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20年の時を越える『シヴィライゼーション』の歴史-シド・マイヤーの生い立ちから最新作『Brave New World』まで

「あと1ターン・・・あと1ターン・・・」のフレーズと共に多くのプレイヤーを魅了するターン制ストラテジーゲーム『シヴィライゼーション(Civilization)』シリーズ、その歴史の1ターンを振り返って『シヴィライゼーション』がどのように発展したのか歴史を見てみましょう。

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派生するCivと『シヴィライゼーション3』

FIRAXIS Gamesを創設したあとシド・マイヤーは多くのストラテジーゲームを開発しました。シヴィライゼーションで科学の勝利(宇宙船を生産し、宇宙へ進出したことによる勝利)した人類が新たな惑星で繰り広げられるSFシヴィライゼーションと言える『シド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリ(Sid Meier's Alpha Centauri)』や南北戦争のゲティスバーグの戦いを舞台にした『Sid Meier’s Gettysburg!』などを制作します。彼はMicroProse社を去った時点でもうシヴィライゼーションを再び作ることはないだろうと諦めていましたが、MicroProse社がハズブロに買収されたことをきっけかにまた制作出来るようになりました。

そして創設時に作ったゲームの経験を基に『シヴィライゼーション3(Civilization III)』を制作し始めます、 『シヴィライゼーション3』では新たにグラフィックエンジンを改良したため『シヴィライゼーション2』よりも文明の数が減り、さらにCiv2であった世界遺産の動画はコストの都合で一枚絵になってしまいます。しかし、より洗練されたインターフェイスはだいぶ現在の形に近づきつつありました、そして『シヴィライゼーション3』は2001年10月30日に発売しました。『シヴィライゼーション3』はまたも発売時マルチプレイ機能がありませんでしたが、2002年10月31日発売の拡張版『プレイザワールド(Play the World)』でようやくマルチプレイが搭載されるようになりました。



Civ3では開拓者の一部機能を分離した労働者が追加され、低コストで地形改善(農地を作ったり、道路を建設したり)が出来るようになりました



Civ3の科学担当相(画像右上)はシド・マイヤーそっくり



Civ3のオープニングでは時代と共に変化していくバベルの塔が描かれている


一つの完成系となった『シヴィライゼーション4』

シヴィライゼーション4(Civilization IV)』の存在が明らかになったのは2003年12月ごろ、『シヴィライゼーション4』では『シド・マイヤー レイルロード!(Sid Meier's Railroads!)』や『Sid Meier's Pirates!』で使用したGamebryoのエンジンを採用しシリーズ初の3Dとなりました。その他にも宗教がより詳細になり様々な効果が追加され、初めからマルチプレイが搭載、初期文明数も18まで増加、CGではあるが世界遺産の動画復活、とまさに完成形と言える物となったのです。

こうして2005年10月25日に発売した『シヴィライゼーション4』はレビュースコア平均94点とシリーズ中最高値を出し、2006年には売り上げも全世界で100万本以上達成しました、さらに拡張版も『ウォーロード(Warlords)』、『ビヨンド・ザ・ソード(Beyond the Sword)』、『コロナイゼーション(Colonization)』(これは初期作の『Sid meier's Colonization』のリメイクに近い)と三種類もリリースされ、まさにCiv4時代はシリーズの黄金時代と言っても過言ではないほどでした。



今作ではシド・マイヤーがチュートリアルで登場しています。



Civ4では初の3Dとなり大きく視認性が向上しました



タイトル画面で流れる讃美歌をスワヒリ語で歌ったBaba Yetuは2011年2月にグラミー賞を受賞しました、この公式ミュージックビデオではCiv4とシヴィライゼーション レヴォリューションの映像を使用しています。


原点に戻り再出発する『シヴィライゼーション レヴォリューション』そして『シヴィライゼーション5』

『シヴィライゼーション4』は一つの完成した姿となりましたが、同時にシヴィライゼーションは複雑なゲームになった事を意味していました。そのためFIRAXIS Gamesはシヴィライゼーションの再定義、そして新規プレイヤーに紹介する意味を込めて家庭用向けの『シヴィライゼーション レヴォリューション(Civilization Revolution)』を制作します。過去にプレイステーションやSFC向けにシヴィライゼーションが移植されたことがありましたが『レヴォリューション』では移植ではなく新作として制作されたのです。

シヴィライゼーション5(Civilization V)』はこの『レヴォリューション』のコンセプトを引き継ぎ新たなシリーズの基礎として再出発した作品でもあります。このため『シヴィライゼーション5』は過去作で持っていた複雑な要素を思い切って以下の要素を廃止にしました。スパイと宗教の廃止(拡張で復活)、ユニットのスタック廃止(同じマスに軍事ユニット+軍事ユニットといった同じ属性のユニットが配置出来ない)、世界遺産が再び一枚絵に、そしてマス目が四角形から六角形への変更、と様々なことが変更になりました。 この変更は野心的なものであったため、この大きな変更に困惑する従来のファンもいました。『シヴィライゼーション5』は2010年9月21日に発売、Civ5は従来のシリーズに比べてシンプルに出来ていたため初めは否定的な意見も多くありましたが、大量のアップデートとシンプルな形で宗教とスパイを復活させバランスを大きく変更した拡張版『Gods and Kings』と交易や世界議会などを追加した拡張版『Brave New World』によってまた支持を取り戻してきたのはとても素晴らしいことです。



マス目が六角形になり戦術性が変化したCiv5



大陸の未開拓部分も暗闇から雲へと変化しました

シヴィライゼーションは誕生してからすでに20年以上経つ歴史あるゲームです、文明が時代と共に洗礼され伝播していくように、シヴィライゼーションもシリーズを重ねるごとに洗礼され伝播していきました。歴史を振り返ると多くの事が現代にまで伝わっていることがわかります、シヴィライゼーションの歴史も沢山の事がありました、そしてそれは開発者の「あと1ターンだけ」が作り出して来たものなのです。

※文中の誤字を訂正しました。コメントでのご指摘ありがとうございます。
《G.Suzuki》


ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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