XBOXのCEOを務めるアーシャ・シャルマ氏は、XBOX Wireおよび自身のXを通じ、ユーザーによるゲームの急速な移植・改変といった近年の技術動向に着目し、過去作品の再活用やプレイヤーの創作支援など、新技術がもたらす可能性を探求する新組織「XBOX LABS」の設立を発表しました。
ゲームの移植・改変にXBOXが見いだす可能性
今回、シャルマ氏は従業員向けのメッセージにて、ここ数週間でゲームが急速にデコンパイル・再構築されているとし、Windows向けゲームをApple Silicon上やブラウザで動かす例を挙げるとともに、「世界的な主要タイトルの多くが、別のゲームのソースコードに組み込まれるという現象も起きている」と述べました。
実際、最近では過去の作品をユーザーが未対応の機種向けに移植する試みなども見られ、権利者の許可を得ない、いわゆる“勝手移植”の話題もSNS上などで広がっています。
シャルマ氏は「優れたゲームへのアクセスを容易にし、古いゲームに新たな命を吹き込み、より多くのプレイヤーがクリエイターや共同クリエイターになれるようにすることで、大きな可能性が生まれるのは容易に想像できます」と言及。続けて「これらは既存のビジネスモデルを揺さぶるとしても、プレイヤーにとっては明らかに良い結果です」と評価しました。
そのような背景から設立された「XBOX LABS」は、ゲーム制作者やエンジニア、科学者からなる小規模なグループとされ、今後はプレイヤーや開発者が新たなアイデアを実際に体験できる形にしていくとのこと。オープンな環境で開発を進め、開発したツールは業界の開発者にも共有する方針としています。
また、同組織を率いるXBOXのCTO・Scott Van Vliet氏は、自身のXで「ゲームの未来を見つける最善の方法は、それを作ることです」とポストし、近く実験の内容を共有するとしました。
広がる“勝手移植”、権利者側はどう受け止めるか
今回の発表について海外掲示板Redditでは、ソースコードが失われた主要タイトルの復活や、ゲームの保存に期待する声も。一方で、個人による移植・改変は権利上の問題として止められるのに、大企業による同様の取り組みは許されるのかと疑問を呈する声も見られます。
個人による移植・改変・Modなどに権利者側が措置を取った事例として、過去には生成AIを用いて『Fallout』の舞台をニューヨークにして再現した作品や、『CoD: MW2』のデコンパイル計画に対し、ベセスダやActivisionが対応した例もありました(海外メディアKotakuより)。
国内でも、エムツーの代表取締役社長・ほりいなおき氏が、PS4/ニンテンドースイッチで遊べる『GGアレスタ3』のメガドライブ向け“勝手移植”を巡って反応。無料の移植版が販売中の作品と競合するほか、新たな展開にも影響し得るとし、「収益がゼロでも、我々の損失はゼロにならない」と、無許可公開を控えてほしい旨を述べています。
シャルマ氏も今回の声明にて、IPとそれを取り巻くコミュニティについて、責任を持って扱う姿勢を維持すると述べました。ただし、海外メディアThe Vergeが無許可のIP利用についてマイクロソフトにコメントを求めたところ、記事公開までに回答は得られなかったとのことです。







