2005年にJump in!傑作レースゲーム『PGR3』が描いた新宿で辿る、Xbox 360の“18年の軌跡”…Xbox 360ストア&マケプレ終了によせて | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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2005年にJump in!傑作レースゲーム『PGR3』が描いた新宿で辿る、Xbox 360の“18年の軌跡”…Xbox 360ストア&マケプレ終了によせて

ストア終了迫る!だけどまだまだ「do!do!do!しようぜ。」

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2005年にJump in!傑作レースゲーム『PGR3』が描いた新宿で辿る、Xbox 360の“18年の軌跡”…Xbox 360ストア&マケプレ終了によせて
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Microsoftは2023年8月、Xbox 360向けのオンラインストア「Xbox 360ストア」および「Xbox 360マーケットプレイス」サポートを2024年7月29日に終了することを明らかにしました。

オンラインサービス自体は今後も継続されますが、2016年の本体生産終了のアナウンスに次ぐ今回の発表は、Xbox 360というコンソールが役目を終えつつあることを印象付けるものでした。これを受けてSNS上でもXbox 360の思い出や、現在ストアで購入できるソフトについて触れた投稿が数多く見受けられます。

Xbox 360が登場した2005年から今年で18年。この間にゲームを取り巻く環境と社会は大きく変わりましたが、こうした変化をみるためにこれ以上ないゲームが存在します。それがXbox 360初期にリリースされたレーシングゲーム『PGR3 - プロジェクトゴッサムレーシング3 -PGR3です。

『PGR3 - プロジェクトゴッサムレーシング3 -』

『PGR3』はXbox 360本体リリースから1か月あまり、2006年1月にリリースされました。世界各地の都市をほぼそのまま、実在の広告に至るまで再現したことで話題となった本作には、2005年頃の新宿がゲーム中のコースとして登場します。本記事ではそこに2023年現在の新宿をオーバーラップさせ、街の変容とXbox 360の軌跡を辿るドライブに出かけます。読者のみなさん、出発の準備はいいですか?

スタート地点・都庁周辺

今回の出発地点は「東京都庁第二本庁舎」と「新宿中央公園」に挟まれた新宿副都心十二号線。通称、公園通り。

東京都庁第二本庁舎 上:2005/下:2023

ここから第一本庁舎と第二本庁舎の間を潜り抜け、ふれあい通りを左折、東通りを右折し、新宿西口エリアを目指します。

新宿西口・小田急百貨店周辺

新宿駅西口ロータリーと小田急百貨店 上:2005/下:2023

新宿駅西口はバス乗り場と地下へと続くロータリーを中央に配し、周辺を商業施設が囲むエリア。その顔ともいえる「小田急百貨店・新宿西口ハルク」は小田急グループの運営する百貨店です。新宿駅周辺の再開発に伴い「小田急百貨店 新宿店本館」は2022年に営業終了。現在は仮囲いが施され、解体工事が進められています。

これまで本館として用いられていた建物は解体されますが、百貨店の機能は本館隣の「新宿西口ハルク」に移設され現在も営業中です。本館解体のためのクレーンなど、『PGR3』当時と現在を比べても目に見えて異なる部分があるものの、今後の再開発によってさらなる変化が見込まれます。その時には往時の景色を振り返るために、再び本作の出番が来るかもしれません。

ヨドバシカメラ 新宿西口本店 上:2005/下:2023
新宿エルタワー 上:2005/下:2023
都道414号を臨む 上:2005/下:2023

次の目的地を目指し、西口ロータリーから四谷角筈線に車を走らせ、青梅街道に合流します。

新宿西口・新宿大ガード周辺

新宿大ガード周辺 上:2005/下:2023

山手線など鉄道が頻繁に行き交う新宿大ガード(青梅街道架道橋)周辺。大都会・東京を象徴するような光景です。

「新宿カレイドビル」屋上にあったセイコーエプソンのネオン看板は1996年から2009年までの間設置され、当地のランドマークとなっていました。

新宿西口商店街を臨む。「やきとり横丁」「思い出横丁」ともに同地の別名。 上:2005/下:2023

ネオン看板が消灯したこの年、Xbox 360はアップデートにより「ゲームオンデマンド」機能を追加。パッケージでリリースされたタイトルのダウンロード販売のほか、ダウンロード専売の「Xbox Live アーケード」や開発ツール「XNA Game Studio」で開発された「Xbox インディーズ ゲーム」などでインディーゲームが販売されるようになり、多様なゲームがストアに溢れる独特の市場・コミュニティが形成されていきました。

それでは大ガードの下を潜り抜け、歌舞伎町方面へと足を延ばします。

新宿歌舞伎町周辺

新宿歌舞伎町一番街 アーチ前 上:2005/下:2023

『PGR3』では新宿・歌舞伎町入口のアーチと絶壁のようにそびえるビル、そしてそこに並ぶ色とりどりの看板が再現されています。現在の看板と比較すると、その移ろいの激しさが窺えます。2015年には「TOHOシネマズ新宿のオープンとともにゴジラが出現し、歌舞伎町の新たなシンボルとなりました。

この年、Xbox360の後継機・Xbox Oneのアップデートによって、数々のXbox360向けゲームタイトルが後方互換に対応、以後2021年までの間に対応タイトルが追加されていきました。これらのタイトルは一部を除き、現在もXbox OneおよびXbox Series X/Sのストアでダウンロード可能です。

ここから靖国通りを東側へ走っていきます。

新宿ピカデリー 上:2005/下:2023

かつて「新宿ピカデリー」のあった「新宿松竹会館」は『PGR3』がリリースされた2006年に閉館しており、本作は結果的に閉館間際の姿を3Dモデルとして留めることになりました。
現在の新宿ピカデリーは、施設を新たに建て替え、2008年にシネマコンプレックスとして再開業しました。

かに道楽新宿本店 上:2005/下:2023

高級かに料理でおなじみ「かに道楽」の新宿本店。ビルの一角を占める蟹は『PGR3』においても現在も元気に動いています。

新宿5丁目周辺 上:2005/下:2023

花園神社周辺

現代的な都会で車を走らせるなか、異彩を放つ景色をみせるのが「花園神社」。『PGR3』では拝殿もばっちり再現されていますが、鳥居がやや小さいかも?

伊勢丹 駐車場 上:2005/下:2023

ここで再び歌舞伎町方面へ引き返し、今度は新宿駅東口方面を巡っていきます。

新宿駅東口・新宿アルタ周辺

「新宿アルタ」は新宿駅東口前にある商業施設が入居するファッションビル。ビル壁面には「アルタビジョン」という映像モニターを備え、東口の顔とも呼べる存在となっています。

テレビ番組「笑っていいとも!」の公開収録が行われていた「スタジオアルタ」があった(現在も同名会社が存続)ことでも有名です。『PGR3』当時に放送されていた「笑っていいとも!」も2014年に放送終了。かつてのスタジオアルタは現在もイベントスタジオとして活用されています。

2014年は日本でXbox Oneが発売された年でした。北米・欧州各国では前年に発売されていたこともあり、この頃のXbox 360タイトルはXbox Oneとのマルチプラットフォーム展開が目立ち始めました。

かつて新宿東口駅前にあった家電チェーン「さくらや」は2010年に全店舗を閉店、いくつかの店舗は「ビックカメラ」に引き継がれました。この新宿東口駅前店も現在はビックカメラとして営業中です。こうした家電チェーンでXbox 360や周辺機器を購入した人も多いのではないでしょうか。

2010年といえばXbox 360の周辺機器であるKinectが登場した年でもあります。人間の身体をコントローラーとして使うという新たな遊び・UIを提示したKinectは、Xbox Oneにも引き継がれたほか、Windows向けのツールとしても活用されることとなりました。

新宿通りから明治通りに向かって進むと、画材販売の老舗「世界堂」の新宿本店。その隣には「マルイアネックス」やシネコン「バルト9」が入る新宿三丁目イーストビルがそびえ立ちます。

このビルの工期は2004年10月から2007年1月まで。『PGR3』開発時にはまだ建設されていなかったことがわかります。

東京都立新宿高等学校 上:2005/下:2023

ここからは鉄道の上に架かる陸橋「新宿跨線橋」を渡り、新宿駅南口方面へと向かいます。

新宿跨線橋周辺 上:2005/下:2023

新宿駅南口・バスタ新宿周辺

新宿駅南口 上:2005/下:2023

跨線橋を中ほどまで進むと、新宿駅南口に到着。新宿駅は乗降客数世界一を誇る駅ですが、『PGR3』では人影の無い新宿駅を見ることができます。

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バスタ新宿 上:2005/下:2023
上:2005/下:2023

南口改札の向かい、甲州街道を挟んだ先には鉄道・高速バス・タクシー乗り場を集約した交通ターミナル「バスタ新宿」があります。『PGR3』発売当時にはまだなかったバスタ新宿は2016年に開業。この一帯は跨線橋の整備と併せ、新宿駅周辺でも最も大きく景色が変わった場所といえるでしょう。

バスタ新宿開業の2016年は、Xbox 360本体の生産終了が発表された年であると同時に、Xbox Oneの新モデルXbox One Sの発売や、ハイエンドモデルのXbox One Xの情報が発表された年でもありました。

ルミネ新宿 ルミネ1 上:2005/下:2023
ウェンディーズ・ファーストキッチン 上:2005/下:2023

ファストフードチェーン「ウェンディーズ・ファーストキッチン」。『PGR3』発売時の店舗名は「ファーストキッチン」で、2015年に米国発の同業チェーン「ウェンディーズ」と協業、やがて同社からの買収に至り、現在は「ウェンディーズ・ファーストキッチン」となっています。この店舗は1994年のオープン以来ビルに備えられた「大時計」が特徴でしたが、リニューアルオープンに伴って2017年ごろに取り外されています。

政策金融機関のひとつ「日本政策金融公庫」。『PGR3』リリース時にはその前身である「国民生活金融公庫」という名称でした。その名の通り、おもに国民一般に向けた事業融資や創業支援などを行っています。2008年に他のふたつの公庫と統合され、現在の名称・組織になりました。

2008年はXbox 360はシステムアップデートによって本体メニューが大きく刷新されました。「ブレード」と呼ばれたタブ型のUIからパネル型のUIへの変更、現在のXboxにも繋がるアバターの導入などが行われました。その後もアップデートは続けられ、幾度かのメニュー画面の変更がなされました。

この周辺は「角筈」と呼ばれていた地域。行政上の地名としては残っていませんが、歩道橋にもその名が残っています。奥に見えるのは「文化学園大学」の新都心キャンパス。歩道橋のこちら側は新宿区、向こう側は渋谷区となっています。

この歩道橋を潜り、先に進めば公園通りに合流。スタート地点である都庁前に到着します。

Xbox 360の軌跡を辿って

Googleマップに『PGR3』のルートを重ね合わせた地図

お疲れさまでした。皆さんとXbox 360の軌跡を辿りつつ、新宿を一周してきました。移り変わりの激しい街ということもありますが、筆者も18年間でここまで変化しているとは思いませんでした。なお、今回の道のりはGoogleマイマップに再現してあるので、よければ活用してみてください。

日本におけるXbox 360は、Xbox Liveによるオンライン機能や、海外タイトルのローカライズといった前世代機の特徴を引き継ぎつつ、より日本市場にコミットした展開がされました。

本体が日本企業によってデザインされたことをはじめ、大作RPGを取り揃えた初期の展開、人気を博した『アイドルマスター』シリーズのリリース、アドベンチャーゲームやシューティングゲームの豊富なラインナップなどは、その表れといえるでしょう。

その一方でXbox 360という存在は、海外のゲーム作品が国内に広く受容されるきっかけともなりました。そして、インディーゲーム文化が花開く土壌としても本機の果たした役割は決して小さくありません。

終了まで1年を切ったストアとマーケットプレイスですが、現在も購入できるラインナップは豊富にあります。みなさんの思い入れのあるタイトルはなんでしょうか?


《林與五右衛門》

林與五右衛門

2023年4月よりゲームライターとしての活動を始めました。『Fable』や『シェンムー』といったゲームから影響を受けてNPCに強い関心を抱き、彼らがゲーム内でどう息づいているのか観察しています。演劇集団ゲッコーパレードのメンバーとしても活動中。

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