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全世界興収1,000億円超えの「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」、ヒット要因は原作者参加型の製作にあり?

全世界興行収入は1,000億円を超え、快進撃の続く『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。“実写版マリオ”の失敗からしばらく映画界から距離をおいた任天堂が、ここまでのヒットに至った理由とは?そして日本コンテンツの在り方とは。

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『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
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(C) 2023 Nintendo and Universal Studios.All Rights Reserved.

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の快進撃が続いている。全世界累計興収は初封切りからわずか19日間で8億7,183万ドル(約1,168億円)に到達した。

今週末には10億ドルに到達すると言われており、コロナ禍以降のアニメーション映画としては『ミニオンズ・フィーバー』を超え、歴代1位の成績となる見込みだ。

全米では3週目時点で、昨年大ヒットとなった『トップガン マーヴェリック(全米最終7億1,873万ドル)』をも上回るペースとなっており、最終的な全米興行収入はアニメーション作品史上歴代最高の数字になるとの声もある。

2023年公開作品としてもぶっちぎりのNo.1成績で、日本での大ヒットも期待される本作は公開まで一体どのような道を歩んできたのだろうか。

ハリウッド化失敗のイメージを刷新

ファミリーコンピュータが発売されてから約40年。長い歴史の中で任天堂は世界で愛されるキャラクターを数多く生み出してきたが、映画市場に初めて参入したのは今から30年前のこと。

ローランド・ジェフ氏率いるLightmotive Filmが映像化のライセンスを獲得したことで制作されたのが、実写版マリオとして知られる『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』だ。5,000万ドル(約55億円)の大予算をかけて制作された本作だが、興行成績は振るわず。一部カルトファンからは熱狂的な支持を受けた作品ではあるが、一般的には批判的な声が多い。

スーパーマリオの生みの親、宮本茂氏も「任天堂のクリエーティブの目で監修しないとダメ」と本作の失敗を振り返っている。そして、その失敗から映画化に対して慎重になった任天堂は様々なオファーも来る中、しばらく映画界と距離を置くこととなった

そしてその長い沈黙が破られたのは2016年。『名探偵ピカチュウ』の映画化が発表され、任天堂が映画制作においてハリウッドに関わる機会は実に23年ぶりとなった。2018年には『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が「ミニオンズ」シリーズのイルミネーション制作でアニメーション映画化されることが発表。イルミネーションのブランド力がマリオのコンテンツパワーをさらに高め、今回のヒットに直結した。

“実写版マリオ”の興行不振からハリウッド化失敗の烙印を押されてしまっていた任天堂だったが、本作はそのイメージを完全払拭する大ヒットとなったと言えるだろう。

大ヒットの要因は原作者参加型の製作にあり?

世界中でアニメ映画史に残る大ヒットを記録し、観客からも絶賛の声が絶えない今作。多くの批判を受けた“実写版マリオ”と対照的なのは任天堂が製作に関わっているという点だ。

今作には任天堂株式会社代表取締役フェローの宮本茂氏が製作として携わっており、作品制作の中枢として関わっている。そのため、原作の世界観が活きるストーリーや映像が実現した。

任天堂の故・岩田聡社長と宮本茂氏が12年前から長く構想を抱えていた本作は、6年の制作期間の中で数々の議論を重ね制作が進んだ。脚本も完成まで3年間を要し、3回ほどリライトされたことも明かされている。

スーパーマリオの生みの親としても知られる宮本茂氏はゲーム制作において常に面白さを追求したゲーム作りを行っている。失敗したところを反省し、それを突き詰める形で活かしていくという過程は映画制作にも通ずるところがある。そして何より、マリオの一番の理解者でもある彼だからこそ映画としての理想像を生み出すことができたのではないだろうか。

実際、作品の良さを一番に理解している原作者が作品の製作に関わることで作品のポテンシャルが最大限発揮されることは、これまでも数多くの作品で証明されてきた。

例えば中国や韓国でも大ヒット旋風を巻き起こしている『THE FIRST SLAM DUNK』は原作者の井上雄彦氏が監督、脚本を自ら手掛けている。昨年の年間1位となった『ONE PIECE FILM RED』も、原作者の尾田栄一郎氏が作品監修を行うようになった『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』からヒットを生み出す「FILMシリーズ」としての地位を確立した。

日本コンテンツのハリウッド化もそうだが、日本映画界も小説や漫画の映像化作品がヒット作品の主流となっている現代。そんな中、批判の的となるのは“原作との違い”だ。確かに作品の映画化ライセンス権を獲得し、原作者が関わらない形で制作を進める方がよりスムーズではある。しかし、多くの作品が映像化され原作に対するリスペクトが求められる現代では、原作者の製作参加が作品の良し悪しを決める1つのターニングポイントとなるかもしれない。

日本IPの更なる躍進へ

これまでもハリウッド映画化が多く行われてきた日本コンテンツ。『ソニック・ザ・ムービー』『名探偵ピカチュウ』『ゴジラvsコング』などは続編制作も決定しており、世界的にも人気シリーズとして定着している。

しかし、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のヒットを受けて日本IPが更なる注目を集めることは間違いないだろう。「次作にも期待してほしい」と語った宮本氏は「ゼルダの伝説」などの例を挙げながら、任天堂コンテンツの映画化の可能性を示した。任天堂のコンテンツはマリオやゼルダだけでなく、カービィ、ピクミン、どうぶつの森など、ゲームの枠を越えIPとしても非常に高い知名度と人気を誇る。

このままマリオに続きヒット作を生むことができれば、ディズニーにも劣らない更なるブランド力を手にすることができるだろう。

近年はコロナ禍でのおうち時間やクランチロールといった配信サービスの助力もあり日本アニメも世界に向けてさらなる飛躍を見せている。実際に日本のアニメーション映画が、海外のランキングで上位に入ることも当たり前になってきた。

アニメーション映画の興行収入が振るわないディズニーとは対照的に、映画界において圧倒的な成長を見せている日本コンテンツ。今後の可能性も無限大だ。

全世界興収1,000億円超えのマリオ映画、ヒット要因は原作者参加型の製作にあり?

《タロイモ@Branc》
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