Badger氏は6年前にグーグルに加わり、これまでにGoogle Maps、Google Earth、Google Bookなどのプロジェクトに携わってきました。現在は社内ベンチャーのNiantic Labsに在籍し、昨年から展開されている『Ingress』を担当しています。
日本ではコロプラが先駆者として展開してきた、GPSの位置情報を使って遊ぶ「位置ゲーム」(位置ゲー)ですが、『Ingress』はGoogle Mapsで培ってきた技術を活かしたグーグル版位置ゲーと呼べるようなプロジェクトです。
Badger氏は、インターネットの進歩で人々は家から出なくても生活できるようになってしまった、ソーシャルネットワークに囲まれてながらどこかに孤独を感じていると述べ、そうした状況を変え、出掛けるきっかけを与え、公園や公共施設などの場所に中心に人々が集い、ローカルな繋がりを生み出すような仕掛けとして『Ingress』が誕生したと述べました。
また、「Wiiリモコンでゲームデザイナーに新しい可能性が与えられたのと同様に、技術は可能性を広げます。ウェアラブルコンピューティングやARといった技術が何をもたらすのか、我々として模索する意味もあります」と述べ、この分野に対する最新のグーグルの取り組みの一つという位置付けであるとも明らかにしました。「Goolge Glassやスマートウォッチは5、6年のうちに当たり前になるでしょう。それに備えるということです」
『Ingress』はMassively Multi-Player Argument Reality Game(大規模マルチプレイヤーARゲーム)であるとBadger氏は紹介。ゲームのコンセプトは"いつも見ている世界が実は見たままとは異なる姿を持っているとしたら"というもので、スマートフォンを通じて世界を覗くことで、人々はジェームス・ボンドのようなシークレット・エージェントとなり、文明(Enlightened)と反体制(Resistance)の戦いに身を置くことになるのです。
ゲームでは現実世界にある芸術作品や建築物、銅像や彫像などの人類の業績を示すものや記念碑、歴史的な建造物に壁画、個性的な店舗や商業施設などが「ポータル」と呼ばれ、それを巡っての戦いとなります。このデータはGoogle Mapsのチームが蓄積してきたデータを元にしていて、そのため、世界中でゲームが楽しめます。
ユーザーが持つ「スキャナーデバイス(スマートフォン)」で地図上の周囲を調べるとポータルが表示されます。緑のものは「エンライテンド」に、青は「レジスタンス」に属しており、灰色のPポータルはまだどちらにも属していません。
ポータルの位置を確認したらまず近づき、射程内に入ったら「ハッキング」を仕掛けてください。これは、どちらの組織に属するポータルでも共通です。ハッキングにより、攻撃や防御、回復などの、ゲームを進める上で必要なアイテムを入手します。なお、敵のポータルをハッキングした場合は、アイテムだけでなく経験値も手に入ります。
このような流れで、アイテムを入手して経験を重ね、そして敵のポータルを奪う戦闘へと突入します。ポータルを奪還すれば、世界規模の勢力争いをわずかながらも書き換えることができるのです。
約1年間のクローズドβを終えた本作ですが、既に100万ダウンロードを達成していて、"ゲームを通じて生活を変える"というコンセプトも上手くいっているようです。実際に地元の公園に集まって皆で遊びながら友好を深めたり、「Agent Meetup」というようなオフ会的なイベントも各地で行われているそうです。
マネタイズについては慎重に取り組んでいるということですが、プレイを有利にする有料アイテムの販売は検討されているようです。その他は広告モデルが主軸になりそうで、特定の店舗などに誘導するような広告や、何か商品を買うことで手に入る特別アイテムなどのパートナーシップを模索しているようです。
『Ingress』は最初の一歩であり、今後も様々なアイデアを試していきたいとBadger氏は述べていました。また、Google Mapsのデータを使って位置ゲーを作るためのプラットフォームを構築し、サードパーティのデベロッパーが自由にゲームを開発できるようにしていくとのこと。
グーグル流の位置ゲー、プレイできるのは現在のところAndroidのみですが、体験してみてはいかがでしょうか? ダウンロードはこちら。
【GDC Next 2013】グーグルの位置ゲー『Ingress』が目指すもの、今後は位置ゲープラットフォームの構築も
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