
2025年5月4日、東京・浜松町にてインディーゲームの展示イベント「東京ゲームダンジョン8」が開催されました。
本稿ではイベントに出展していた「闇のケモノ部」ブースにて、青春を描く『屋上より愛をこめて』の試遊や新作ADV『エレベータでケモノの世界に行く方法』をご紹介します!
大きな声で届けたいこの想い。笑いあり涙ありの『屋上より愛をこめて』

『屋上より愛をこめて』は「闇のケモノ部」が手掛ける短編ビジュアルノベル。今回の展示にはtnk(@tnkyuta64)氏が参加していました。本作では主人公の「わに田」が、友人やクラスのあの子、先生、サッカーゴールなどあらゆる相手に屋上から思いの丈をぶつけていきます。


キャラクターそれぞれにはバックグラウンドや内面に秘めていることがあり、まっすぐな想いを伝える「わに田」に呼応するかのように、自身の想いをぶつけ合うような場面もみられます。甘酸っぱい青春って、良いものですね……。

また、会話のなかではQTE要素もありますが、成功させるかどうかによっても会話が変化するというシステムも。ついついゲージの最大や点が重なる部分などを狙ってしまいがちですが、“あえて成功させない”ことで、新たな一面を見ることができるかもしれません。



エンディングではそれぞれのキャラクターとの“その後”が描かれる場面も。その後の展開もQTEの成否によって文面が変化するので、ストーリーを回収していくヒントになります。
さらに、それぞれのキャラクターとのエンディングを迎えたあとは、おまけのストーリーを見ることもできます。


新作ホラーADV『エレベータでケモノの世界に行く方法』も開発中―tnk氏が語る、ケモへの想い
試遊後には「闇のケモノ部」のtnk氏にインタビューを実施。ケモに対するこだわり、ケモノゲーを作ることへの想いなどを熱く語っていただいたので、その様子をお届けします!
ーー『屋上より愛をこめて』をプレイさせていただきましたが、笑いがありながらも心暖まるな作品でした。『エレベータでケモノの世界に行く方法』は、どのような作品になりますか?
tnk氏(以下、tnk):内容としては、「エレベーターで異世界に行く方法」という都市伝説を題材にしたホラー“フェチ”アドベンチャーです。自分の知り合いのケモナーがある日行方不明になってしまうのですが、その人が最後に調べていたのが「ケモノの世界に行く方法」で、主人公はその謎を調査しに行きます。
ホラーテイストながらも、友情のような要素は入れたいと思っています。「人間を辞めてケモノになる」という部分に後ろめたさはありつつ、前向きなテイストで仕上げていきたいです。
ーー本作ではどれくらいのキャラクターが登場する予定ですか?
tnk:今のところ考えているのは4人ぐらいです。主人公とその友達、そして都市伝説に関わってくるキャラクターが登場する予定ですが……細かい部分はまだ決まっていません。
ーー「ケモノ」に対してはどういったこだわりや、想いを抱いていますか。
tnk:まず、「ケモノ」が好きです。イラストなど様々な作品がありますが、ゲームとしては少ないと思います。需要も高く、僕自身も欲しいし遊んでみたいとは思うのですが、テキスト主体のものが多いように感じられるので……僕なりのアクション要素などを取り入れて、あっと言わせたいです。
「ケモノ」というテーマは色々な意味を持っていると思っていて、「人間社会の抑圧からの離脱」「自由」という側面もあると考えています。ケモノになれる、より自己表現ができるということを描いていけたらと。
あと単純に、キャラクターが可愛い、魅力的ということを普及させていきたいです。僕調べですが海外でも市場やイベント参加者が伸びてきているので、需要の高まりを感じます。

ーー自分から作ったものを発信していくのが大事、ということですね。
tnk:今回展示されている『でびるコネクショん』などを見ていると、やっぱり「やった方がいいな!」と感じます。自分も作りたかったですし、作っていくのが正しい!
界隈ではイラストを描く人もたくさんいるので、そういった人たちもゲーム開発に巻き込んで、さらに作っていきたいという野望もあります。
ーープラットフォームやリリース時期など、今後の展開は決まっていますか。
tnk:『エレベータ』のほうは、今年中に体験版をどこかで出せれば御の字かなと。リリースは来年以降になるかと思います。プラットフォームなども決まっていませんが、とりあえずSteamかなと。
ーー他言語への対応なども予定していますか?
tnk:海外人気もあるので、日本語以外もぜひやりたいです。台湾やアメリカなどで人気が高く、海外の方が人気があると感じるほどです。『EVOLUTALE』という『Undertale』をオマージュした作品を以前出したのですが、何の宣伝もしていなくても海外でファンアートを描いてもらったりということもありました。
日本だけでなく海外にも熱心なファンがおり、そういった方の反応を見ると「これはもうやるしかない!」という感じです。需要はあるものの供給がとても少ないので、作ったことで感謝されたこともあります。ある意味、これは“慈善活動”に近いかなと思っています。
今回のゲームダンジョンに向けて本作も作っていましたが、やはり難しく……。引き続き開発は続けていきますし、面白いことになっていくと思っているので、ぜひご期待ください!
『屋上より愛をこめて』はunityroomにて現在配信中です。また、新作のホラーADV『エレベータでケモノの世界に行く方法』も鋭意作成中です!
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