「鍛え上がった筋肉」というものの美しさをたっぷり堪能できる、唯一無二のシューティングゲーム『超兄貴』シリーズ。実は、格闘ゲームも出ているって知ってましたか?
本記事では、6月19日にニンテンドースイッチ向けに発売される『超兄貴 爆烈乱闘篇』のプレイレポートをお届けします。なお、記事執筆にあたっては発売元のエディアよりコード提供を受けています。
『超兄貴 爆烈乱闘篇』とは?
本作は、1995年にスーパーファミコンで発売された『超兄貴 爆烈乱闘篇』の移植作です。シリーズとしては初代『超兄貴』、『愛・超兄貴』に次ぐ3作目で、突如として対戦格闘ゲーム化します。

ただ、実は前作『愛・超兄貴』の時点で、実は格闘ゲームのような要素が導入されており、シューティングでありながらコマンドを入力して「ポージング」を決めて攻撃するというユニークすぎる要素が導入されていました。
今回の移植は、前2作が収録された『超兄貴COLLECTION』のクラウドファンディングのストレッチゴール達成で実現しました。ニンテンドースイッチがあれば、シリーズの初期3作品はプレイできる状態になったわけです。
空中浮遊格ゲーの熱い駆け引き!

格ゲーといえば基本的には地に足をつけた戦いをイメージしますが、本作は元がシューティングゲームということもあってか、空中浮遊しながら戦うというシステムが本作の大きな特徴です。
操作はYでパンチ、Bでキック、Xで必殺技、Aでダッシュ、L/Rでガード、Y+Bで投げとシンプルにまとまっていますが、自由に空中を移動できることによってさまざまな角度から攻められるという本作ならではの駆け引きを生んでいます。

本作の駆け引きをぐっと面白くしているのが、画面上部の赤い「ピストンゲージ」の存在です。このゲージは技を出したりダッシュしたりすることで消費され、0になると行動不能になります。

行動不能になったら、Aを押しながら十字キーをぐるぐるすることで、キャラがクネクネした動きを見せながら回復します。見た目から面白いこのアクションですが、使っている間は隙だらけ。技を連続で出しまくると不利になってしまうため、なるべく空振りせず当てることが重要になってくるのですが……空中浮遊している分当てるのが難しい!
移動の挙動も浮遊感があってクセがあるので、しっかり操作して技を当てる慎重さと、攻められそうな時はガンガン攻める大胆さの使い分けが必要です。

キャラクターはシリーズおなじみの「イダテン」「ベンテン」「サムソン」「アドン」といったキャラに加え、敵キャラの「ボ帝」「アダム」といったキャラもいます。みな肉体が仕上がっていて、見ていて気持ちが良いですね!! ドットの良さも際立ちます。

本作オリジナルキャラである「真美19」はメカと女の子が組み合わさったちょっとセクシーな見た目で、こちらも魅力的……!あ、ちなみに「うみにん」も出てきますよ。
『超兄貴』といえば、楽曲のカッコよさも魅力のひとつ。本作のサウンドを手掛けたのはシリーズおなじみの葉山宏治氏ではありませんが、低音がゴリゴリを効かせたり、サンプリングのような音源を多用していたりと、シリーズならではの魅力を引き継いでいます。
「クラシックゲーム移植」としてこだわりアリ


本作はコレクションではない単体作品の移植であるため、ゲーム選択などはありません。しかしながら、非常にこだわりのある作りがさまざまな場所で見て取れます。ステートセーブ・ロードや巻き戻しといった基本機能の使い勝手が良いほか、ブラウン管フィルターも2種類用意されています……!



その他の機能も充実しており、当時の説明書がそのまま収録されていたり(ギャグもそのまま)、サウンドモードやクリア後のイラストが見られるビジュアルモードが搭載されていたり、当時のパッケージが3Dで見られたりと、本作をじっくり堪能するにあたって非常に満足感のある作りになっています。クリア難度が高めなゲームなので、クリアしなくてもビジュアルが楽しめるのは嬉しいですね。

そして何より、画面両端に技表が出るのは本当に便利です。説明書とにらめっこしなくても技を覚えられますし、技名の勢いにも笑えます。クラシックゲームの移植として、非常にレベルの高いものに仕上がっています。
筆者は前2作が好きでしたが、格闘ゲームになっていたと聞いてもあまりピンと来ていませんでした。しかし本作は、『超兄貴』らしい味を色濃く継承しつつも、シューティングゲームのルーツを感じさせる浮遊感のある独特な駆け引きが面白く、現代でも十分に楽しめる高品質な移植作といえるでしょう。
『超兄貴 爆烈乱闘篇』は、ニンテンドースイッチ向けに6月19日発売です。











