグの心のゲージがゼロにならないように子守をしながら戦うのが本作の特徴だ。なるほど、ロイ自体は最強のままだけど、子守という制約により万全には戦えないってことか。

ロイは何発殴られようが平気だけど、メグは数発殴られるところを見るだけで心が大ピンチだ。メグを回復させなければ!

メグの心を癒す術は、回復呪文でも薬草でもなく、おもちゃを使ってあやすのだ!
ロイは、バトルと子守のマルチタスクをこなしていくんだけど、決して優秀な育メンなわけではない。
ボール遊びをすれば、力加減がわからずにぶっ飛ばしてしまうし、そもそもおもちゃの概念すら知らなかったくらいだ。

ロイは、他の魔物のように人間を食べようとしない代わりに、マジックタールと呼ばれる謎のドロドロを主食としている。ツボに入ったドロドロを食べてるところを想像すると……くまのプ◯さんみたいだ。

人間に対する知識もなく、魔物としてもどこか変わり者のロイを支えるのが、相棒ポジションのゴランだ。ただ、怪しい人物との繋がりもあり、裏切りフラグをビンビンに立てている。僕は信じているからな!
◆最強だけどまだまだ成長していくロイ

ロイやゴラン、メグを食べようとしていた魔物たち以外にも、魔界では多くの魔物たちが生活している。
魔界を統括する評議会メンバーは、どのキャラクターも個性が豊かで、どこか抜けていて可愛らしい。

評議会メンバーであるナンシーは、ロイが住処の壁に落書きされて激怒しているところにいきなり現れて、ぐうの音も出ないほどの正論で諭したのちにスッと帰っていく。なにそれ、可愛い。
ロイもロイで、ナンシーに「ちゃんと褒めてあげるのよ?」と言われ、素直に了承しているところが可愛いんだよなあ。なんならロイも一緒にお絵かきしちゃおうぜ!

そういえば、僕も姪っ子にせがまれて絵を描いてたな~。おっさんの絵しか描けなかったけど……。

その後もロイは、メグや他の魔物たちと交流する中で、様々なことを学んでいく。マジックタールを食べてさえいれば満足していたあのロイが、なんとお客さんにお茶を出すようになったり……

トランプでオリジナルのカードゲームを作って遊んだりするまでに成長した。

あんなに殺風景だったロイの部屋も、今ではおもちゃが溢れかえっており、ロイとメグの関係が深まっていったのがわかる。
そうそう。実家の僕の部屋も、姪っ子甥っ子の遊び部屋として活用されていて、おもちゃで溢れかえっているんだよね。僕の私物が片付けられていくのは寂しいけど、僕が育ったこの部屋で姪っ子甥っ子が楽しく遊んでくれるのは嬉しくもある。

ただ、布団を敷くスペースまで無くなってるとは思わんかったわ……。
本編のボリュームは短めで、5時間ほどでクリア出来ました。
コマンド式バトルのRPG要素はあるものの、ザコ敵と戦ってレベル上げをするといった作業的な要素はないので、途中でダレることなく、ぶっ通しでプレイしていましたね!
次にどこに行けばいいかはマップに表示されますし、詰まらずに進められました。ストーリーも音楽も文句なしに素晴らしく、小粒ながらも濃密な体験が出来る作品です。
『メグとばけもの』はPC(Steam)/Xbox One/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けにリリース中です。