童話「ピノキオ」が、ここまでダークでカッコよくなるとは。
『Lies of P』は、誰もが知る童話「ピノキオの冒険」を、美しくも残酷なダークファンタジーへと大胆に再構築したアクションRPGです。雨に濡れたベル・エポック風の街を進み、暴走する人形や異形の怪物と戦いながら、“嘘をつけるゼペット人形”の物語を追っていきます。
2026年8月6日には、本編と前日譚DLC『Lies of P: Overture』を収録した『Lies of P: コンプリート エディション』がニンテンドースイッチ2向けに発売。名前は聞いたことあるけれど、まだプレイしたことがない……という人にとってはいままさに絶好のタイミングです。
そこで今回は、『Lies of P』をいまから始めるべき10の理由を紹介します。
スイッチ2『Lies of P:コンプリート エディション』公式サイトはコチラ① 『ピノキオ』がダークファンタジーへと生まれ変わる世界
本作のモチーフとなっているのは、カルロ・コッローディによる童話「ピノキオの冒険」です。
プレイヤーが操作するのは、ゼペットによって作られた人形。人形を目覚めさせた青い髪の女性「ソフィア」に導かれ、暴走した人形や異形の怪物が徘徊する都市「クラット」を進んでいきます。
街では暮らしを支えていた人形たちが突如として人間へ反旗を翻し、さらに身体を石のように変えてしまう「石化病」も蔓延。かつての繁栄は失われ、わずかに生き残った人の一部がホテル・クラットへ身を寄せています。

一方、前日譚DLC『Lies of P: Overture』では、伝説のストーカーと呼ばれる女性「レア」が登場。本編の登場人物たちとレアの間にどのような関係があるのかも、物語を通して少しずつ明らかになっていきます。
ゼペットやジミニー、青い妖精を思わせるソフィアなど、原作を知っていれば気づける要素も少なくありません。ただし、登場人物や設定には大胆な再解釈が加えられており、原作を知らなくても問題なく物語へ入れるでしょう。

② ベル・エポック時代のヨーロッパを思わせる美しい街並み
本作の舞台となるクラットは、19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパ、特にフランスの華やかな文化を象徴する「ベル・エポック」をモチーフにしています。
石畳の道やガス灯風の街灯に加え、曲線的な装飾を取り入れたアール・ヌーヴォー調の建築、豪華なホテルや劇場、鉄道駅などが当時の華やかさを感じさせます。人形技術が市民の生活へ浸透している点も、機械や産業が急速に発展した時代を本作なりに再構築したものです。


しかし、人形が目覚めた時点で、その黄金時代はすでに過去のもの。華やかな通りには壊れた馬車や荷物が散乱し、劇場の観客席には人間の姿はありません。
雨に濡れた石畳や、暗闇の中でぼんやりと光る街灯は美しいものの、その周囲には崩壊した街の残骸が広がっています。単に暗く不気味なのではなく、繁栄していた頃の面影が残っているからこそ、クラットを襲った悲劇が一層鮮明に映るのです。

③ 「嘘をつくか、真実を語るか」が物語を左右する
人形は嘘をつけない。それが『Lies of P』の世界に存在する基本的な決まりです。
しかし、主人公は物語の途中で何度も、嘘をつくか、真実を伝えるかという選択を迫られます。
そこで問われるのは、善意の嘘と冷酷な事実のどちらを相手へ差し出すのか。傷ついた人物を安心させるため、あえて残酷な現実を伏せる場面もあります。反対に、耳触りのよい言葉を伝えることが、本当に相手のためになるとは限りません。

ゲームが分かりやすい正解を示してくれるわけではないため、相手の境遇を知ったうえで、自分なら何を伝えるのかを決めることになります。
そして、積み重ねた選択は主人公の「人間性」を変化させ、物語の結末にも影響を及ぼします。嘘をつけることは人間らしさの証明なのか。それとも、人間だけが持つ欠点なのか。プレイヤー自身の価値観が表れる選択です。
スイッチ2『Lies of P:コンプリート エディション』公式サイトはコチラ④ アクションRPGとして完成度の高いバトル
『Lies of P』の戦闘では、敵の攻撃をただ避けるだけでなく、武器によるガードや、タイミング良くノーダメージで受け止める「ジャストガード」を駆使していきます。
最初は回避やジャストガードのタイミングを捉えられず、一方的に攻撃されるかもしれません。それでも、敵の予備動作や攻撃の間隔を覚えるうちに、少しずつ反撃の機会が見えるようになってきます。
攻撃やジャストガードを重ねて敵の体勢を崩し、チャンスが生まれたところへ溜め攻撃を当てれば、「致命の一撃」で大ダメージを狙うこともできます。攻撃などで蓄積したフェーブルを消費し、武器ごとの必殺技「フェーブルアーツ」を叩き込むのも有効です。

操作技術だけですべてを解決する必要はありません。投擲物をはじめとする消費アイテムやレベルアップ、武器強化、特殊能力を獲得する「P機関」など、突破口は人それぞれ。ホテル・クラットには、攻撃やジャストガードを安全に練習できる人形も用意されているので、試しておくのも良いでしょう。
現在はアップデートにより、3段階の難易度から選択でき、ゲームの途中でも変更可能に。発売当初よりも幅広いプレイヤーが楽しみやすくなっています。
なかでも「蝶の導き」は、ゲーム本編に追加された最も易しい難易度です。アクションゲームや高難度のゲームが苦手な人はもちろん、戦闘のハードルを抑えてストーリーや世界観をじっくり楽しみたい人にもおすすめです。

⑤ 武器を自由に組み替えられる独創的なカスタマイズ
本作に登場する通常武器は、「刃」と「柄」のふたつのパーツで構成されています。一部を除き、入手した刃と柄を自由に組み替えることが可能です。
刃は攻撃力やダメージ属性、柄は攻撃モーションや能力補正に影響します。威力は高いものの振りが遅い大型武器の刃へ、素早く振れる柄を取り付けるといったカスタマイズも試せます。
ただし、突きに向かない刃と突き攻撃中心の柄など、相性の悪い組み合わせも存在します。数値だけでなく、リーチや攻撃方法まで考えながら、自分の戦い方に合った一本を作る必要があるのです。

さらに、一部のボスを倒すと「レアエルゴ」というアイテムを入手できます。これは特殊な武器か特殊なアミュレットのどちらかと交換可能。これらの装備には通常の武器やアミュレットとは異なる強力な効果が備わっており、特徴的な外見もコレクション欲を刺激します。
レアエルゴは交換すると失われるため、同じボスに対応した武器とアミュレットを一度のプレイで両方入手することはできません。すべて集めるには周回が必要となり、装備のコレクションも繰り返し遊ぶ目的になります。
⑥ 左腕「リージョンアーム」で戦術が大きく変わる
主人公の左腕には、「リージョンアーム」と呼ばれる特殊な義手を装着できます。
純粋に強力なパンチを繰り出すものから、敵を引き寄せるワイヤー、炎を噴射する兵装、電撃を放つ装置、攻撃を防ぐ盾など、その種類はさまざま。強化を進めることで新たな機能も追加され、同じリージョンアームでも活用できる場面が増えていきます。

敵の集団を見つけたら、ワイヤーで一体だけ引き寄せて各個撃破する。接近してくる強敵に対しては、地面へ爆弾を仕掛けておびき寄せて倒す。盾で攻撃を防ぎながら強引に反撃するなど、選んだ左腕によって戦い方は大きく変化します。
好みのプレイスタイルに合うものを使い続けても構いませんが、敵の弱点や周囲の状況に合わせて切り替えるのも効果的。武器やレベルだけでは突破できなかった場面で、左腕の交換が思わぬ解決策になることもあります。
⑦ ボス戦は一戦一戦がドラマ
クラットでは、街を巡回していた巨大な警備人形や、人形たちの王を名乗る存在、石化病によって異形と化した怪物など、多彩なボスがPを待ち受けています。
身軽に動き回りながら連続攻撃を繰り出す相手がいる一方、巨大な身体から放たれる一撃で吹き飛ばしてくる敵も登場。同じ回避やジャストガードだけですべてに対応できるわけではなく、ボスごとに攻撃の間隔や安全な立ち位置を見極めなければなりません。
戦闘の途中で姿を変え、攻撃方法まで一変するボスも存在します。前半で覚えた動きがそのまま通用するとは限らず、追い詰めたところから再び攻撃を観察する緊張感を味わうことになります。

どうしても勝てない場合は、ボス戦を手助けしてくれるNPC「助霊」を呼び出すことも可能です。助霊に攻撃を引きつけてもらう、投擲アイテムで遠くから敵の体力を減らす、武器やリージョンアームを変更して戦法を変えるなど、正面からすべての動きを覚えて一対一で戦う以外にも突破口は残されています。
ボスの姿や戦闘場所にも、その人物が歩んできた過去や、クラットで担っていた役割が反映されています。戦っている最中には分からなかった行動の意味が、後から入手した記録やアイテムの説明によって見えてくることも。強敵を攻略した達成感に加え、その背景までプレイヤーの記憶へ刻まれるボス戦です。
スイッチ2『Lies of P:コンプリート エディション』公式サイトはコチラ⑧ 海外でも高い評価を受けた話題作
『Lies of P』は発売前から世界的な注目を集め、gamescom award 2022では「Best Action Adventure Game」「Best Role Playing Game」「Most Wanted Sony PlayStation Game」の3部門を受賞しました。
発売後も評価は続き、韓国最大級のゲーム賞「2023 Korea Game Awards」では、大賞を含む6冠を達成。DLC『Lies of P: Overture』も、Golden Joystick Awards 2025で「Best Game Expansion」を受賞しました。本編だけでなく、発売後に展開された前日譚まで高く評価されたことが分かります。
受賞歴だけで面白さが決まるわけではありません。それでも、「ピノキオ」の大胆な再構築やベル・エポック風の美術、緊張感のある戦闘が国や地域を越えて支持された実績は、本作に触れる理由のひとつになるでしょう。

⑨ DLCまで含めて物語を一気に楽しめる
『Lies of P: コンプリート エディション』には、本編に加えて前日譚DLC『Lies of P: Overture』が収録されています。
『Overture』の舞台となるのは、人形暴走事件によって完全に崩壊する前のクラット。本編で少しだけ語られていた事件を過去に戻って追っていくことになります。

伝説のストーカー「レア」を中心に、クラットの歴史と悲劇が別の角度から描かれます。本編では断片的にしか語られなかった人物や事件を知ることで、過去に見た場面や登場人物の印象まで変わってくるでしょう。
新武器には、本編には存在しなかった弓も登場。DLCで手に入れた武器やリージョンアームは、本編へ戻ったあとも使用できます。物語を補完するだけでなく、その後の戦い方まで広げてくれる前日譚となっています。

⑩ 次回作が発表された今こそ始めどき
『Lies of P』は本編だけでもひとつの物語として完結しています。しかし、物語の最後には、この世界がさらに広がっていくことを予感させる要素も残されました。
開発元であるNEOWIZは、『Lies of P』次回作の開発を正式に進めています。2026年に公開された資料では、プロトタイプ段階を終え、本格的な開発へ移行したことも明らかになりました。タイトルや発売時期は未発表ですが、すでに構想だけでなく、一本のゲームとして制作が進められています。
次回作で何が描かれるのかを予想するためにも、まずは主人公がどのような選択を重ね、クラットで何を知ったのかを確かめておきたいところ。シリーズの次なる展開を待つ今こそ、すべての始まりとなった物語へ触れる好機です。
童話「ピノキオの冒険」を再構築した物語、美しくも崩壊したクラットの街並み、嘘と真実の間で揺れる選択。さらに、武器の組み替えやリージョンアームを駆使し、強敵を打ち破る戦闘まで、ほかにはない本作ならではの魅力が詰まっています。
かつては難しさを理由に諦めてしまった人も、現在は3段階の難易度から自分に合ったものを選択可能。本編と前日譚をまとめて遊べる『Lies of P: コンプリート エディション』なら、クラットをめぐる物語や謎を途切れず一気に体感できます。
人形は嘘をつけない。それでは、嘘をつける人形は人間なのでしょうか。その答えが気になったなら、ニンテンドースイッチ2でゼペットの人形とともにクラットへ足を踏み入れてみましょう。
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