
Steamには、実にさまざまなタイプのSRPG(タクティカルRPG)があります。今回ご紹介するのは、ストリートカルチャーとSRPGを組み合わせた異色作『Canvas City』です。
本稿では、8月25日より配信された本作のデモ版をプレイし、その内容に迫っていきます。
ストリートに生きる若者たちによる、グリッド式のシンプルなSRPG
『Canvas City』は、体制に反発し、自分たちのカラーを示す熱き若者たちを操る、移動と攻撃を自在に組み合わせた作品です。
舞台となる「キャンバスシティ」は、多様なクリエイティブ・エネルギーを感じる自由な街でしたが、「ACU」という管理機構が統治するようになってから、アートも音楽も規制され、実につまらない都市に成り下がってしまいます。

「このままではアカン」と立ち上がったのが、「ファイア・スターターズ」。ダンサーやミュージシャン、グラフィティアーティストの若者たちが集まった組織が、変革をかけて戦います。
プレイヤーは彼らを操作し、敵対ギャングと戦ったり、ACUの統治を排除したりするのが目的です。
ゲーム部分はグリッド式のシンプルなSRPG。移動して敵に近づいて攻撃するという、『ファイアーエムブレム』などでお馴染みの見た目かつ操作感をしていました。
面白いところは、本作のキャラクターが皆ストリートに生きる若者たちということ。つまり、スケーターでありグラフィティアーティストであるという点です。

具体的にストリートをゲームデザインにどう落とし込んでいるかというと、まず本作は移動することによって攻撃スキルに使うコストが溜まります。
たとえば、最初に7の移動ポイントがあると、7つ移動するあいだにジャンプ台やスロープなどを通ることで、コストが充填され、多くの敵に攻撃することができるようになります。
ストリートに生きる若者にとって、動きそのものが芸術。相手を翻弄し、観る者を魅了してこそです。パルクールの精神を感じますね。

また、「確保スポット」という壁の前に差し掛かると、彼らはグラフィティを描きます。これの数が多ければ多いほど、初期攻撃コストが上がるので、積極的に通過していきましょう。もちろん、敵のギャングもこれを上書きしてくるので、テリトリーの奪い合いになるわけです。
SRPGにありがちな牛歩戦術ができないようになっているところもグッドです。

バトルの合間に訪れる拠点では、ガチャを回したり、アクセサリーやスキルの調整をしたりして、キャラクターを強化できます。また、特に効果はありませんが、グラフィティの模様を変更できるところも面白いですね。

といった感じで、SRPGに新風を入れようとしている意欲作なのですが、デモ版の現時点ではやや気になる点もありました。
ひとつは、移動と攻撃が組み合わさるというコンセプトは面白いのですが、いかんせん敵も味方も最後は近接攻撃(ないし数マス先の中距離攻撃)を加える必要があるため、結局のところいつものSRPGらしい団子状態になりがちです。
一方で、戦闘の序盤こそ大回りしてポイントを稼ぎ、強い攻撃を叩き込もうにも、敵味方の初期位置が遠すぎるため、用意された確保スポットに向かう以外に戦術がないのも、少々残念でした。

敵も味方ももっと大胆に動き回って、確保スポットを取るか・攻撃するか・回復するか・下がるか……などの択が常にグルグル回るようなゲームに、製品版ではなることを期待したいです(あとは、機械翻訳であろう日本語訳にも手が入ることを願います)。
ストリートの若者が体制に反対するSRPGというコンセプトは面白いので、気になる方はぜひとも触ってみてください。
『Canvas City』は、PC(Steam)にて配信予定です。












