水も、雲も、島の植生を通り抜ける風も…すべてをシミュレートした『ザ クルー:モーターフェス』開発者インタビュー「全てのプレイヤーに楽しんで欲しい」 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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水も、雲も、島の植生を通り抜ける風も…すべてをシミュレートした『ザ クルー:モーターフェス』開発者インタビュー「全てのプレイヤーに楽しんで欲しい」

今回はチーフディレクターのStephane Beley氏と、コンテンツディレクターのJulien Hummer氏にインタビューを行う機会を頂きました。

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水も、雲も、島の植生を通り抜ける風も…すべてをシミュレートした『ザ クルー:モーターフェス』開発者インタビュー「全てのプレイヤーに楽しんで欲しい」
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先日の「Summer Game Fest」に並行して開催されたUBIのメディア向けカンファレンス。その会場にて、新作『ザ クルー:モーターフェス』チーフディレクターのStephane Beley氏(下写真右)とコンテンツディレクターのJulien Hummer氏(下写真左)のお二人にインタビューを行う機会を頂きました。今回の記事ではそんな彼らに伺ったお話をご紹介してまいります。



左:コンテンツディレクターJulien Hummer氏、右:チーフディレクターStephane Beley氏

――本日は、貴重なお時間を頂きありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。早速ですが、広大なマップでレースやチャレンジ、そしてドライブといったプレイバリューがある本作では、どのようなプレイヤーをターゲットにしてますか?カジュアル層向けなのか、それともハードコアゲーマー向けなのか。

Stephane Beley氏:本作はすべてのプレイヤーに向けて広く開かれています。お気に入りの車を10分走らせるだけの人や、またはレースイベントで何時間も走り続けたい人など、どのようなタイプのプレイヤーも本作は歓迎します。探検に競争に協力プレイ……車を集めるだけだって良いでしょう。私達はあらゆるタイプのプレイヤーに、あらゆるタイプのゲーム体験を提供したい。故に、繰り返しになりますが、どのようなタイプのプレイヤーであっても本作では歓迎されます。

――コアとなるプレイバリューは、ゲーム内でプレイヤーが得られる経験すべて、という感じですね。ただしそれはレースで勝つためにはサスペンションをはじめとするパーツカスタマイズをガチガチに固めなければならない……といったゲーム側からプレイスタイルを強制されるのではなく、色々なタイプのプレイヤーが選んだそれぞれのスタイルをゲーム側が受け入れられる懐の深さがある、と。私は、そういったタイプのカーゲームでは、古いものだと『Midtown Madness』で探索するのが大好きでした(「え、本当!?」と驚くJulien Hummer氏)。

Stephane Beley氏:念のため断っておくと、本作でもパーツカスタマイズをしてレースに挑むといった事は可能です。異なる馬力の様々な車両も用意されていますし、そういった玄人な方向性が好きなプレイヤーも本作を遊べることでしょう。ただし先程も話した通り、本作はどんなプレイヤーでも楽しめる体験を提供したい。コースに理想的な走行ラインを表示するか否かの設定といった機能をはじめ、ゲーム側がプレイヤーに様々なコンテンツを用意しています。

――少し気になったのですが、アンロックやリワードを得るためには、やはりレースやチャレンジ等で勝利することが必要になってくるのでしょうか?例えばプレイヤーの中にはドライブ専門で、海辺を流したりするのが好きな方もいるはず。そういったタイプのプレイヤーであっても、ゲームを進行させる事はできるのでしょうか?

Stephane Beley氏:たしかにいくつかの報酬を受け取ることはできますが、基本的にはゲーム内に用意された様々なモードである「プレイリスト」を遊ぶ必要があります。そのプレイリストでは、オープンワールドを空は飛行機から、海は船から、陸は車から様々な発見があることでしょう。またプレイリストに含まれるゲームモードはレースばかりではなく、探検といったものもあります。特に「ビンテージガレージ」ではそれを体験できると思います。手がかりを頼りに自分だけの道を切り開いていく……この他にもゲームリリース時には15のプレイリストを用意するので、プレイヤーは様々なゲーム体験を味わえることでしょう。

Julien Hummer氏:そして良いニュースがあって、もしプレイヤーがシリーズ過去作をプレイしていたら、そこで集めた乗り物のデータを本作に引き継ぐことができます。その場合ゲーム開始直後、プレイリストを遊ぶ前であっても自分のお気に入りの車両を所持している状態にもできますね。

――なるほど、それは嬉しいニュースですね……ってちょっと待った。お待ちくださいまし。細かい部分を確認してしまい恐縮なのですが、いま、お二人ともさりげなく「飛行機」や「船」とおっしゃいました。しかも最後は「乗り物」とまとめられた……これはつまり本作でも、車だけでなく陸海空それぞれで活躍する乗り物で遊べることを期待しても良いのでしょうか?

Julien Hummer氏:ふふふ、「乗り物」!そう、たしかに僕は乗り物と言ったね(微笑み)

Stephane Beley氏:その通り。飛行機も船も車も登場するので、私達は本作にカーフェスではなく「モーターフェス」というタイトルをつけたのです。

Julien Hummer氏:ちなみに車両については、新しく四輪バギーとSUVも追加する予定です。

――素晴らしいですね……私は実際に飛行機に乗ることもあるのですが、シミュレーションゲームで飛んでると仕事をしている気分になってくるので、たまにはカジュアル路線でバンバン実機を飛ばしたかったり。その意味で『ザ クルー2』で楽しんだ以上のプレイフィールを本作に期待します。ところでSUVなどが追加、とありましたが「モンスタートラック」はあるのでしょうか?トレイラー映像でちらりと見かけたもので。また話が脱線して申し訳ないのですが、昔『モンスタートラックマッドネス』にもハマっていたので……!

Julien Hummer氏:そのゲームも遊んでいたとは……!

Stephane Beley氏:もちろんありますよ。試遊ではありませんでしたが、先程お話した15のプレイリストの中に含まれています。ちなみにこれらプレイリストは車だけでなく、美しい海と素晴らしい大空を楽しめるデザインにもなっています。

――本作の舞台についてもお聞きしたいことが。これまで広大なアメリカの土地が続きましたが、今回ハワイはオアフ島を選んだのは何故でしょうか?個人的な理解としては、マップ規模がコンパクトになった分より密度が高まるからでは、と考えています。

Stephane Beley氏:その通り。広大なマップはもちろん素晴らしいものですが、どうしても途中で空白めいた「何もない場所」が生まれがちです。そこでマップの全てを何かしらのアクティビティで埋めようとすると今度はそれだけで3、4年も開発期間が必要になってしまう。そういった意味において、本作でオアフ島を選んだのは、開発期間内においてマップ内における地形のバリエーション、密度、クオリティ、ビジュアルなど様々な要素を作り込むことができるベストチョイスだと判断したからです。

――ちなみに、天候などのシミュレーションはどこまで再現されているのでしょうか?試遊時には、空気中の湿気が、視程や陽光のゆらぎに影響を与えているように感じて、「これはただのエフェクトではないね……!?」と思っていたのですが。

Stephane Beley氏:天気を含む環境はシミュレーションによる演算で再現されています。水も、雲も、路面のウェットコンディションも、島に広がる植生を通り抜ける風も全てです。各乗り物はそれら環境による影響を受けることでしょう。

――シンプルに車だけ走らせるタイプのゲームでさえ、取り扱うパラメータは非常に多いですよね。そこに加えて本作は空と海までプレイバリューに組み込んでいる。より突っ込んだ流体力学の演算が求められたりと、開発は大変だったのではないでしょうか?

Julien Hummer氏:テッククエスチョンだ!テッククエスチョンだぞ!(満面の笑み)

Stephane Beley氏:そういった環境のシミュレーションはチームが6ヶ月近く取り組んだプロジェクトだったりします。具体的にどうこう、という部分は答えるのが難しいのですが、本作の開発にあたり、それは多くのメンバーが関わっています。質問ではレンダリング関連でしたが、それ以外もオンライン要素しかり、ゲーム内のピクセルひとつひとつに至るまで、本当に多くの人間が開発に情熱を注いでいます。この、いま私達が座っているソファの後ろにあるゲームのキーアートが描かれた大きなパネル……ここから私達全員の熱意が伝われば良いなと思います。

――そんな熱い魂が注がれたゲームを近い将来プレイできるということに、あらためて心から感謝します。もういまから遊ぶのが楽しみでなりません。ともあれ細かい部分を聞きすぎてしまいました。ここで話を変えて、プレイリストで気になった部分について伺います。「MotorSports」ではフォーミュラーカーを走らせましたが、タイヤの摩耗ゲージ(?)が表示されていました。これはいわゆるグリップを示していて、ゲージが底をついたらピットイン推奨ということでしょうか?

Julien Hummer氏:その通り。

――そのタイヤについて、例えば路面のコンディションから考えてドライではなくレインタイヤにしよう……といったことは可能なのでしょうか?

Julien Hummer氏:それだとデフォルトの時点で、あまりにシミュレーション寄りになってしまうので、タイヤの種類を変更することはできません。あくまでレース全体を見た時に「モータースポーツを体験している」というプレイフィールを得られるかどうかに重点を置いています。そのため実際はもう少しカジュアルよりで、「このままだとあと数周しないうちにタイヤのゲージが無くなりそう、では何周目にピットインするのか?」といった戦略要素が強い。それ以外にも無線でエンジニアとの会話を聞いて判断するなどそういった演出もありますね。

――なるほど。あ、もう時間が来てしまいましたね……あの、最後に、変な質問になってしまうのですが……伺っても良いでしょうか?

Julien Hummer氏:(どうぞどうぞと先を促す)

Stephane Beley氏:(頷きながら先を促す)

――プレイリスト「Lamborghini」は歴代ランボルギーニを運転できて最高でした。個人的に好きなプレイリストのひとつです……で、今後DLCなどでランボルギーニのトラクターを運転できるといったことは……ありますか……?

Julien Hummer氏:ぉぉぉぉぉ……いい質問だねぇ………。とはいえ、いまは2つの理由でノゥと答えさせて下さい。まず第一に当時と今ではメーカーが違いますからね。もう一つは、本作には本当に多くの乗り物が収録されており、それらはプレイリストを通じて私達が「伝えたいストーリー」に基づいてチョイスしているから。現時点でトラクターを中心にしたものは……まだ、無いかな……。ただトラクターは面白い試みではあると思います。

――ありがとうございます……!ともあれ、本日はお忙しいところ貴重なお時間を頂きありがとうございました。


陸海空、最高の乗り物体験が楽しめる『The Crew Motorfest』は、PC(Ubisoft Store/ Epic Gamesストア)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Amazon Luna向けに2023年配信予定です。

《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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