GDC 13: カプコン伊津野氏が明かした『Dragon's Dogma』の企画が通るまで | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

GDC 13: カプコン伊津野氏が明かした『Dragon's Dogma』の企画が通るまで

カプコンがオープンワールドジャンルに挑戦した2012年の意欲作『 Dragon's Dogma (ドラゴンズドグマ)』。本作のディレクターを務めた伊津野英昭氏が、現在サンフランシスコで開催されるGame Developer Conference 2013(GDC)のセッションで、その知られざる開発経緯

家庭用ゲーム Xbox360

カプコンがオープンワールドジャンルに挑戦した2012年の意欲作『Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)』。本作のディレクターを務めた伊津野英昭氏が、現在サンフランシスコで開催されるGame Developer Conference 2013(GDC)のセッションで、その知られざる開発経緯やどのように企画が立案されていったかを語りました。

伊津野氏は1994年にカプコンに入社。『ストリートファイターZERO』シリーズや『Capcom Vs. SNK 2』といった作品に携わった後、会社より極秘に100万本売れるゲームを作るという指令を受けます。そこで新IPの対戦格闘ゲーム、Devil May Cry風のアクションRPG、コマンド式のRPG、シミュレーションゲーム、心理系の対戦ゲームまで、様々な企画を練り、2000年頃に『Dragon's Dogma』や“ポーンシステム”の原型に当たるRPGのアイデアが既に生まれていたというのです。





ところが、『Devil May Cry 2』のディレクター交代劇で自分に白羽の矢が立つというハプニングがあり、RPGプロジェクトはいったん凍結。2008年になって再びプロジェクトが再開し、伊津野氏はその当時作成した企画書を実際に披露しながら話を進めました。

キーコンセプトは、ネット上の掲示板(BBS)に書き込みをしたり、それに対するレスを見て楽しむ感覚をゲームに取り入れるというもので、企画名は『BBS-RPG』あるいは『ちょっとだけオンライン』。常に他のプレイヤーや世界とつながり続ける一般的なオンラインゲームやMMORPGと違い、自分が好きな時に、周りを気にしないで楽しめるのが特徴。これが、AIパーティーメンバーであり、自分で育ててオンラインで共有できる『Dragon's Dogma』の“ポーン”システムの原型です。





しかし、2008年は現在のようにスマホも普及しておらず、ソーシャルサービスも一般的ではなかったため、会社ではこの企画がなかなか通らなかったそうです。当時“CMC(カスタマイズ可能な傭兵コミュニケーション)”と呼ばれていたポーンを仲間と貸し借りするシステムは、カプコン社内のネットワークで実際に導入してみて、はじめて魅力が理解してもらえたと伊津野氏。

また、オープンワールドという新しいジャンルも開発における大きな課題でした。そもそも、オープンワールドというジャンル自体が日本ではあまり認知されていない時期で、伊津野氏は『The Elder Scrolls IV: Oblivion』、『Fable II』といった海外作品を例にとって、会社を説得。予算内で製品化するための、アイデアの規模縮小やデザインの変更についても明かされました。島々で構成され、かつ“無限の塔によって連結されるパラレルワールド”というあまりに複雑で壮大なワールド設定は、現在の大陸型マップに変更。





それまで社内にノウハウのなかった、キャラクタークリエイションシステムの作成にも力が注がれました。海外の大型RPGにも負けないような、カスタマイズ性と自由度を持ったエディターで、社内向けのプレゼンテーション映像を制作してまで導入に踏み切ったそうです。このキャラクターエディットの髪型のバリエーションも、予算的な理由により当初用意されていた数から大幅にカットされることに。

伊津野氏の講演中には、これらボツになった素材やアイデア、かつて池野氏が手がけた未公開のコンセプトアートが次々と披露。さらには『DmC』が発表された2010年の東京ゲームショウで公開を予定していたものの、クオリティー面で取りやめになったいわくつきのトレイラー映像も流されました。





このような波乱と試行錯誤を経て正式発表され、ユーザーの手に渡った『Dragon's Dogma』は、一番最初に目標としていた100万本のセールスを達成(その後目標は大幅に引き上げられていたそうですが……)。伊津野氏は、ユーザーの多くがゲームを複数回クリアし、続編を望んでいると報告。レビューの評価はばらつきがあったといえ、10年以上も前から温めた企画がようやく世に出たということもあり、感慨深いものがあるようです。

【関連記事】
『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』黒呪島に潜むモンスターの存在が明らかに
カプコン凄腕開発者の『Dragon's Dogma』“タイムアタックモード”ガチプレイ映像
「ハードモード」と「タイムアタック」を追加する『Dragon's Dogma』無料DLCが来月配信決定
最新アップデートで『Dragon's Dogma』に“イージーモード”が追加、PS3向けに新体験版も
カプコンの新作アクション『Dragon's Dogma』が世界100万本出荷を達成
Game*Sparkスタッフが選ぶ今週の1本!『TOKYO JUNGLE』『Dragon's Dogma』他
海外レビューハイスコア 『Dragon's Dogma』
《Rio Tani》

家庭用ゲーム アクセスランキング

  1. Xbox One本体アップデートでマウス・キーボード正式サポート!『フォートナイト』でも使用可能

    Xbox One本体アップデートでマウス・キーボード正式サポート!『フォートナイト』でも使用可能

  2. PC/PS4/Xbox One/スイッチ向け『鬼武者』ダウンロード版の予約受付が開始!

    PC/PS4/Xbox One/スイッチ向け『鬼武者』ダウンロード版の予約受付が開始!

  3. 『JUDGE EYES:死神の遺言』弁護士時代の八神を知る人々が公開―神室町が誇る膨大なミニゲームも一挙紹介

    『JUDGE EYES:死神の遺言』弁護士時代の八神を知る人々が公開―神室町が誇る膨大なミニゲームも一挙紹介

  4. PS4版『PUBG』12月7日より国内発売決定!2019年1月にはパッケージ版もリリース

  5. 【UPDATE】今から始める『Dead by Daylight』超初心者向け入門ガイド!キラー/サバイバーになって恐怖の鬼ごっこを楽しもう【特集】

  6. 『レッド・デッド・リデンプション2』噂検証シリーズ第4弾!ピストルでNPCの頭を爆破できる?

  7. PS4向けe-Sports仕様コン「レボリューション プロ コントローラー2 ホワイト」12月13日より国内販売!

  8. 『Fallout 76』事前ダウンロード開始!PS4版は52GB超に【UPDATE】

  9. 海外PS4版『Fallout 76』Day1アップデート容量は51GBと判明―海外メディア報道

  10. 『フォートナイト』一部モードでのグライダー再展開が無効にー「充分に期待に応えられなかったため」

アクセスランキングをもっと見る

page top