
Steamには大量にゲームがありますが、我々は何もゲームをするためだけにPCの前に座っているわけではありません。原稿を書いたり、絵を描いたり、プログラムを組んだり、雑務を片付けたりしながら、日々キーボードを叩いています。
そんなときにお供になるのが、作業用ゲーム。ToDoリストとチルいミュージックが、我々の生産性をバリバリ上げてくれますよね。
今回紹介するのはそんな作業管理アプリ界に風穴を開けるのではないかという大型新人ゲームです。その名も『gogh: Focus with Your Avatar』。マエストロの名を冠したタイトルですが、果たしてその出来やいかに?
※本記事の制作にあたっては、発売元のambrよりSteamキーの提供を受けています。

組み合わせは無限大! アバターカスタマイズ&ルームメイクで自分だけの空間を作ろう

本作は今までに登場した作業管理アプリの特長をこれでもかと詰め込んだ、大ボリュームの作業用ゲームです。
どういうこと? と思われるかもしれませんので、ひとつずつ解説していきましょう。
まずルームメイク。本作は和室や洋室、一軒家の子ども部屋からアパートの一室まで、様々なタイプの部屋からひとつを選び、自由にカスタマイズすることができます(複数保存も可能です)。

本作は現代がモチーフなので、中世ファンタジーやSFに登場するようなアイテムは出てきませんが、家具から小物まで実に様々な種類があります。それらを自由に組み立て、オリジナルの部屋を作っていくことができます。
ただアセットを置いていくだけでなく、自在に色を変えられるキューブもあるので、部屋自体の形を変えることも可能です。ぜひとも自分なりのお部屋を作ってみてください。

ちなみに、ノートPCやスマホ、モニターなど、赤い「g」マークが付いた家具は、自分のPC内にある画像を貼り付けたり、カメラの映像をストリームしたりすることができます。む……彼奴は……?

また、カスタマイズはいいから早く作業したいという人向けに「お手軽」という項目に完成した部屋が数パターン用意されています。こんなに凝れるの?とびっくりする出来栄えであり、ちょっと真似して作り直したくなっちゃいます。

もちろん、アバターも変えることができます。アニメ調の可愛らしいキャラクターを基本として、瞳や髪型、服などかなりのパーツから付け替えることが可能です。 顎や鼻の高さなど骨格レベルでいじることはできませんが、充分すぎるくらいのカスタマイズ性があります。推しに似せるのも……頑張ればできるかも?

アバターのポーズも充実しており、熱心に書き物をしたり、頬杖を突いて船を漕いだり、腕を組んで考え事をしたりと、好きなポーズを取らせることができます。このあとに紹介するポモドーロタイマーとも連携して動いてくれるので、相棒が一緒に作業をしてくれている感じが存分に出ております。
本作の特徴のひとである不思議な生き物「クロダ42」についても触れておきましょう。この生き物は卵から孵り、ちょっとずつ成長しながら、部屋を飛び回ってくれます。この地球の集中力を高め、より良い星にするのが目的だそうです。
クリーチャーコレクター要素のひとつとして、存分に愛でてあげましょう。また、彼らはある程度作業の進捗を確認すると元の惑星に報告するために去っていき、約9日間のサイクルで新種と入れ替わるようです。作業をすると彼らの成長が促進されるので、頑張って作業を進めていきましょう。

カスタマイズはさておき……作業用ゲームとしてはどうなのか?
色々と操作できる余地があるのはわかってもらえたでしょうが、肝心なのは作業用ゲームとしての出来ですよね。本作はそちらもぬかりありません。
画面左にあるのが、ポモドーロタイマー(数十分経過して数分休憩するサイクルを管理できるタイマーのこと)、カウントアップタイマー、ToDoリストです。どれも直感的であり、特に問題なく利用できます。

しかしながら、ToDoリストは他の多くのSteamにある作業管理アプリと同じく、複数セット作ったり、ルーティーン用のセットを呼び出したりといった拡張性の高い機能はありません。仕事用などで本格的に使いたいのであれば、外部で別のアプリを用意するのをオススメします。
そして、作業の最大のお供であるBGMについてですが、こちらはLo-fiヒップホップが並んでいます。正直言って特筆する点はありませんが、ジャンルの王道ゆえのベタな安心感があります。勉強や仕事を邪魔することは決してないですし、長時間聴いていてもまったく疲れませんでした。楽曲の数も相当数用意されています。

他にも、外の天候を変えたり、時間帯を弄ったりすることもできますが、これらの点についてもその他の作業管理アプリと遜色なく、目立った問題点は見つかりませんでした。

『Chill Pulse』『Spirit City: Lofi Sessions』『On Track』など、Steamには優秀な作業用ゲームが山ほどあります。そんな先輩たちと肩を並べるどころか、トップ目に躍り出ても不思議ではないほどのポテンシャルを持った本作……ぜひともお傍に置いてみてください(何より、この記事を書いているあいだもずっと起動していましたから!)
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