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20年の時を越える『シヴィライゼーション』の歴史-シド・マイヤーの生い立ちから最新作『Brave New World』まで

「あと1ターン・・・あと1ターン・・・」のフレーズと共に多くのプレイヤーを魅了するターン制ストラテジーゲーム『シヴィライゼーション(Civilization)』シリーズ、その歴史の1ターンを振り返って『シヴィライゼーション』がどのように発展したのか歴史を見てみましょう。

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「あと1ターン・・・あと1ターン・・・」のフレーズと共に多くのプレイヤーを魅了するターン制ストラテジーゲーム『シヴィライゼーション(Civilization)』(略称でCiv)シリーズ、この作品が世に出てすでに20年以上経過しています。一時はRTS(リアルタイムストラテジー)によってターン制ストラテジーゲームが疑問視されていましたが、現在はその危機を乗り越え多くのターン制ストラテジーゲームが誕生しています、その歴史の1ターンを振り返って『シヴィライゼーション』がどのように発展したのか歴史を見てみましょう。


コンピュターゲームの父『シド・マイヤー』

シド・マイヤーは1954年2月24日、カナダのオンタリオ州サーニアで生まれ、そしてその後すぐにアメリカのミシガン州デトロイトへ移り住みます。彼は幼少時代をボードゲームや歴史物や鉄道物、飛行機物といった読書をしながら過ごし、その趣味は高校を卒業するまで続いていました。彼はミシガン大学に化学専攻で入学し、その勉強過程で触れたコンピューターに興味を持つと、段々とのめり込むようになっていきます。簡単なプログラミングの仕事が出来るぐらいまでになると専攻を化学からコンピューターサイエンスに切り替え、コンピューターサイエンスの学位を取得し、卒業した後メリーランド州の会社に入社しました。

会社で仕事をしながらAtari800を入手した後、空いた時間を使いプログラマーとして勉強をし始めました。仕事を二年続けた後、彼は友人と共同でMicroProse社を設立します。ゲーム会社を設立したものの1980年代当時はまだゲーム制作という仕事が世間で定着したわけではなく、いきなり仕事を辞めるのはリスクがあったので、仕事の空いた時間を使ってゲーム制作に充てるという仕事と並行しながらの出発でした。


『シヴィライゼーション』の誕生

少しづつMicroProse社で働く時間を増やし、MicroProse社が制作したフライトシミュレーターが売れ、軌道に乗りはじめると様々なシミュレーションゲームを制作しはじめます。会社を起ち上げてからずっとシミュレーションゲームを制作し続けたのですが、少しづつ考えが変わり始め、大人向けで少しプレイヤーに考えてもらうゲームを制作しようとした結果、『レイルロードタイクーン(Railroad Tycoon)』が誕生し、それが『シヴィライゼーション』へ繋がっていきます。『シヴィライゼーション』最初期のデザインはリアルタイムで進行するものでしたが、どうしても手が届き切らない感覚が残り、当時シド・マイヤーがプレイしていたターン制戦略ゲーム『Empire』の発想を合体させることによってこれを解決しました。

初代『シヴィライゼーション』と『シヴィライゼーション5』の間にゲームとして大きな違いはありません、どのシリーズも文明を選択し、マップの大きさを決め、AIの強さを設定してゲームを始めると初めに開拓者が存在します。そこから開拓する土地を決め、都市を拡張し、他の文明をすべて滅ぼすか宇宙船を作りケンタウルス座アルファ星を目指すことで勝利を手に入れます、インターフェイスこそ違えど基本は最新作と同じなのです。こうして初代『シヴィライゼーション』は14文明が入り1991年後半に発売されました。『シヴィライゼーション』は、発売して間もない頃はゆっくりと、確実にセールスを伸ばし始め、1992年にはゲーム業界における功績を称える賞であるオリジン賞を受賞しました。



地球誕生から始まるオープニング、日本で初代シヴィライゼーションはPC98版とSFC版が発売されました。動画はPC-98版。


ゲーム開始直後の画面、初期編成はシリーズによって小さな違いはあれど基本は変わりません。


FIRAXIS Gamesの創設と『シヴィライゼーション2』

シヴィライゼーション2(Civilization II)』の開発が始まったのは1994年、ちょうど初代シヴィライゼーションが発売してから3年ほど経った後でした。『シヴィライゼーション』は当時からほぼ完成されたゲームでしたが、『シヴィライゼーション』のマルチプレイ対戦の対応などプレイヤーから要望された機能は多数あり、そのためマルチプレイに対応させたシヴィライゼーションの『CivNet』の開発と並行して『シヴィライゼーション2』の開発が始まります。

Civ2は基本的な部分はほぼ変わりませんでしたが、戦闘、AI、外交、新ユニット、技術、文明、施設、担当相、インターフェイス(GUI)などが追加・改良され、その他にも世界の不思議(世界遺産)を建造すると動画が再生されるようになり、それは建造したプレイヤーにご褒美として良かったことと、現存する映像や写真を使うためコストが非常に安かったからです。 こうして初代『シヴィライゼーション』発売から5年後、1996年2月29日に発売し、多くの支持を得ました。しかし自ら設立したMicroProse社が軌道に乗り、段々と会社が大きくなってくるとシド・マイヤーはゲーム制作以外の仕事が多くなってきたのです、そのため彼はゲーム開発者の一員に戻るべく、そこでまた新しく会社を設立することを決定し、何人か『シヴィライゼーション2』コアチームの中から引き抜きを行います。こうして1996年にFIRAXIS Gamesが誕生しました。


シヴィライゼーション2の成功裏には当時同時期に発売されたOS「Windows95」の存在が大きいとCiv2のデザイナーであるBrian Reynolds氏は語っています。


Civ2ではマップの表示がクォータービューに変化し、Civ3にもこの視点は受け継がれました。



世界の不思議は実写で再生されるためCiv4とは違った印象があります。


Civ2では担当相も実写で表現されており、彼らも時代によって服装が変化します。



《G.Suzuki》

ミリタリーゲームファンです G.Suzuki

ミリタリー系ゲームが好きなフリーランスのライター。『エースコンバット』を中心にFPS/シムなどミリタリーを主軸に据えた作品が好みだが、『R-TYPE』シリーズや『トリガーハート エグゼリカ』などのSTGも好き。近年ではこれまで遊べてなかった話題作(クラシックタイトルを含む)に取り組んでいる。ゲーム以外では模型作り(ガンプラやスケモ等を問わない)を趣味の一つとしている。

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