
みやこめっせにて、「BitSummit the 13th(以下、BitSummit)」が2025年7月18日から20日にかけて開催されました。平安神宮近くで毎年開催される本イベントには、今年も多くのゲーム好きが来場。様々なゲームを一足早く体験していきました。
本稿では、そんなBitSummitに出展したゲームをご紹介。こちらでは『Altered Alma』のレポ&インタビューをお届けします。
「ネオ・バルセロナ」で繰り広げられるバトル、恋! がっつりしたシナリオが用意されたメトロイドヴァニア

『Altered Alma』はメトロイドヴァニアでありつつも、キャラクター同士でのADV要素なども用意されたタイトル。筆者が遊んだ限りではアクション要素も高めで、かつRPGらしいADV要素によって行われるストーリーへの掘り下げが印象に残るタイトルでした。

プレイヤーは主人公ジャックとなり、舞台となる「ネオ・バルセロナ」にて、冒険を繰り広げていきます。アクションはかなりがっつりめ。パリィや、刃の投擲先にテレポートする「刃転移」、そして派手でグロテスクなフィニッシュ「殺転移」などを駆使してゲームを進めていきます。


『Altered Alma』はアクション面もかなり凝ったタイトル。たとえば「刃転移」は移動などで、普通には通れない隙間や障害物を通過して移動できるようになる要素。新たなスキルを入手することで今まで進めなかった場所に移れるのはメトロイドヴァニアでは鉄板ですが、『Altered Alma』では「空中で刃転移を上手く使いダメージを受けずに移動する」など、プレイスキルが試されます。

雑魚相手でも、しっかり強化をしていかないと苦戦したりもします。これによってRPG的な強化が必要となるわけですね。敵のドロップを拾いつつサイバネティックMODでの強化やプレイスタイルの変更などをしっかり行って一歩ずつ前に進んでいくタイプのゲームです。
ちなみに、後述するインタビューでは細かく難易度調整が可能であるとも述べられたため「プレイスキルに極度に依存するなら難しい」とはあまりならないでしょう。しかし“ハードコアな難易度を望む”というユーザーにもうってつけなのは確か。

ADV要素には恋愛要素も加えられています。各キャラクターには好感度レベルがあり、しまいには付き合うことも可能だとか! あまりメトロイドヴァニア系では見ない仕掛けですね。

印象深かったのは、その為の会話がかなりしっかりとした重さを持っているということ。会話のテーマが「自分はこういう信条だけど、君はどうだ」と問うような感じなのです。これが良い! 表面的な会話ではなくしっかりと「ネオ・バルセロナに住む人間(エイリアン含む)たちと向き合っている」ような感覚を味わわせてくれました。

この「ネオ・バルセロナ」という要素もかなり重要になってきます。開発の2Awesome Studioはバルセロナに拠点を構えるゲームスタジオとのことで、故郷愛を持って『Altered Alma』の開発に取り組んだとのこと。SFでありつつも「世界に自分たちの文化を見せたい」という想いを抱いているようで、その想いを反映するかのようにかなり深く世界観の掘り下げが行われます。ちなみに、ボス戦ではなんとスペイン出身の芸術家、ダリっぽい顔も背景に登場しました!

『Altered Alma』はハードコアなアクションとビジュアルを持ちつつ、メトロイドヴァニアには珍しいRPGライクなシナリオを保有したタイトルでした。個人的にはバルセロナの開発チームが描く「ネオ・バルセロナ」にも興味がわきます。(Steamページによるとスペインの名所、サグラダ・ファミリアやグエル公園も舞台になるとのこと!)サイバーパンクなシナリオをがっつり楽しめるメトロイドヴァニアに興味を持った方は、配信中のデモ版を遊んでみてはどうでしょうか。
続いては2Awesome StudioのDavid Jimenezさんに行ったインタビューの模様をお届けします。
『Mass Effect』や「ブレードランナー」好きは気に入るという『Altered Alma』の世界
――あらためて、『Altered Alma』の紹介からお願いします。
David Jimenez氏(以下、「Jimenez」):『Altered Alma』は近未来のネオ・バルセロナが舞台の話で、色鮮やかな世界観とともに、独特なキャラがいっぱい登場する作品で、メトロイドヴァニアで一括りにはできないそのRPGらしいシステムや、デートシム的な要素もあります。今までのメトロイドヴァニアとは結構違う感じのものになっているのじゃないかなと思っています。例えば今回のプレイで味わってもらったADVパートや、短剣を投げてテレポートできるシステムなんかもメトロイドヴァニアではあまり見ないのじゃないでしょうか。
――ADVパートではキャラクターと奥深くまで信念を語り会うシーンが印象的でした。ボス戦では、スペイン出身のダリっぽい顔のイラストからビームが出ていましたね。『Altered Alma』では文化的な側面も重視されているのでしょうか。

Jimenez:2Awesome Studioはスペイン・バルセロナの開発なので、「世界に自分たちの文化を見せたい」という気持ちは強くあります。おっしゃられるようにデモ版最終戦のボス戦ではスペイン出身の芸術家らしき絵が出たりもします。また、それとは別に、ゲーム内に登場するダンサーさんの踊りとか、ゲーム内の音楽も地元のシンガーソングライターさんたちを起用しています。食事なども多く出てきますが、全部スペイン料理なんですよ。
――例えば日本がよくSFの舞台にされるように、本当のバルセロナをモデルにSFの舞台にされたのですね。
Jimenez:そうですね。「ブレードランナー」とか「フィフス・エレメント」とかのSF作品だと、やっぱり近未来的な都市は「ネオ・トーキョー」や「ネオ・ロサンゼルス」などになりますが……「ネオ・バルセロナ」じゃダメなのかと。無いのなら自分で作ろうと思い立ちました。ちなみに『Altered Alma』は「フィフス・エレメント」に似た感じで、宇宙人がいたりとかするので、エイリアンの人たちとも恋愛ができますよ。
――シナリオにも興味がわきました。その中には恋愛要素もありますが、彼らと仲を深めることによってストーリーに変化は生じるのでしょうか?
Jimenez:パブリッシャーのCRITICAL REFLEXさんが、『バイオハザード ヴィレッジ』や『Dead Space』に関わった有名ライターのAntony Johnstonさんとチームと一緒に組ませてくれて、今回のシナリオが出来上がりました。
そして恋愛については『Altered Alma』ではオプション要素で、やらなくてもいいのです。でも恋愛することによって、エンディングは変わらないものの、エンディングまでの道のりがちょっと変わったりする可能性はあります。誰かと恋に落ちることによって、それによって新しい武器がアンロックされたりとか、スキルやパラメーターが変わったりするのです。
もちろん恋人同士になれますし、色々な関係性で言うとハーレムも築くことができます。もちろん皆が皆ハーレムに賛成というわけではないので、怒るキャラもいるのですけれど。
――デモ版は高難易度でした。高難易度だからこそ遊びたいというユーザーもいるでしょうが、本作の難易度はどれ位を想定されているのでしょうか。

Jimenez:実はこのデモ版は、色んな要素を楽しんでもらいくて詰め込んだ結果、様々な順序がバラバラになってしまったのですよ。最初のボスも、実は7時間のプレイくらいで出会うボスなのです。そこまでプレイしていたらある程度立ち向かえますしね。
ゲーム本編に近いような体験版は年内には出す予定です。そしてゲームの難易度自体は、様々な項目で調整出来るようにします。たとえば落下ダメージの調整といったところから、キルの後に貰えるエネルギー量。色んな箇所で調整できるようになるので、好みで遊んでもらえればと思います。
デフォルトの難易度尾は開発者が想定するものなのですが、私にも父親としての生活があるので、ゲームをする時間が取れないこともあります。そういう時には難易度を低くしてもストーリーを見届けたい。そういう方は今のゲーマーにはいっぱいいるんじゃないでしょうか。もちろん、スライダーを全部高難易度に傾けて遊んでもらうことも可能ですよ!
2Awesome Studioのスタジオ方針として、ゲーマーに楽しんでほしい、困らせたくないという気持ちがあるので、『Altered Alma』に限らず他のタイトルでも、微調整ができたりとか、いろんな方法でゲームをクリアできるようにしています。これは意識した点ですね。
――『Altered Alma』はどのようなゲーマーに向いている作品でしょうか。

Jimenez:メトロイドヴァニア好きと、SFの世界観が好きな方。そしてRPG要素がしっかり含まれたSFゲームが好きな方にもどっぷりハマるのじゃないでしょうか。たとえば『Mass Effect』シリーズや「ブレードランナー」が好きと言う方は『Altered Alma』と「ネオ・バルセロナ」も好きになれるのじゃないかと思いますね!
――最後に、BitSummitについて感じたところなどあればお聞かせください。
Jimenez:過去2年、大きなイベントなどにも出ているのですが、BitSummitはサイズ感を含めて完璧ですね。目の前でプレイヤーさんが『Altered Alma』を遊んでくれて、それを自分の目で見れるのはやっぱり幸せです!
――今回は、ありがとうございました!
『Altered Alma』はSteamにて「近日登場」予定。現在、デモ版が配信中です。
¥4,530
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)













