マイクロソフトゲーム部門CEO兼Xbox責任者のフィル・スペンサー氏が海外ゲーム情報発信団体Kinda Funny Gamesのポッドキャスト「Kinda Funny Xcast」に出演し、インタビューに応じました。
私たちに必勝法は無い
インタビューは先日ローンチされた『Redfall』と何かと世間を騒がすアクティビジョンブリザード買収の話題を軸に進んでいましたが、注目すべきは番組終盤にインタビュアーから発せられた「界隈のコンソールに関する話題を見ると負けたと思いますか?PCに焦点を当てすぎている、逆にコンソールがまだ愛されていると思いますか?」という踏み込んだ質問への回答でした。
スペンサー氏は「コンソール体験をできるだけ良いものにしたいという視点は変わらない」と前置きながらも自分たちのビジョンは別のところにあるとし、「プレイヤーが自身のプレイしたいデバイスで誰とでもゲームをプレイできるという環境の構築が重要で、コンソール、PC、クラウド全ての人が私たちのエコシステムに一員だと思えて欲しいと考えています。」と語ります。
また、ニンテンドーやソニーを排斥するつもりはないともいい、「私たちに必勝法が無く、多くの人が心配していることは承知していますが、問題は自分たちがコンソール市場の3番手で上位二社が同じくらい強力であり、彼らがチームとしてのXboxを難しい状況に直面させ得る取引やその他のケースに焦点を当てているという真実です。」と現状の認識を示しました。
Xbox Oneでは「最悪の敗北」
そして、良いゲームを作ったからと言って劇的にシェアが変わることは無いとの意見を述べ、「Xbox Oneでは誰もがゲームのデジタルライブラリーを構築していた世代を失う最悪の敗北を喫しました。」と過去の失敗を振り返り、新しいハードが出る際にも既に90%の人々はそれぞれのハードのエコシステムに組み込まれているのだと分析していることを語りました。
「私たち全員がカートリッジとディスクを持っていて、新しい世代が全て1から始まる時代に戻りたいです。」とも述べながらそれが現実的でなく、仮に『Starfield』が10点満点中11点の評価を受けても人々がPS5を手放す世界は来ないとの考えを示しています。そしてそれを踏まえ、「Xboxの勝利はない」とまで考えてゲームパスやxCloudといったユニークなビジョンに取り組んでいると締めくくりました。
いつになく弱気なフィル・スペンサー氏率いるXboxの今後とは
「ニンテンドーやソニーを排斥するつもりはない」「Xbox Oneでは最悪の敗北」「Xboxの勝利はない」といったインパクトのあるワードの数々が飛び出した本インタビュー。いつになく弱気にも見えたフィル・スペンサー氏でしたが、業界に対する姿勢やこれからの指針も示され、Xboxの今後の展開に注目が集まります。