
Zarobana EntertainmentとSPN Studioが、2025年5月28日にPC(Steam)でリリースした基本プレイ無料リアルタイムストラテジー『Squad 22: ZOV』が、ロシアによるプロパガンダを含む内容を取り扱っているとして、複数の海外メディアから注目を集めています。
プロパガンダ的内容と複数メディアが報道
『Squad 22: ZOV』は、プレイヤーが分隊の装備を整え、さまざまなキャンペーンを指揮しながらクリアしていく作品。ゲームの舞台は2014年と、2022年から2024年の出来事を取り上げていて、Steamストアページの説明によると、退役軍人と現役兵士の協力に基づいて設定されているとのことです。また、本作は士官候補生および青少年軍(Yunarmy)向けの歩兵戦術マニュアルとしてロシア軍が推奨していることも記載されています。
Game Informerでは、本作のゲーム公式Xアカウント内が、ウクライナのゼレンスキー大統領が5月20日の会談後に「自国の兵士を撤退させず、ロシアの通告には屈しない」と発言したとする外部の投稿をリポストして「それならもっと新しいゲームのキャンペーンを作れる」と投稿したことを紹介しています(Simulation Daily経由)。

また、ウクライナの偽情報対策センターが本作のことを取り上げていることも紹介しています。同センターは本作について、ゲーム内で実際の戦闘に関する内容を扱い、その中で「軍事的勝利」としているものがウクライナへの戦争犯罪だったこと、ゲーム内キャラクターを英雄的にしていることなどに関して、ロシアによるプロパガンダ視点での作品であるとしています。
さらに、ゲーム公式YouTubeチャンネルでは、ロシア軍中央委員会が士官候補生および青少年軍にゲームを紹介している様子なども公開されています。

Steamユーザーレビューは“賛否両論”
Steamストアページのユーザーレビューでは、記事執筆時点(2025/05/30 0:00)時点で143件の投稿があり“賛否両論”になっています。投稿ではプロパガンダを取り上げている内容に関する批判を含むものが多く、中にはSteamの公開ルールに反しているのではないかとする声もあります。
海外メディアGame InformerとEurogamer、Simulation Dailyは本作についてどのようなチェックを行ったのかなどの内容をValveに問い合わせていますが、現時点で返事はないようです。なお、開発Xアカウントはこのゲームについて「Steamで許可されている」とするコメントも書いていますが、それぞれの詳細は現在明らかになっていません。


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