
フリューが手がける『アノマリス/ANOMALITH』は、異常現象が発生する特殊空間「異界」を探索するサバイバルTPSです。
そんな本作が「東京ゲームショウ2026」に出展。会場で実際に試遊することができたので、本記事ではそのプレイレポをお届けします。
さらに後半では、本作の担当者へのミニインタビューも実施。企画が生まれた経緯やホラー表現、銃撃と「異形化スキル」の関係などについて話を伺いました。
不気味な「異界」を進む、意外にも正統派なTPS
紹介文から「アノマリー」や「異界」といった単語が並ぶ本作。独特な題材からクセの強いゲームを想像していましたが、実際に触ってみるとアクション部分は驚くほどシンプルで正統派なTPSという印象です。
今回の試遊では、作品冒頭を体験。異界化したビルの内部を探索。ハンドガンとサブマシンガンを手に、建物内を徘徊する敵を倒しながら奥へと進んでいきます。
銃撃の操作自体はオーソドックスで、TPSを遊んだ経験があれば比較的すぐに馴染めるはず。一方で、敵は見た目よりも耐久力が高く、ハンドガンであれば4~5発撃ち込まなければ倒せません。

もちろん、銃には弾の拡散があり、移動しながらだと集弾率が落ちるため、敵を見つけるたびに闇雲に撃ち続けるのではなく、限られた弾薬を意識しつつ戦う必要がありました。
異界の探索中には、倒した敵からアイテムがドロップするほか、道中に設置されたロッカーなどからも物資を回収できます。
なかには銃弾やグレネードなど、この先の戦闘へ直接影響するアイテムも存在。敵を倒して物資を拾い、部屋やロッカーを調べながら先へ進むゲームの進み方にはルートシューターに近いプレイ感がありました。
敵の耐久力が高めに設定されていることもあり、弾薬を見つけたときの安心感も大きめです。

シンプルなのに不気味な敵たち。銃撃戦に飛び込む「異形化スキル」も印象的
比較的オーソドックスなTPSのゲームプレイに対して、ステージや敵のデザインはだいぶ異質に感じられます。
特に印象に残ったのは敵の造形で、極端に複雑なデザインではなく人型ではあるものの、タイルや陶器の破片を組み合わせたようなテクスチャによる異物感はシンプルだからこそ不気味さを演出している気がしました。
「アノマリー」と呼ばれる異常存在や、同じく異常な空間を調査していく題材からは、個人的にSCPに通じる雰囲気を感じます。
そして、正統派な銃撃戦から一気に本作らしさを強めてくれるのが、主人公の使用する「異形化スキル」です。


普段はハンドガンやサブマシンガンを構え、敵へ弾丸を撃ち込んでいくのですが、スキルを発動した瞬間、戦闘には突然「異能力バトル」のような派手さも。
銃撃と異能力を最初から同列に扱うのではなく、銃を中心とした戦闘の中へ異形化スキルを差し込むことで、スキルを使った瞬間の特別感も強くなっていると感じました。
スキルを使用するとMPを消費するので、あくまでも銃撃戦がメインに据えられているところも個人的には好みです。
正統派なTPSとしての安心感、物資を拾うルートシューター的な楽しさ、そしてアノマリーを題材とした異質な世界観。短時間の試遊ながら、本作を構成する複数の要素を確認できました。
では、この異界とTPSを組み合わせた作品は、どのような発想から生まれたのでしょうか。ここからは、本作の担当者に企画の成り立ちや開発時に意識したポイントについて話を聞きます。
SCPやBackroomsから受けた影響も。“異界×TPS”はどう生まれた?『アノマリス』開発陣に聞く
――まず、本作の企画が生まれた経緯を教えてください。
フリュー担当者:開発チームに銃やTPSが好きなメンバーが多く、当初は『バイオハザード』のようなサバイバルホラーも企画の候補にありました。
ただ、正統派なサバイバルホラーをそのまま作っても、すでに多くの作品が存在しています。そこで開発メンバーが好きだった「Backrooms」や「SCP」といった、インターネット発のホラー表現を取り入れることになりました。
リミナルスペースのような奇妙な空間を歩く体験と、銃を使ったTPSを組み合わせたところから、本作の企画が始まっています。
――実際に遊んでみると、真っ暗な場所を進むというより、比較的明るい空間の中で不気味さを感じることができる作品だと思いました。
フリュー担当者:ジャンプスケアや、単純に暗い場所だけで怖がらせる作品には寄せすぎないようにしています。
明るい場所であっても、そこにあるものや空間の作り方によって怖さを感じてもらうことを意識しました。ただ、明るくしすぎると怖さがなくなり、逆に安っぽく見えてしまうこともあると思います。
そのため、どの程度の明るさであれば不気味さを維持できるのか、演出やライティングについては細かく調整しています。

――敵を倒したり、ロッカーを調べたりして物資を集める部分には、ルートシューターのような感覚もあります。意識している部分はありますか?
フリュー担当者:純粋なサバイバルホラーだけにすると、ゲームとして厳しい部分も出てくるため、物資を回収する要素などには『Escape from Tarkov』のような作品も一部参考にしています。
ただし、あまりハードコアなゲームにはしないように意識していますね。
キャラクターや世界観に興味を持って遊び始めた方が、システムの難しさによって途中で離れてしまわないよう、入りやすさとのバランスは大事にしています。
――銃撃を中心とした戦闘の中で、突然「異形化スキル」が登場する点も印象的でした。スキルはどのような位置付けなのでしょうか。
フリュー担当者:戦闘の主軸は、あくまで銃です。異形化スキルは銃に代わるものではなく、サブアタックや戦闘を補助する手段として設計しています。
例えば、弾薬を節約するために敵へのとどめとして使ったり、攻撃を回避できない場面でパリィのように使ったりすることを想定しています。
窮地を切り抜けるために使えるものや、必殺技のような強力な能力もあるので、銃撃と組み合わせながら、状況に応じて使い分けてもらえればうれしいです。
――アノマリーや異界のデザインは、どのように制作しているのでしょうか。
フリュー担当者:キャラクターやモンスターについては、最初から形を細かく指定するのではなく、必要となる記号や方向性をコンセプトアートの担当者へ伝えています。
そこから生まれたデザインを、ゲーム内でどのように見せるかを考えながらマップへ落とし込んでいきました。
ディレクターがもともとマップデザインを担当していたこともあり、コンセプトアートの印象を実際に歩ける空間として表現することには、特に力を入れています。

――マップを見るうえで、注目してほしい部分はありますか。
フリュー担当者:ゲームを進めるうえで必ずしも確認する必要のない場所にも、さまざまな要素を入れています。
例えば病院のポスターや天井など、細かなところまで見てもらうと、デザイナーが追加した遊びや表現を見つけられると思います。
指示されたものだけを作るのではなく、現場のデザイナーが自発的に追加しているものも多くあります。異界を探索するときは、ぜひ周囲の細部にも注目してみてください。
――ありがとうございました!
正統派なTPSをベースにしながら、リミナルスペースやインターネット発のホラー表現を取り込んだ『アノマリス/ANOMALITH』。
敵を倒して物資を集めるゲームのサイクルや、銃撃の合間に使用する異形化スキルが長時間の探索でどのように変化していくのか。異界の細部に隠された表現とあわせて、製品版で確認したいところです。
『アノマリス/ANOMALITH』は2026年10月29日にPC(Steam)/ニンテンドースイッチ2/PS5向けに発売予定です。











