中国・上海にて開催された「WePlay Expo 2025」。さまざまなインディーゲームが集うこのイベントには、日本のパブリッシャーによるタイトルも数多く出展されていました。
本稿では、Wonderland Kazakiri inc.が開発を手掛け、『パルワールド』でおなじみポケットペアの「Pocketpair Publishing」がパブリッシングするアクションアドベンチャー『CASSETTE BOY』を試遊してきましたので、その所感をお届けしていきます。(コンソール版はPlayStation/Xbox/ニンテンドースイッチ向けにリリース予定でパブリッシングはForever Entertainmentが担当。)
みてないモノは存在しない。オブジェクトも敵も“隠す”ことで消えて先に進める
前情報を何も調べず、とりあえず試遊した所感が「上手いなぁ」と思える謎解き系のアクションゲームが本作『CASSETTE BOY』でした。
かつて任天堂が発売した携帯ゲーム機「ゲームボーイ」のタイトルを彷彿とさせるミニマルな色遣いのピクセルアートが、なんだか懐かしさを感じさせてくれます。パッと見、レトロスタイルの2Dゲームにも見られますが、実は本作3Dゲームなのです。


ゲーム中は主人公を起点にカメラの視点をぐるぐると見回すことができ、この視点操作こそが『CASSETTE BOY』の探索と謎解き要素を象徴するシステム(「シュレディンガーシステム」)といえます。
例えば、真上から見た通常の視点だとオブジェクトが邪魔で道を通れないとしましょう。しかし、カメラ視点(マップの見え方)を斜め方向、あるいは真横に切り替え、オブジェクトが建物の影に隠れることにより進行できるようになるのです。
Steamの紹介にもある通り、“みてないモノは、存在しない”がゲーム性を言い表しているといえましょう。ちなみに、同じ要領で敵を隠すとその存在ごと消してしまえます。

世界の見え方と在り方をカメラ操作ひとつで変えてしまう、メタな謎解き要素が魅力なのはもちろん、キャラクターの描き方にも一癖あって印象的です。
キャラクターとしての台詞をほぼ喋らないのに、心のぼやきだけは台詞テキストとして表示される主人公、「伝説の剣」を主人公に抜かれてしまい、嫌味ったらしく根に持ち続けている騎士など、ゲーム性に添えられたキャラクター像の僅かばかりの濃さが好きになれます。



試遊版の最後にはボスバトルが待ち受けていました。剣と弓矢で真正面から戦うより、ステージギミックを駆使して効率的にダメージを与えていくことで、比較的容易に倒すことができます。
ただ、ステージギミックはカメラ視点をグルグルと回し続けることで起動するので、個人差こそあれども、人によっては3D酔いを引き起こす可能性があります。特に戦闘中のカメラ切り替えは目まぐるしさを感じたため、この辺りのバランスをどのように製品版へと落とし込んでいくのかが課題と言えそうです。


プレイヤーのカメラ操作によるメタな謎解き自体は決して珍しい手法ではありません。
ですが、“レトロゲーム風に見える3Dゲーム”との掛け合わせこそが、こうした謎解きメカニクスを全面に押し出すための屋台骨として機能しているのは確かです。
さらに、この仕組みそのものをゲームのコアとして据え、バトル・探索・ストーリーといった主要素にそれぞれ上手く絡めているのは上手いと感じられる点でした。『CASSETTE BOY』のリリースは2025年とされており、Steamでは体験版も配信中です。













