元SIEワールドワイド・スタジオ(現・PlayStation Studios)会長のショーン・レイデン氏は、YouTubeチャンネル「The Expansion Pass」のインタビューにて、パッケージ版ゲームの重要性について持論を述べました。
パッケージ版廃止は最も熱心な顧客を遠ざけるリスクを背負っている!?
ショーン・レイデン氏は1987年にソニーへ入社し、創業者・盛田昭夫氏のアシスタントを務めた後、1996年にソニー・コンピュータエンタテインメントへ異動。その後はSCEAのCEOやSIEワールドワイド・スタジオ会長を歴任し、『Horizon』や2018年版『ゴッド・オブ・ウォー』の制作承認にも関わるなど、PlayStationを長きにわたって支えた人物です。

今回のインタビューの1時間6分ごろから、パッケージ版についてのレイデン氏への質問が行われました。氏はSIEが物理ディスクの製造を終了するという決定を下した背景にある要因については何も知らないと明言しましたが、コストと利益に基づいた決定である可能性が高いと述べました。
しかしながらレイデン氏は実店舗でパッケージ版を購入する顧客は市場全体の少数派ではあるものの、非常に価値の高い顧客層であると指摘しています。
同氏は「おそらく80%の人がダウンロードして、20%の人はダウンロードしないだろう。しかし、その20%は非常に重要なのだ。それは最も忠実なファン層と言えるでしょう。そういう人たちは、どのゲームでも2本買うことが多いですよね?1本はシュリンク包装から出さずに、もう1本をプレイするんです」と述べています。
近年のPS向けフルゲームソフトではデジタル版が販売本数の約82%を占め、カプコンでもゲーム販売の約9割がデジタルとなっています。一方で、販売本数ベースでは現在も一定の割合を物理版が占めています。
こうしたパッケージ版購入ユーザー層をレイデン氏は熱心な収集家になぞらえ、ゲーマーの根源的な欲求のひとつに「収集」があると指摘し、「私たちは好奇心旺盛で収集癖のある人間で、自分の持ち物を自慢するのが好きなんです」と述べました。
また、レイデン氏はゲームの所有権についても懸念を示しており、デジタル版について「もし物を売ることができないなら、それは物を所有していないということだ。そして、所有していないなら、一体何を買っているというのか?」「アクセス権を買うというのは、正直言って、あまり魅力的に聞こえません」とも述べています。
これらの点から、レイデン氏は「パッケージ版の廃止は、ブランドイメージと評判に大きな打撃を与えるものだ」と主張し、物理パッケージ版を無くすことには反対の意を示しています。
物理版を支持する層は市場全体では少数派になりつつあるものの、ブランドへの忠誠度が高い重要な顧客層だとして、ディスク廃止がブランドイメージや評判に与える影響を懸念するレイデン氏。今後、ゲームのデジタル化がさらに進む中で、「所有」を巡る議論も含め、その主張がどのように受け止められていくのでしょうか。










