徹底的にこだわったナヴィとしての生活体験、“量より質”の真髄とは?『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ゲームディレクターインタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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徹底的にこだわったナヴィとしての生活体験、“量より質”の真髄とは?『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ゲームディレクターインタビュー

今回はゲームディレクターのDitte Deenfeldt氏にインタビューを行う機会を頂きました。

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徹底的にこだわったナヴィとしての生活体験、“量より質”の真髄とは?『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ゲームディレクターインタビュー
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先日の「Summer Game Fest」に並行して開催されたUBIのイベント「Ubisoft Forward」の会場で、FPSアドベンチャー『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』ゲームディレクターのDitte Deenfeldt氏にインタビューを実施。今回の記事では、同氏に伺ったお話をご紹介します。



ゲームディレクターのDitte Deenfeldt氏

――本日は、貴重なお時間を頂きありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。早速ですが、本作は映画を原作としたオープンワールドFPSゲームということで、どのようなプレイヤー層をターゲットにしているのでしょうか?カジュアルゲーマー、またはハードコアゲーマーなのか。

アバターの世界観が好きな人が主なターゲットですが、本作は幅広い層のゲーマーにも楽しんでもらえると思っています。ゲームがあまり得意でないプレイヤーでも、本作の世界を隅々まで遊べるよう設計にも気を配っていますしね。世界観の美しさもさることながら、FPSゲームが好きな人なら本作はきっと楽しいゲームとの出会いになるでしょう。

――まさかのFPSで来たか!と私も嬉しい予想外でした。その幅広い層の中には、おそらく「ゲームとしては興味があるけれど映画シリーズはまだ観たことがない」という方々もいると思います。そういったプレイヤーにとっても本作は楽しく遊べるものなのでしょうか?

私達のゲームは、その世界観を楽しめることが主なプレイバリューなので、映画をまだ観ていなくても問題ありません。というよりシリーズ全作観る等といった予習を求めることもありません。私達が本作でやろうとしていることは、「惑星パンドラに行き、実際にその世界を体験する」ということに重きを置きます。世界を、そこで暮らす人々との交流を楽しむ。プレイヤーは、ナヴィになることで、自分が何者であるかを理解し、発見するような魅力的なストーリーがあり、それは映画を知らなくてもプレイヤーを惹きつけると思います。

――ストーリーの基本的な流れは、初代映画を意識したものだったりするのでしょうか。トレイラー映像などでは、人間の思考や文化などを強制的に教育された主人公のナヴィが、15年の冬眠から目覚めたあと、改めてナヴィ社会へと参加していく流れに、始まりは違えどジェイク・サリー(初代映画主人公)と似たようなものを感じたのですが……?

映画と私達のゲームは世界観を共有しますが、ストーリーについては大きく異なるアプローチをとっています。主人公のナヴィは最初から惑星パンドラの住人で、その過去では家族や友人含む皆との繋がりがありました。それ故に冬眠後、その繋がりが途切れた世界で、改めて自分が何者なのかを問いかけていくのが大まかな流れです。海兵隊出身のジェイク・サリーとはそこが異なりますね。

たとえば他のナヴィからすれば、主人公が人間のシャツを着ている姿はとても奇妙に映るでしょう。こういったギャップは物語の中においても結構大きな要素を占めており、そんな状況に対して主人公が自身のアイデンティティを確立させつつ、世界の中での自身のあり方を定めていくのです。

――自分が何者なのかを探す旅、ですね。ここでシステム面についてお聞きします。ハンズオフイベントでは、植物を収穫する際は根こそぎ取るようなことはせず、適切なタイミングで適量をとることで、アイテムとしての効果/ クオリティを高めることができる、といった「量より質」の考え方が大切だと伺いました。この適切なタイミングというのは、どういった形でプレイヤーに表示されるのでしょうか?例えば作物が実ったり、花をつけたりといったグラフィックで視覚的にわかりやすくするのか、など。

実際に花を咲かすかどうかはさておき、収穫物の質を高める方法は沢山あります。例えばその日の天候など。この他にも影響を与えるパラメータはいくつもあるので、ゲームをプレイする中でこれらを探し当ててもらえたら幸いです。もちろん情報ガイドのようなものもゲーム中で確認可能で、それを利用することで正確な場所などを把握できたりもします。ゲームはプレイヤーをサポートするけれど、プレイヤーが自らそういったシステムやパラメータを発見できる余地を残してある、そんなデザインになっています。

――ありがとうございます。少し心配になったのですが、もしかして私、ネタバレになるような結構突っ込んだこと聞きすぎてしまいましたか……!?

そんなことは無いですよ、ふふふ、大丈夫(素敵な笑み)

とにかく先程話に出た、「量より質」という考え方は非常に大切で、このことをゲームプレイ中に思い出してもらえたら嬉しいです。プレイヤーはこの考えに触れて、ゲーム内における自然環境に敬意と配慮をもった接し方になると思います。何故なら惑星パンドラの自然はナヴィにとってとても大切なものだから。

――そんな「量より質」に基づいて収穫された高品質なアイテムは、ナヴィの武器装備のアップグレード、および食事/ 料理といった要素にどのような影響を与えるのでしょうか?

そうですね。収穫物の品質は、ナヴィの武器カスタマイズに影響を与えるだけでなく、見た目、そこから作成可能なアイテム、得られる属性や料理の効果にも影響を与えます。

――その料理の効果で気になっているのですが、一時的なバフなのでしょうか?それともパッシヴ?例えばとある果物を食べた1分間体力が10%上昇、みたいな。

ふふ、とっても細かい質問ですね。ああ、違うの(両手を合わせて頭上に掲げごめんなさいポーズを取る筆者に微笑みつつ)、悪い意味ではなくて、ゲームシステムについて具体的に聞いてもらえるのはとても嬉しいんです。何故なら貴方が公開された映像や資料を注意深く観察してくれたということですし。ただ今の質問に対する詳細な返事については、今後の告知で公表していけたらと思います。

――ありがとうございます……!その上で、やっぱりまたゲームシステムについて細かい部分の質問をしてしまいそうなのですが……NGなら仰ってください……!

大丈夫、まずは聞いてみて。NGな時は言うから安心して。

――助かります!本作のクラフト要素について、仮に「このアイテムを作成するためにあの素材が必要だ」という状況がになった場合、特定の場所に赴いて延々と素材回収作業を繰り返さなければならない、といったことは無いのでしょうか?例えばツルハシ担いで鉱山に籠もるような……。

あはは、本当に具体的。でも良い質問です。先程も話したように、本作における大切なのは「量より質」で、大地にあるものを全て取りつくさない、といった意識をプレイヤーが持つことが重要になります。

――つまり、ゲーム的な思考で最適効率化な角度で本作へアプローチするよりも、惑星パンドラで生きるナヴィとして自然に敬意を持った振る舞いをした方が、最終的にゲーム内で得られる恩恵が大きいと。

そうなります。もちろん私達はそういった概念を、チュートリアルやガイドラインを用意することで、プレイヤーに理解してもらえるようなゲームデザインをしており、映画を観たことがなくてもゲームプレイに問題がないよう設計しています。

――世界への没入感をもたせつつ、ゲームとしてもしっかり設計を詰めている感じですね。ところで話は少し代わりますが、トレイラー映像でナヴィは翼竜のイクランや地上生物のダイアホースに騎乗していますよね。彼ら以外にもナヴィが乗ることのできる動物は登場しますか?

私達がフォーカスした動物は今のところその2つのみですね。

――なるほど。そのイクランで飛行中、雲などの天気の変化がとてもリアルだと感じました。これはただエフェクトをランダムに配置しているのではなく、何か特別な気象シミュレーションに基づいて設計されているのでしょうか?

これもとても良い質問ですね。本作の開発に使用したゲームエンジン「Snowdrop」では、朝昼晩といった1日の時間の流れと気象の変化をシミュレーションしています。ゲーム中で日が昇るのを待って過ごすのも良いし、雨上がりの空には虹がかかるかもしれない。こういった環境の再現は、先程も話したように「惑星パンドラに行き、実際にその世界を体験する」というコンセプトにとっても非常に大切な試みでした。


――そんな世界を楽しめるのは最高ですね……そういえば、マップの大きさはどの程度の規模なのでしょうか?

具体的にどのくらい、と説明するのは難しいのですが、人間よりも身体の大きなナヴィが走り回れる、またイクランに騎乗して大空を飛び回れるという意味においては、十分な広さのマップを用意していると思います。

――良いですね!個人的にオープンワールドゲームでは広いマップを探索をするのが大好きで、なんでもない岩の裏を調べに行ったりします。とはいえ私のようなプレイスタイルの一方で、移動は短く済ませてストーリーをがんがん進めたいと考えるプレイヤーもいるはず。本作はそういったプレイヤーに対しても何かフォローはあるのでしょうか?

そうですね。探索をどんどん楽しみたい、物語をがんがん進めたい、どちらのタイプのプレイヤーにもサポートできるゲームデザインと設計だと思います。

――そうなると、ゲームのクリア時間もだいぶバラつきがありそうですね。想定しているプレイ時間などはあるのでしょうか?例えばメインストーリーだけを追うなら何時間、サイドミッション込みなら何時間といったようなイメージです。

各人のプレイスタイルにもよるため具体的に何時間を想定している、という話はとても難しいですね。とはいえ貴方のように探索が好きなプレイヤーであれば、いくらでもプレイできることでしょう(微笑み)。

――どんなプレイスタイルにもタイプできる十分なコンテンツがある、ということですね。とても嬉しい情報です。個人的な話で恐縮ですが、私がプレイする『ゼルダの伝説 BotW』では、探索を楽しみすぎていまだにゼルダ姫が闇に捕らわれたままですね……

あはははははは!

――改めて、本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました!


たっぷりと遊べそうなオープンワールドアクションADV『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』は、PC /PS5 /Xbox Series X|S向けに2023年12月7日リリース予定。Game*Sparkで掲載中の同作関連情報は、こちらからチェックしてみてください。


《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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