気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Butterscotch Shenanigans開発、PC/iOS/Android向けに4月11日にリリースされたオープンワールドクラフトRPG『Crashlands 2』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、会社に不満を持つ惑星間トラック運転手フラックス・ダベスが、久々に訪れたウォアノープを探索するオープンワールドクラフトRPG。ウォアノープには、興味深い生き物たちが作り上げる生態系、エイリアンの社会、様々な物語が待ち受けており、戦闘や建築、クラフトなどを行いながら、居心地のいい場所を作り上げていきます。日本語にも対応済み。
『Crashlands 2』は、2,800円(PC)、1,200円(iOS/Android)で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Adam Coster氏(以下Adam) Adam Costerです。ウェブ開発、社内ソフトウェアの構築、ゲームのローカライズ管理、ビジネス開発など、Butterscotch Shenanigansではその他いろいろなことをやっています(私は創設者の一人であり、小さなチームなので、いろいろなことをやらなければならないのです)。ゲームに直接関わる仕事も少しはしますが、たいていはチームがゲームを作り、発売するために必要なものをすべて揃えられるようにするのが私の仕事です。
長年にわたってたくさんのゲームをプレイし、楽しんできたので、好きなゲームを選ぶのはとても難しいですね。そこで、人生のさまざまな局面で最も衝撃を受けたゲームをいくつか挙げてみます。『スーパーマリオワールド』『Half-Life 2』『Portal』『Kerbal Space Program』『テラリア』『A Short Hike』『Subnautica』ですね。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Adam 本作は、サバイバルクラフトというジャンルを根底から覆すものです。生き残ることではなく、繁栄と喜びがテーマなのです。前作を作ったとき、私たちはクラフトゲームの最も楽しいところを取り入れ、楽しくない部分をすべて取り除きたいと思いました。そのため、アイテム管理をなくし、ゲーム全体にリアルなストーリーを織り込みました。クラフトがメインのシステムでありながら、ストーリーも充実しているゲームはあまり見かけないでしょう。この2つを同時に実現するのは非常に難しいからです!
続編となる本作では、そのすべてをさらに推し進めたいと思いましたので、ランダムな世界生成からすべてを手作業に切り替え、ゲームのストーリー部分を倍増させ、戦闘システムをより奥深くしました。その結果、古典的なRPG、アクションアドベンチャー、オープンワールド・サバイバルクラフトをミックスしたような作品に仕上がりました。すべてが実にうまく調和していますが、これらのことを一度にやろうとする人が他にいない理由も確かにわかりました!
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Adam 本シリーズは、何か他のものから直接インスピレーションを受けるようなことはありませんでした。しかし、それは他のものから大きな影響を受けなかったというわけではありません!他のサバイバルゲームの「やりたくないこと」を含め、私たちはあちこちのゲームや映画からアイデアを拝借しました。
――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Adam 開発に6ヵ月ほどかけたあと、このままでは本作を完成させるのは不可能だと悟りました。規模が大きすぎるし、リソースも限られていたのです。私たちは6人のチームで、2、3年分の資金がありましたが、それだけでは足りそうにありませんでした。
そこで私たちは大きなリスクを冒し、次の6カ月間は開発を一時中断したのです。新しいソフトウェアの構築とプロセスの改善にすべての時間を集中させるためです。もしそれがうまくいかなかったら、本作の開発はキャンセルせざるを得なかったでしょう。
しかし、これがうまくいきました!すべてを構築し終えてからは、以前より10倍ほど速く本作の開発を進めることができたのです。それでも、本作を完成させるまでにはさらに数年かかりました。

――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Adam この1週間で何人ものプレイヤーが本作をクリアし、今までプレイした中で一番好きなゲームだと言ってくれました。本当に最高のフィードバックです!
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Adam 全体的なフィードバックは非常に好意的なものでしたが、プレイヤーやレビュアーからは妥当な批評も多く寄せられました。特に、前作をプレイした人たちからは、前作から変更しないでほしかった点がたくさん挙げられました。また、初めて本シリーズをプレイした人たちからは、「序盤の展開が遅すぎる」という声がよく聞かれました。
本作が発売されてまだ数週間ですが、簡単な批評に対処するための小さなパッチをすでにいくつかリリースしました。しかし、今後数週間のうちに、とても大きなパッチをいくつか用意し、しっかりと調整する予定です。ゲーム序盤の武器やアイテムを大量に追加することで序盤の開放をより早くし、前作から最も要望の多かった機能(ゲーム内百科事典とステータス・トラッカーのようなもの)を追加し、より簡単なモードと難しいモードの両方を追加し、プレイヤーが好きな場所に好きなだけ基地を建設しやすくします。
次のパッチ(1.2)の計画はすでに始めていますが、詳細はまだ発表したくありません!しかし、より多くの「コンテンツ」を追加することに集中しているということだけは言えます。プレイヤーの皆さんから、ゲームの終盤が少し薄い、ゲームをクリアした人たちは、プレイし続けるための何らかの要素が欲しいという声が届いています。正直なところ、このような声を聞くのはとても嬉しいことです。本作を気に入ってくれている人たちが、もっとプレイしたいと思ってくれていることを意味しますからね。今後配信するいくつかのパッチにおいて、皆さんを満足させる方法を見つけたいと思っています。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Adam 私たちは、さまざまな配信サービスでファンを相手に本作の配信している姿を見るのが大好きです。それでお金が儲かるのであれば、まったく問題ありません。もちろん、視聴者にも本作を入手するよう勧めていただければ、さらにうれしいです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Adam 本作を楽しんでいただけると嬉しいです!任天堂のゲームで育ってきた私にとって、日本はビデオゲームの中心地のようなものだと思ってきました。私たちが本作を日本語に対応させた理由のひとつは、日本語こそビデオゲームの言語として考えずにはいられない言語であり、自分たちのゲームをその言語で見ることができるのが本当にクールだと感じたからです。
残念ながら、私たち自身は日本語訳を読むことができません。ですので、もし本作を購入し、日本語訳について何かご意見がありましたら、ぜひお聞かせください!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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