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北欧神話ホラーADV『Bramble: The Mountain King』―ユニークなカメラ演出で没入感のある体験が可能に【開発者インタビュー】

日本のアニメやマンガからも影響を受けたとのことです。

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北欧神話ホラーADV『Bramble: The Mountain King』―ユニークなカメラ演出で没入感のある体験が可能に【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Dimfrost Studio開発、PC/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けに4月27日にリリースされた北欧神話ホラーアドベンチャー『Bramble: The Mountain King』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、ダークな北欧神話テイストの世界を舞台にしたシネマティックなホラーアドベンチャー。プレイヤーは、少年オーレとなって、恐ろしいトロールにさらわれた妹を救うため、スカンジナビアの民話や自然にインスパイアされた美しくも危険に満ちた奇妙なブランブルの地での冒険を繰り広げていきます。日本語にも対応済み。

『Bramble: The Mountain King』は、3,999円で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Mikael Lindhe氏(以下Mikael)アートディレクターであり、Dimfrost Studioの創設者の一人でもあるMikael Lindheです。本作の開発開始時、メンバーは3人しかいなかったので、3D、プログラミング、ゲームデザイン、ストーリーなど、開発のほとんどの面に触れてきましたが、主な作業はライティング、視覚効果、カメラ、シネマティックディレクションです。私の好きなゲームは、『ダークソウル3』『NieR:Automata』『Child of Light』です。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

Mikael本作は北欧の民話を題材にしているので、そういう意味で本作はゲームとしてユニークです。ヴァイキングや北欧の神々など、北欧をテーマにしたゲームは他にもありますが、北欧の民話や古いおとぎ話をテーマにしたものはありません。妖怪が出てくる民話と似ていますね。本作のアイデアは、私たち自身の子供時代や私たちの文化から生まれたもので、それをゲームという新しいメディアで表現し、世界と共有したい、そして守り続けたいという思いから生まれました。また、本作にはユニークな演出のカメラスタイルがあり、とても没入感のある体験ができるようになっています。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

Mikael第一のインスピレーションは、私たちの文化や子供時代の経験、そして北欧の民話やスウェーデンのおとぎ話でした。スウェーデンの画家ジョン・バウアーも大きなインスピレーションの源になっています。『LITTLE NIGHTMARES-リトルナイトメア-』『INSIDE』『Brothers - A Tale of Two Sons』といった似ているゲームも同じジャンルですね。フロム・ソフトウェアのゲームからも、常にインスピレーションを受けています。その他、『A Plague Tale』『Dota 2』『ゼルダの伝説』など、多くのものがインスピレーションの源になっています。

映画では、「ウィッチ」「ライトハウス」「ノースマン 導かれし復讐者」を監督したロバート・エガース、そして「複製された男」「メッセージ」「DUNE/デューン 砂の惑星」を監督したドゥニ・ヴィルヌーヴ、そして特に「千と千尋の神隠し」や「もののけ姫」の宮崎駿が好きです。「約束のネバーランド」「〈物語〉シリーズ」「Re:ゼロから始める異世界生活」「メイドインアビス」といったアニメ、そして「ベルセルク」のマンガもインスピレーションを得るには最適ですし、音楽では、「ヴィルドジャルタ」「Humanity's Last Breath」「This Will Destroy You」といったバンドがインスピレーションを与えてくれました。

最後に、「聖書」「指輪物語」「神曲」などの本も、意図的であろうとなかろうと、私たちの文化的DNAと融合しているので、インスピレーションを得ずにいることはほとんど不可能でしょうね。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

Mikael開発初期、私たちは本作の資金を得るために小さなデモを作っていました。2018年の春、私たちは本作のプロトタイプをいくつか作ってはピッチしていたのですが、まだパブリッシャーが見つかっていなかったのです。そんなとき、その月末に開催されるNordic GamesカンファレンスのEpicブースで本作を披露するように招待されました。しかし、デモの大部分を手直しするように言われたので、私たちはその月の残りの期間、1日16時間くらい必死に働き、このカンファレンスになんとかデモを提出することができたのです。このカンファレンスでは、最終的に本作の開発に資金を提供してくれた会社とコンタクトできましたので、長い日数と最大限の努力をしたこの1カ月は、報われたと言えるでしょう。

他にも、本作の最終セクションが出来上がっていく様子は、本当に感動的でした。ここでネタバレはしませんが、私たちにとって、音もないプロトタイプから、最終的に磨き上げ、エフェクト、アニメーション、音楽、効果音に至るまですべてが出来上がる様子を目にするのは、本当に魔法のような体験だったのです。

――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

Mikael私たちが本作に込めようとした感情が、人々の感情に届き、穏やかさ、不気味さ、喜び、悲しみ、そして光と闇に満ちた旅を提供することができたことに、本当に感動しました。「本作は他では味わえない、心に残る体験でした」と書いてくださる方を見ると、目標を達成できたと思います。また、同時期に発売された、予算やチームの規模がはるかに大きい最新のAAAゲームよりも、本作を気に入ってくれている人がいるのは面白いですね。

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

Mikaelいくつかのマイナーなバグを修正しましたので、近日中にパッチをお届けする予定です。今後も報告される問題に目を向け、修正を続けていくつもりです。それ以外は、次のゲームに目を向け、次の物語を作っていきます。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Mikaelはい、全体を配信していただいて問題ありません。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Mikael私とDimfrost Studioのチーム全員から、そして非常に奥深く興味深い民話を持つ民族からもう一つの民族へ…私たちが作ったゲームを楽しんでいただけることを願っています。この会社を設立し、本作を作ることができ、そしてそれを皆さんと共有できることを光栄に思います。あと、ぜひ「ノーゲーム・ノーライフ」シーズン2の制作をご検討ください。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。




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