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【RETRO51】須田ゲーテイスト満載!? 伝説のカルトゲーム『アウトフォクシーズ』で遊ぶ

ゲームデザイナー須田剛一とレトロゲームを探訪する連載企画「RETRO51」。今回は前回同様、グラスホッパー・マニファクチュアの新オフィスにて貴重なアーケードゲームを堪能しました。プレイしたタイトルは『アウトフォクシーズ』です。

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ゲームデザイナー須田剛一とレトロゲームを探訪する連載企画「RETRO51」。今回は前回同様、グラスホッパー・マニファクチュアの新オフィスにて貴重なアーケードゲームを堪能しました。プレイしたタイトルは『アウトフォクシーズ』です。

格闘ゲームブームの真っ只中、1995年に稼働したナムコ(現バンダイナムコゲームス)の『アウトフォクシーズ』。超個性的な7人の殺し屋が多彩なステージの中で死闘を繰り広げるというハードコアな内容の本作は、一部でカルト的な人気を獲得しています。

しかしながら、コンシューマー向けの移植は一切行われなかったため、現在でも一部のゲームセンター、もしくは基板を所持している人しか遊べない伝説のゲームとなっています。筆者もその名前と存在は聞いたことがありましたが、プレイしたのは初めてです。

まずは今回、この貴重なタイトルを選んだきっかけについて、須田氏に伺いました。


まさかの偶然の一致!? 須田ゲーとの奇妙な類似点



Game*Spark:
では、今日プレイしたもう一つのタイトル『アウトフォクシーズ』に移りましょう。こちらは前回の『源平討魔伝』と比べても非常に希少なタイトルですよね。私も名前を知っているだけで、プレイするのは初めてです。

須田:
これは完全にレアグルーヴです!コンシューマー向けの移植が一切されていない本当のお宝です。現在、基板にはプレミアがついていて、2万5千円くらいで売買されているらしいです。

Game*Spark:
しかしながら、正直なところ2万5千円では安く思えるほど素晴らしいゲームですね。ちなみにこの作品はどういった経由で知ったのですか?

須田:
コーエーテクモゲームスの『零』シリーズを手がけている柴田誠さんからですね。Wiiでリリースされた『零 月蝕の仮面』という作品でご一緒させてもらう機会があって知ったのです。基板は柴田さんより寄贈頂きました。

Game*Spark:
なるほど。柴田誠さんにオススメしていただいた経緯は?

須田:
柴田さんから「絶対に須田さんは好きです!」と言われたのです。

Game*Spark:
それは間違いないですね(笑)。「これは須田ゲーなんじゃないか?」と思わせるような要素がふんだんにありました。

須田:
簡単にゲームの内容を説明すると、7人の殺し屋から好きなキャラクターを選んで、タイマンで対戦して殺しあうというものです。その殺し屋のキャラクターがもうぶっ飛んでいて、才色兼備の女性、腕を機械化した黒人、毛皮のコートを着た双子の子供、ペットのトカゲと戦うポルノ女優から果てはチンパンジー!

Game*Spark:
ほとんど『killer7』のような世界観ですよね(笑)。

須田:
いやー本当にびっくりしました。さらに極めつけは殺人車椅子のプロフェッサー・チンというキャラクター。『killer7』の主役のハーマン・スミスも車椅子なんですよね。『killer7』を作った時、ビデオゲームの中で車椅子で動くキャラクターなんて、僕が初めて作ったと思っていたんですよ。

Game*Spark:
でも、実は既に存在していました(笑)。

須田:
あったんですよ(笑)。『アウトフォクシーズ』という大先輩が!もうびっくりするくらいカブっています。ここまで似ているとは思っていませんでしたから。

Game*Spark:
これ本当に偶然なんですか(笑)?

須田:
本当に偶然なんですよ(笑)。『アウトフォクシーズ』の存在を知ったのは、『killer7』を作った数年後のことです。

先ほどの柴田さんに「『killer7』って、『アウトフォクシーズ』の影響をどれくらい受けているんですか?」と聞かれたのです。僕は「『アウトフォクシーズ』って何ですか?」と応えると、「えっ!ご存じないんですか?」と驚かれましたよ。

確かに蓋を開けてみれば、『killer7』の出どころが『アウトフォクシーズ』にあると思われてもおかしくはありません。どちらにも7人の殺し屋が登場しますし、車椅子の殺し屋も黒人も登場します。さすがに双子の子供の殺し屋は登場しませんが(笑)。

Game*Spark:
実際に『killer7』が『アウトフォクシーズ』の影響を受けているといった指摘はなかったのですか?

須田:
業界やファンの方からは何のツッコミもなかったです。というのも、それくらいこの『アウトフォクシーズ』自体がまだまだ知られていないんですね。もうレアすぎて。だから今回、このRETRO51でぜひとも陽の目に当てたいですよ。紹介しても遊ぶ手段がないかもしれないですが、ひょっとしたら基板が売っていたり、今でも遊べるゲームセンターがあるかもしれません。

Game*Spark:
レトロゲーム専門のゲームセンターでは稼働しているところはあるかもしれませんね。


一部の隙もない圧倒的なクオリティ



さて、ここで『アウトフォクシーズ』の内容について軽く解説をしたいと思います。プレイヤーは7人の殺し屋から1名を選び、他の6人の殺し屋を倒していきます。戦闘は一対一のタイマン方式。この点だけ見れば、当時、全盛期を迎えていた格闘ゲームと同じように見えるかもしれません。

しかしながら、本作の特徴は多彩なステージ構成と武器の数々です。殺し屋たちはそれぞれ性能差がありますが、通常攻撃はさほどダメージが通りません。そこで勝敗の鍵となるのは武器の確保とステージでの立ち回りです。

ステージに散らばった武器をいち早く獲得して、有利な位置から攻撃するのが基本戦術となります。しかしながら、ステージ構成はどれ一つ同じものはないほど多彩。飛行機やクルーザーを舞台としたステージでは画面が大きく揺れ、キャラクターも振り回されます。

また時間経過と共にダイナミックにステージの様子が変化します。ビルのステージでは、屋上のヘリコプターが爆発して、足場が徐々に崩壊していきます。水族館のステージでは、残り時間が少なくなると水槽が破裂し、フロアが浸水していきます。水槽に泳いでいたサメやピラニアから攻撃を受けるなどのギミックも豊富。初回プレイ時は驚きの連続でした。

このように多様なステージ構成を把握しつつ、有利な武器で相手を出し抜くのが本作の一番の魅力でしょう。個性的な殺し屋たちはそれぞれ特殊な能力を持っているため、キャラクターごとの攻略法も様々です。8方向レバーとジャンプと攻撃の2ボタンだけのシンプルな操作系でありながら、その奥深さは少しプレイしただけでも理解できました。

ソロプレイでも十分に楽しいゲームですが、対人戦ももちろん可能(同キャラ戦はできません)。緊迫した武器や位置の奪い合い、硬直した状況を変化させるステージギミック、なめらかに動く精細なドット絵と手の込んだモーション、ケレン味にあふれる演出の数々、どこをとっても隙が全くないクオリティの圧倒的な名作です。

ひと通りプレイした後、須田氏にはゲーム内容と魅力的なキャラクターについて語っていただきました。


SUDA51も驚愕する超個性的な殺し屋たち



Game*Spark:
では簡単にゲームの内容を振り返ってみましょう。基本的には格闘ゲームと同じく、一対一で戦うタイプのアクションゲームですね。

須田:
対戦自体は簡単に言ってしまうと『大乱闘スマッシュブラザーズ』みたいな感じですね。操作は非常にシンプルでジャンプとアタックの2ボタン制。ワンマップのステージで武器を取り合いながら戦います。もちろん、キャラごとの通常攻撃や特性みたいなものもあります。それにしてもステージの多彩さが素晴らしいですよね。時間経過と共に変化していく演出も圧巻です。全ステージ紹介したいぐらいです。ドロップアイテムはステージのあちこちに散らばっていますね。

Game*Spark:
これもちょうど7個ですね。

須田:
本当だ(笑)。ガン、マシンガン、ロケットランチャー、火炎放射器、あとグレネードに刀、さらにムチ(笑)。ムチは拾いませんでしたね。

Game*Spark:
あとステージによっては人間大砲や石炭が武器になるようです。

須田:
もう本当に「なに考えているんだ!」っていう感じにぶっ飛んでいますね。ステージ構成はそれぞれの殺し屋に紐付いているようで、このキャラクター設定が輪をかけてぶっ飛んでいます。

Game*Spark:
せっかくなので一人ずつ紹介しましょう。

須田:
まず主人公のジョン・スミス。革ジャン着たニヒルな男ですね。占領下の日本の広島で生まれたという設定のようです。GHQの占領軍の士官の息子で、片目がない隻眼のようですね。

Game*Spark:
キャラクターセレクトの画面もかっこいですね。足を大きく開いて銃を構えています。

須田:
かっこいいですね。次が美女のベティ・ドー。

Game*Spark:
このキャラは10数カ国語を話せて、8つ以上学位を持っている超秀才という設定のようです(笑)。

須田:
めちゃめちゃデキる女なんですよね。しかも銃の腕も素晴らしいという。三人目がバーナード・ホワイト。片手が機械の黒人です。

Game*Spark:
この黒人はゴキブリも殺せない自然愛護主義者らしいです。もちろん、人間は殺します(笑)。

須田:
マジでぶっ飛んでる(笑)。さらに元ポルノ女優のイヴ。トカゲを操るキャラクターで、このトカゲも芸が細かい。実際にゲーム内で勝手に動いてグレネードを回収したりします。

Game*Spark:
攻撃を受けた時もトカゲが落ちて、後で戻ってきますよね。アニメーションが非常に凝っていて、モーションも多彩。

須田:
本当にヌメヌメ動きますよね。そして、『killer7』のハーマン・スミスがモロかぶりした殺人車椅子のプロフェッサー・チン。車椅子にも様々なギミックがあってマッド・サイエンティストっぷりが発揮されています。チンパンジーのドゥイーブで至っては、もう人間じゃない!背広着てバナナ持ってますけど(笑)。極めつけが双子の子供のダニーとデミ。これ男の子と女の子ですよね?

Game*Spark:
そうですね。男女の双子のコンビということらしいです。

須田:
「キャハハハハ!」とか笑いながら、ずっと手をつなぎながら戦っています。しかも、こいつら毛皮とか着ているんですよ(笑)。

Game*Spark:
恐ろしいキャラクターのラインナップですよね。いやまったくすごい設定。遊んでみた感じだと、どのキャラクターが好みですか?

須田:
やっぱりダニーとデミが絵的にも非常に面白いですね。くるくる回ったりしますから。ドゥイーブの生い立ちも知りたいですね。サーカス出身だとは思いますが、なんで人を殺すようになったのか(笑)。あとやっぱりポルノ女優のイヴがいいですね。イヴだけの物語を見てみたいですね。彼女だけでもハリウッドの映画とかでありそうじゃないですか。女性モデルがバウンティハンターになる『ドミノ』っていう映画があったじゃないですか。ポルノ女優出身だけど、そこからのし上がって世界とるみたいな。

Game*Spark:
ジョン・スミスは主人公キャラということで、わざと味付けがない感じですね。

須田:
そもそもジョン・スミスですからね。匿名性の高いキャラ。キャラ設定は少しずつおかしくなっていきますね。才女かつ射撃の名手のベティ・ドーあたりは、まだありえる感じですが、バーナードあたりからどんどん不気味な感じになってきますね。自然愛護主義者ですよ。暴走してますよね。いやー素敵ですね。

Game*Spark:
ところで須田さんは個性的なキャラクターを作るとき、どういうふうにアイデアを膨らませますか?『アウトフォクシーズ』を超えるようなぶっ飛んだキャラ設定を考えるのは難しいとは思いますが(笑)。

須田:
やっぱりアクションゲームだと、「どんな武器を使うのか?」というところから考えますね。見た目やスタイルに関しては、様々な雑誌や写真集を参考にします。そういった資料をバッーと見て、気になるのを付箋紙でつけ、そっからどんどん固めていく感じ。そんな感じで主人公を車椅子にしたいなっていう発想から、いつもはメイドに虐待されているといったキャラの背景が出来てきます。

Game*Spark:
キャラクター主導で世界観も決定されますか?

須田:
そういう場合もありますね。大枠の世界観はだいたい決めています。ただキャラを肉付けすることで深みが出て、密度が濃いものが出来上がってくる。

Game*Spark:
この『アウトフォクシーズ』もプレイしているだけで物語が伝わってきますよね。

須田:
ホントですよ。物語がかけますよね。


意表をつくラスボス戦、黒幕ミスター・アクメとの闘い



当日のプレイでは、主に対人戦を何度か行ったあと、ソロプレイにも挑戦しました。なんとか6人の殺し屋を倒すと、殺し屋を操っていたミスター・アクメ(!)がラスボスとして登場します。本作の黒幕のミスター・アクメは大金持ちの美術商。殺し屋達を利用した挙句、成功報酬をかけて互いに戦わせた張本人とあって、プレイヤーと正面対決することなく卑怯なトラップで応戦します。

番犬やサメといった凶暴な動物が潜んでいるアクメの屋敷を突破して、最上フロアに到達すると、アクメの婦人が待っています。大人しく報酬を払うかと見せかけて銃をぶっ放し、グレネードを投げてきます。逃げる婦人を追って屋上に到達すると、アクメ夫妻はヘリコプターに乗り込んで逃亡をはかります。そばに落ちているロケットランチャーでヘリコプターを撃ち落とすとクリアです。

何度も挑戦した結果、屋上までは到達できたものの、それまでに蓄積したダメージが多く、ヘリコプターは破壊できませんでした。しかしながら、対戦系のゲームのラスボス戦としては異例中の異例の展開。一つ一つのアクションが巧みに表現されており、ストーリーがはっきりと伝わります。

このように本作は対戦の面白さだけではなく、ゲームプレイを通して体感する物語性も魅力の一つです。キャラクターセレクト、リザルト画面、その一つ一つに映画のような個性的な演出が施されており、単なる「対戦ツール」を超えた体験を与えてくれます。須田氏にはそのような演出の数々について語っていただきました。


アクション映画の意匠を引き継いだ演出の数々



須田:
キャラ設定も素晴らしいですが、対戦系のゲームとしては演出がいちいち素晴らしい。ここにはナムコイズムを感じました。すべての演出がアートなんですよ。『源平討魔伝』には気品がありましたが、『アウトフォクシーズ』はなんと言ったらいいのかな。プログラムピクチャー系というかB級アクション映画のようなケレン味に溢れているというか。

Game*Spark:
やはり作っている人は映画などが大好きなのでしょうか?

須田:
絶対好きですね。アクション映画のお約束的な展開が網羅されています。水があふれて部屋がジワジワと水没していくとか、走っている列車の上で戦うとか。

Game*Spark:
パニックムービーみたいな演出ですね。

須田:
ステージが断面図になっているというのも表現も珍しい。後ろにヘリコプターが通過したり、手前にジェット雲が流れたり、背景も非常に凝っています。ヘリはミスター・アクメが視察に来ているという設定でしょう。本当に芸が細かい。これが本当に職人技というものですね。

Game*Spark:
それらのステージ演出がゲームプレイにも密接につながっているのもすごいですよね。水没した部屋では、しっかりとキャラクターが泳ぎ、トンネルを通過するとき列車の上にいると吹き飛ばされる。見た目や演出だけではなく、プレイしても普通におもしろい。

須田:
レベルの作り方というか、どんどんマップが時間経過とともに変化していく。そんなこと当時は思いつかないですよ。作るのも本当に大変だと思います。現場はとても嫌がりますよ。ビルの中で水位が上がってくるんですよ。水位が上がるってことは、水の中でのモーションや移動の処理を作る必要があるんですよ。しかも発想が完全に海外向けじゃないですか?日本人はほとんど登場せず、洋ゲーみたいなハードな雰囲気。

Game*Spark:
演出面で特に気になるところはありますか?

須田:
まず謎のボス、ミスター・アクメがテレビのモニターの砂嵐の中で映る演出。今で言うと映画の『ソウ』やゲームの『ウォッチドッグ』みたいな感じですね。こういったキレキレな演出は今でも色褪せない。

Game*Spark:
さらにリザルト画面というか対戦相手を倒した後の演出もいいですね。

須田:
普通は対戦相手にバツ印をつけたり、スト2みたいに顔がボコボコになっていたりします。しかし『アウトフォクシーズ』では、モニターに落書きしたり、チャンネル変えたり、ガラスを割ったり、キャラごとに異なるリザルト演出が付けられているんですよね。これは処理が大変ですよ。基板とはいえ、グラフィックスのパターンは全種類用意してますし、プログラマー泣かせでしょう。

さらに対戦時にステージのズーム処理もすごいですよね。距離によってズームイン、ズームアウトをほどこし、近寄るとかなり綺麗な描画で、遠ざかると小さなドットになりますね。また飛行機やクルーザーといったステージでは画面が揺れまくります。この処理も本当に大変ですよ。かなり高度なことを行っています。本当に芸術と呼ぶべきです。

Game*Spark:
ゲームのクオリティは本当に圧倒されます。ただ世界観がB級映画テイストにあふれていますね。その辺は須田さんのゲームにも似ています。

須田:
これは徹頭徹尾、ディレクターか誰かの一本通ったコンセプトが見えます。これがやりたいという明確な意思が表れている。そのため、エンターテインメントでありつつ、やはり一つの芸術作品だと思います。『源平』もそうですが、こういうゲームをプレイすると、襟を正してしまいますね。こういうすごいゲームが存在して、しかも日本人が作ったわけじゃないですか。この業界は本当にすごいなと改めて思いますね。

Game*Spark:
このままアニメ化しても面白そうですね。

須田:
イケますよね。これアニメになっても半端ないですよ。

Game*Spark:
私が好きな漫画作品に『ブラック・ラグーン』がありますが、その中に双子の殺し屋が登場します。これは明らかに『アウトフォクシーズ』へのオマージュだと言われていますね。漫画の内容も殺し屋がたくさん登場するB級映画のようなノリで。

須田:
『ブラック・ラグーン』はもともと漫画なんですね。アニメは知っていますよ。

Game*Spark:
そうですね、アニメ化もされています。ちなみに作者の広江礼威さんももともとゲーム業界出身ですね。アーケードの脱衣系パズルゲームのギャルズパニックなどのイラストを描いたりしていました。今見ると非常にありがたい感じがしますね(笑)。

須田:
そうなんですか。やはりこの業界は本当にすごいですね。

埋もれた名作をいかに伝えるか?

Game*Spark:
このような素晴らしいゲームが埋もれてしまっているのは本当にもったいないですよね。

須田:
なぜ移植されなかったのかの理由も知りたいですよね。

Game*Spark:
いろいろありえそうですよね。権利の問題もありそうですが、コンシューマーでは再現するのが難しそうな処理が多いですし。95年の作品なので初代PlayStationの時代ですね。

須田:
画面の拡大縮小や揺らしの処理などは、確かに再現するのが大変そうですね。

Game*Spark:
すべて2Dの表現ですが、2Dの中でも史上稀にみるゴージャスな処理をしているように思えます。

須田:
本当にすごいですね。今は3Dで作って自由にカメラを動かせますが、『アウトフォクシーズ』は画面の回転や拡大縮小もすべて2Dで処理していますからね。だからもう美しいですね。今の技術ではなく、当時の最先端の技術でやった美しさがあります。今の時代の3D技術で再現しても、その美しさは表現できないように思えますね。

Game*Spark:
あとは過激な描写は今では問題になりそうですね。子供が血しぶきを上げたり。

須田:
そうですよ、地雷踏みまくっていますよ(笑)。動物や子供を殺すという表現は、現在では一番タブー視されています。時代的にも97年に起こった酒鬼薔薇事件の前ですよね。この表現はちょっとコンシューマーではできないでしょうね。

ということで探すのが大変だと思いますが、RETRO51の読者の皆さんにはぜひとも遊んでほしいタイトルです。

Game*Spark:
いっそのこと、須田さんが作ればいいんじゃないですか(笑)。

須田:
僕は……。もう少しゆとりがあったら(笑)。

Game*Spark:
正直、これこそクローンゲームでもいいから遊びたいですよね。システムはそのままでキャラクターだけは違うみたいな。今でも絶対に面白いですから。

須田:
こういった作品は、今だとぜひともインディーの方に作ってみてほしいですよね。

Game*Spark:
ちなみに画面が揺れる表現に関しては去年リリースされたインディーゲームの話題作『ホットライン・マイアミ』でも見られますね。主人公が倒れて病院に運ばれた後、抜け出すステージで画面がグラっと揺れるんですよね。

須田:
確かに見た目は『ホットライン・マイアミ』に似ていますよね。2Dドット表現であり、ブラウン管モニターを再現したようなザラつきなど。『ホットライン・マイアミ』も初めて見た時驚きましたね。こいつら本当に頭おかしいのではないかと。『ホットライン・マイアミ』もよく指摘されるんですよね、グラスホッパーのゲームに似ていると。

Game*Spark:
そうですね。だからぜひともインディーの方には『アウトフォクシーズ』のようなゲームを作っていただきたい。

須田:
『ホットライン・マイアミ』は去年リリースされたものとしては、世界的にもインディーゲームの象徴する作品になっていると思うんですよ。だけども、インディーというわけではないですが、『アウトフォクシーズ』は『ホットライン・マイアミ』に負けないようなぶっ飛んだゲームをナムコというメジャーな会社が作っていたということが素晴らしい。それも20年前くらいですよ。既にこんなすごいゲームが存在していたわけですよね。いやーこれを紹介せずにはいられない!

Game*Spark:
私もこんな機会で遊べるとは思っていませんでした。伝説のゲームとして名前だけは知っていましたが。

須田:
いやー本当に伝説の名に恥じないですよね。僕らの想像の領域を超えていましたね。これは大会を開きたいぐらいですね。今の若い人たちにぜひとも知ってもらいたいし、今後も何か続報があったら取り扱っていきたいなと思います。まさに神ゲーですよ。今後もRETRO51では、このような神ゲーを発掘していきたいですね。

Game*Spark:
これを超えるのは難しいです(笑)。

須田:
もうツートップやっちゃったからな(笑)。

《Shin Imai》

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