2026年4月に発表された東映のゲーム事業ブランド東映ゲームズ。ドット絵の波濤には鮮烈な印象を受けた人も多かったのではないでしょうか。その後、ブランド第1弾となる『HINO』『KILLA』『DEBUG NEPHEMEE -デバッグネフェミー-』の3作品はさまざまな展示会にも出展しています。
Game*Sparkでは、今回3タイトルのクリエイターの皆さんにお集まりいただき、座談会を開催。自分たちのゲームだけでなく他のゲームについても語っていただきました。
――今日はよろしくお願いします。最初に皆さんの自己紹介をお願いします。
ユン・セウン:サウンドを担当しているユン・セウンと申します。
チェ・ダヨン:ストーリーとアートを担当しているチェ・ダヨンです。
チェ・ダウン:企画と事業部門を担当しているチェ・ダウンです。
チャン・ジェウォン:プログラムを担当しているチャン・ジェウォンと申します。
ノロマ:『デバッグネフェミー』を開発しているノロマと申します。私のチームは1人でやっています。
Aury:『HINO』のUnGloomStudioで本作のプロデューサーをしています。Auryという名前で活動をしています。
やたら:イラスト担当しているやたらと申します。
――東映ゲームズの第一弾になる3チームですが、皆さんはどういった経緯でチームを作られたのでしょうか。
Aury:UnGloomStudioは6人で開発しているのですが、私がプロデューサー兼アニメーターとエフェクトと開発とサウンドを担当していて、デザインをやたらさんに担当いただいています。
『HINO』のキャラクターのデザインについては、やたらさんにオファーをして参加いただきました。元々Xでイラストを拝見していて好きなテイストだったので『HINO』のデザインをゲーム化するならやたらさんにお願いしようと思っていました。
――やたらさんのデザインで開発したいという気持ちだったのですね。Xですと、DMを送られたのかと思いますが、受け取られた時はやたらさんはいかがでしたか?
やたら:そうですね。突然DMが来たので驚きましたが、『HINO』のデモ版を見ていい感じに動いていたので、自分のキャラもいい感じに動かしてもらえるのではと思って話を聞きました。話の中でティム・バートン監督の映画とかホラーチックな物が好きとか共通の点があることもわかったりしたのも大きかったです。
――共通の話題があると親近感も湧きますよね。『KILLA』の皆さんはどのように集まったのでしょう?
チェ・ダヨン:大学のサークルでチームを組んでいて、2人で『KILLA』の元になるゲームを作っていました。それと別にゲームジャムに参加していてサウンドのユンさんと出会って参加してほしいと伝えました。
それから、私の家族である妹のチェ・ダウンもメンバーに加えて開発が始まりました。私たちはオタクなので、日本のアニメーションやJ-POP、ボカロといった共通の趣味があります。

――日本のコンテンツも楽しんでいるのですね。『デバッグネフェミー』はおひとりで開発されていますが、どのように思いついたのでしょう。
ノロマ:「ネフェミー」はゲームに登場する生き物のことなのですが、これ自体は、私の頭の中に10年以上いたキャラで、いつかネフェミーでゲームを作りたいと思っていました。
開発を始めたのは2024年頃なんですが、普段からゲームのアイデアを書いたメモにバグをテーマにしたゲームを作ろうと書いていたのがはじまりです。他には探偵が推理をするゲームというアイデアもメモに書いていました。
――そんなに前から考えていたキャラなのですね。ネフェミーはどのように思いついたのですか。。
ノロマ:ネフェミーは特にモデルがあったわけでもなく、昔に思いついたものなので、名前をどうやってつけたのか覚えていないくらい昔のことなんです。
――他の方はこういったキャラクターやゲームのアイデアはどのように考えられたのでしょう?

Aury:最初は原作というか、やたら先生のマンガがベースにあったんですが、ゲームにあわせてまったくストーリーを変えています。私が考えたアイデアをバーっと出していって、やたら先生と打ち合わせをしながら調整してもらっています。結構その場その場でこういうのがあったらいいねと言いながら進めていました。
やたら:話を考えていくの自体好きなので楽しんでやっていますね。
――キャラがかわいいけれど、世界観や背景がちょっと不穏で何か起きそうなのも特徴ですね。
やたら:かわいいのも描きたいけど、こわいのも描きたいみたいな手癖があるんですよね。やりたいようにやらせてもらってます(笑)。
このキャラは元ネタがあってもう6年くらい描き続けていたんですが、ゲーム向けにちょっと直したりしています。Auryさんが言うようにゲームに合わせて少し変えて合わせています。
――やりたいようにやれているの、いいですね(笑)。『KILLA』の皆さんはどうでしょう?
チェ・ダヨン:私がシナリオを出して、チームで見てもらってアイデアを追加していきながら作っていきました。
最初は牧場を舞台にした育成ゲームを考えていたのですが、キャラクターものを作ろうと言う風になって、劇場を背景にしたゲームになりました。実は何度かアイデアも変わっていきました。牧場のゲームの次に薬を作る薬剤師のゲームを考えたりしましたが、最後に劇場のゲームを作ることに決まりました。
ユン・セウン:開発は4年くらい前から始まったのですが、後から私たちが合流してこんなキャラクターがいたらいいんじゃないかっていっぱい話し合ってキャラクターを作っていきました。今のキャラの中でララはダウンさんがアイデアを出していて、カイラはジェウォンさんが一番アイデアを出しました。そして、シラというキャラは私(セウン)がアイデアを出しました。デザイン担当のダヨンさんの描いたキャラがかわいくて、外見が性格をよく表していて好きですね。

――メンバーみんながアイデアを出したキャラがそれぞれいるわけですね。自分たちのキャラについても伺いたいです。
やたら:赤いリボンのキャラです。リボンも好きなんですが実はジャンプモーションが個人的にはかわいいなと思っています。何枚か描いてジャンプしているモーションにしてもらったんですが違和感なく動いてるので気に入っています。
Aury:Spine(※ゲーム用2Dアニメーションソフトウェア)で動かしているんですが、いただいたイラストをパーツ分けしてこっちの感覚で動かしていて完成品を見てもらってますね。実はこのインタビューで初めて知りました。結構コアなところが気に入ってるんだなと。(笑)

――ノロマさんはいかがでしょう?
ノロマ:ネフェミーの中で、誰が好きかっていうと……みんな好きで(笑)。各ネフェミーの考え方や思想もはっきり決めているんです。例えばテルテとバルフというネフェミーがいるんですけど、二人とも優しいタイプでありながら、テルテが現実主義、バルフが理想主義といった違いがあるんです。
悪い人がいても、テルテは罰を下すべきだと思う一方で、バルフは慈悲深く受け入れようと考えるんです。そういった違いがあるのも気に入ってます。実は、開発中に生まれたネフェミーもいたんですが、ゲームの容量的に入れられなくて泣く泣く削っていました。
――ゲーム開発中に思い浮かぶけど、残念ながら……ということですね。BitSummitでは他の方と話をする機会もあったかと思いますが、お互いのキャラについて話をしたりしましたか?
ノロマ:『HINO』のやたら先生のキャラをXで見ていて、イラストの描き方に興味がありました。私はデジタルで描いていたので、アナログで描いているやたら先生はスゴイと思っていて、BitSummitの時に質問責めにしたんです(笑)。やたらさんはボールペンだけで描いているんですが、光と影の表現が好きで、鉛筆だと塗って光と影を出すのをボールペンだと線だけで表現するので描かれているのがすごいなと。
――やたらさんはボールペンで描いているんですか?
やたら:ボールペンで描いてますね。今回のイラストもボールペンで描いてますね。
Aury:やたらさんに描いてもらったデザインはスキャンしてもらって送っています。
――そうだったのですね。ノロマさんは『KILLA』についてはどう感じましたか?
ノロマ:『KILLA』の皆さんとは、BitSummitの打ち上げでMBTI(性格診断)の話を聞かせてもらって、『KILLA』のキャラにも性格が一人一人決まっているって話を聞かせてもらったんですけど、自分が思っていたのと違うキャラもいて一見おとなしく見えるけどそこから復讐劇が始まるってことは、実は情熱を持っているキャラなんだなって衝撃を受けたんです。
それから、登場キャラに「ラ」がついてるって発想も面白くて気になりました。ラを殺せってなんだ?って思ったら実はみんなにラがついてるし、恐ろしいことに主人公にもラがついてるし!って。
――言われてみれば……これはどうなるか読めないですね。『KILLA』の皆さんにも同じ質問ですが、他のチームのキャラをみてどう思いましたか?
チェ・ダウン:『デバッグネフェミー』はSDキャラが登場していて良かったと思いました。ネフェミーたちが実は人間と同じくらいの背の高さなんだと知って、その設定が魅力的だと思いました。
チャン・ジェウォン:私好みのドット絵キャラが登場していて良かったです。
ユン・セウン:『HINO』はみんなでキャラがすごくかわいいと言っていたんですけど、BitSummitで実際遊んだらゲームの中で設定を保ちながら動いていることや、キャラの雰囲気を保ったままゲームにできているのがすごいですね。
チェ・ダウン:メインキャラがすごくかわいいです。モンスターの恐ろしさも反映されていて上手いなと。
――『HINO』のおふたりはいかがですか。
Aury:『KILLA』は4人でエンジニア1人で2.5Dをやっているのがすごいと思っています。『HINO』でも2.5Dやってみようと思ったんですが、諦めたので。私はエンジニアなので開発の話になるんですが、『デバッグネフェミー』については、1人で開発されているのもすごいなと思っていました。他の2チームは開発やレベルデザインなど含めて1人で開発されていたり、2.5Dに取り組んでいたりしていて、作品に対する熱量を感じますね。
やたら:すごいゲームと同期になったなと思っています(笑)。BitSummitでブースの上にモニターがあるんですが『KILLA』のチームのPVを見て、このデザインをこれだけ描いて動かしているのがすごいなと。
『デバッグネフェミー』はかわいいと見せかけて触っていくとだんだん……となっていくのがシンプルにゲーム性高くて、これからどんなふうに不穏になっていくのか楽しみですね。実際に体験版を触ってるとそう感じましたね。
――かわいい×不穏という雰囲気の作品が3作品集まりましたが、これはまったくの偶然だったそうですね。
東映ゲームズ 長島:そうなんです。我々が選んだ3作品なんですが、本当にたまたまこういう作品が集まったんです。

――何か引きあうものがあったのかもしれませんね。そんな3作品ですが、BitSummitでいろいろな方に遊んでもらった感想はいかがでしょうか。
ノロマ:私が1人でイベントに出たときはチュートリアルがあんまりできていなくて、プレイしていた人に説明したり補助が必要でした。この点は東映さんにも言われていて、これまでに何回か改善していました。今回のBitSummitではほとんどの方が説明なしにプレイできて、小学生でもクリアできるようになったので大きく変わったなと思いました。やっぱり、相談相手ができたのが大きいですね。
私はビジネスデーだけ参加したのですが、会場に多くの人が来て結構遊んでもらっていてよかったなと思いました。今のデモ版は、ストーリーがそこまで入ってませんが、今後はストーリーも伝わるようなバージョンにしたいと思っています。展示会用はプレイ時間を調整しないといけないのでストーリーを省いていましたが、今後はストーリーもほのめかしていきたいですね。
――ネフェミーの魅力がもっと伝わるデモ版が楽しみですね。『KILLA』の皆さんは参加してみてどうでしたか?
チャン・ジェウォン:1日だけの参加でしたが、皆さんが楽しんでプレイしてくれてうれしかったです。久しぶりにメンバー全員で海外の展示会に参加できました。私たちは日本語が話せないのですが東映の皆さんが対応してくれたのでとても助かりました。
チェ・ダウン:いろんなゲームに触れたり、日本の開発者さんとゲーム開発について話すこともできてインスピレーションを得られたのがとてもよかったです。多くは話せませんでしたが会った人と話ができました。
ユン・セウン:BitSummitのために短い体験版にしたので、全キャラを入れてなかったのですが今後はキャラクターの魅力をプレイヤーの皆さんに伝えたいですね。

――日本のクリエイターとも交流があったり収穫があったようですね。『HINO』のおふたりはいかがでしょう?
Aury:東映さんのブースでの出展でしたが、こういう感じで運営しているんだと直接目にできたことや、『HINO』を遊んだ方を見ていて、クリアできない人もいたので、繰り返し遊ぶ前提ではあるのですが難易度設定があったほうがいいのかな……と考えたりなど、目の前で『HINO』を遊ぶプレイヤーの姿が見えてよかったですね。レベルデザイン以外は遊んでもらった人に喜んでもらえているのかなという実感があります。やっぱり、やたらさんのデザインでよかったなと。DM送って正解でした。
もともとはADVだったのがいつの間にかアクションゲームになっていて、難易度調整をしていかないとなと思っています。リアルタイムに反応が返ってくるこの体験を難易度に入れていけたらと思っています。アクションが苦手なユーザーもクリアできるようにしたつもりでしたが、私が普段はソウルライクもやったりするので、一度調整は必要ですね。今後も東映さんと一緒にこの作品を広めていきたいです。
やたら:ゲーム業界出身ではなく、こういう展示会自体が初めてだったので、最初は緊張もありましたが、実際に遊んでいる人を見ることができたのがよかったです。私も京都に来て初めて触れたんですが、結構詰まりました。私が普段ゲームをあんまりしなくてコントローラもどう操作するのかわからないくらいだったので、どんな仕上がりか心配だったのですが、思ったより皆さんクリアできていたなと思いました。
――実際にプレイしている人を目の前で見ると気づくことも多いのですね。最後になりますが、この記事をご覧の皆さんに一言お願いします。
ノロマ:このゲームはネフェミーを広めるためのゲームなのでネフェミーを知ってもらえたらと思っています。今は時間があまり無いので更新できていませんが、まんがも描いています。
Aury:特にストーリーを推したいので最後の最後『HINO』と相棒のもにもにスケルトンがどうなるのか見届けてほしいですね。
やたら:ゲームではオリジナルのストーリーがありますし、キャラが動くので是非楽しんでもらえたらと思います。
チェ・ダヨン:BitSummitの時にブースに来て下さった方に本当に感謝します。今日は誕生日なんですが、この機会に取材をいただいてありがとうございます。引き続き『KILLA』もよろしくお願いします。
チェ・ダウン:BitSummitの体験版ではキャラクターの情報など公開していないのですが、今後の新情報にご期待ください。

――ありがとうございました。
『HINO』『KILLA』『デバッグネフェミー』は東映ゲームズから発売予定です。それぞれの今後の発表を楽しみにお待ちください。












