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レンタルビデオ店の黄金期にタイムスリップ!巻き戻し作業も再現された『Retro Rewind』で90年代を堪能しよう

レンタルビデオ店をよく再現していて、90年代育ちの胸に刺さる仕上がりになっています。

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レンタルビデオ店の黄金期にタイムスリップ!巻き戻し作業も再現された『Retro Rewind』で90年代を堪能しよう
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現時点で20代以下の皆さんは、「レンタルビデオ店」という形態のお店をご存じでしょうか?

自宅での映画鑑賞の方法が専らビデオデッキだった時代には、その中に入れるビデオテープを貸し出すレンタルビデオ店が人気を博していました。このレンタルビデオ店が我々の娯楽に大きな革命を起こした……という表現は、決して大袈裟ではありません。レンタルビデオ店がなければ、公開期間の終わった映画を鑑賞することは、極めて困難でした。

その中でも90年代は、そんなレンタルビデオのチェーン店「TSUTAYA」の進出以前の時代で、レンタルビデオ店と言えばほとんど個人経営。そんな古き良き時代を堪能できる、レンタルビデオ店経営シム『Retro Rewind - Video Store Simulator』がSteamで配信されています。

レンタルビデオ店と延滞料システム

「再生」や「早送り」はともかく、広げた巻物状のものを戻すことを示す「巻き戻し」は、現代の若者には通じない単語かもしれません。

ビデオテープは、その名の通り“テープ”を内蔵しています。映像が終わると、そのテープを巻き戻して、再生の始めまでリセットする必要があるのです。

その巻き戻し機能はビデオデッキに搭載されており、手で巻かずともボタン一つでテープを巻き戻してくれる優れモノ。これはレンタルビデオ店で借りたテープを返却する前のエチケットでした。なぜそのような行為が必要なのかは、後述したいと思います。

『Retro Rewind』は、今流行の一人称店舗経営シムです。取り扱う内容がレンタルビデオというだけで、あとはほかの○○シムと変わらない……と結論付けるのは早計です!

何しろ、レンタルビデオ店とは販売ではなく「貸し出し」を主な業務とする事業。ビデオテープとそれを並べる棚を調達して店内に配置し、テープを平置きしてお客さんを待ち、レジ打ちして収益を得るという仕事のほか、延滞料の取り立てとテープの再配置という作業が存在します。

本作ではお客さんが観終わったテープは返却ボックスに入れる仕組みとなっており、もし延滞があれば、そのお客さんが次にテープを借りる時に取り立てます。

ただし、ここで敢えて延滞料を見逃すことも可能。なぜなら、延滞料の請求に怒り狂って手に持っていたテープをぶちまける不埒者もいるからです。

この延滞料という仕組みも、現代の若者にはピンと来ないかもしれません。例えば旧作であれば5泊、新作であれば1泊もしくは2泊が貸し出し期間で、それ以上を超えると追加料金が発生するという、いわゆるペナルティ付きレンタル日数制限がありました。

いつまでも借りっぱなしの状態でいると、後でとんでもない延滞料が請求されてしまいます。41歳の筆者は、今でもこの「ついうっかりビデオテープを借りっぱにして忘れていた」という内容の悪夢を年に数回ほど見ることがあります……。

ちゃんと巻き戻してから返してくれ!

お客さんから返してもらったテープは、当然ながら棚に戻しましょう。『Retro Rewind』では、レベルを上げていくとスタッフを雇用できるようになりますが、それまでは何もかもワンオペ。この“棚に戻す仕事”が、結構大変なんですよ……。

また、先ほど少しエチケットとして説明した、“巻き戻しをしないで返却するお客さん”というのが時折現れます。その場合、テープを巻き戻し専用機器に入れて、最初の位置にリセットしなければなりません。これが意外と時間を食う作業!

巻き戻しをしている間にも、お客さんはレジ前に列を作ります。……お分かりでしょうか? これが「巻き戻しはお客さんがするべきエチケット」になっていた理由です。

そんな本作、やればやるほど細部までレンタルビデオ店の仕組みを再現していることが理解できるのです。

映画公開が終わったばかりの大作を仕入れると、制作会社からポップが送られてきます。それを店内に立てて集客につなげる、というあたりもまさにレンタルビデオ店! 1991年に小学校に入学した筆者は、まさにその光景と共に成長したと言っても過言ではありません。

アダルトビデオも取り扱い可能

なお、18歳未満のお子様が観てはいけないアダルトビデオを取り扱うこともできます。

毎週火曜と木曜に闇業者が店の裏にやって来て、アダルトビデオを売ってくれる仕組みですが、これを店内に並べる時はどの棚に置いても構わないというルールが。

つまり、「18禁」とデカデカと書かれたカーテンの向こう側のスペースを設置しなくてもいいというわけだ!まさにシミュレーションゲームの世界!

また、本作が他の一人称店舗経営シムと異なるのは、「クレジットカードに対応していない」という点です。

何しろ、舞台設定は90年代初頭。この時代、クレジットカードは“ホワイトカラーが比較的高価な買い物をする時に使うもの”であり、今のようなカジュアルな場面でも気軽に利用できるようにはなっていませんでした(日常的な小売店舗では、クレジットカード未対応がほとんど)。

したがって、来るお客さんは全員現金で決済します。気をつけないと、本来のお釣りより多くお金を渡してしまった……ということも。

「OLD」の重要性

時間をかけて本作をプレイしてみると、予約のビデオをお客さんに渡し損ねるとなぜか予約自体をキャンセルしてしまうことや、店舗拡張のための地図が分かりづらい位置にあるといった不親切な部分も。

しかし、全体的にはレンタルビデオ店をよく再現していて、90年代育ちの胸に刺さる仕上がりになっています。

また話題性抜群の最新ビデオも去ることながら、「OLD」……つまり、過去の名作の貸し出しが売り上げの土台になっているという要素もしっかり再現。

冒頭にも書いた通り、レンタルビデオ店というものが登場する以前は公開期間の終わった作品は鑑賞が難しく、テレビでの放送を待つしかありませんでした。「チャップリンの『モダンタイムス』を観たい」と思っても、それをする手段がなかった時代です。

そうしたものをいつでも視聴できるようにした、という意味で、レンタルビデオ店は我々の娯楽文化を大きく変えました。


そんな『Retro Rewind - Video Store Simulator』は、Steamで2,300円で配信されています。


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ライター:澤田 真一,編集:八羽汰わちは

ライター/ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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編集/ 八羽汰わちは

はちわたわちは(回文)Game*Sparkの共同編集長。特技はヒトカラ12時間。

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