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【PS4発売特集】データで見るPlayStation 4、日本のユーザーはどう迎えた?・・・ゲームエイジ総研

本記事はゲーム専門の調査会社、ゲームエイジ総研の寄稿によるもので、Game*Sparkの姉妹誌GameBusiness.jpで連載されていたデータで見るゲーム産業のいまの番外編となります。

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本記事はゲーム専門の調査会社、ゲームエイジ総研の寄稿によるもので、Game*Sparkの姉妹誌GameBusiness.jpで連載されていたデータで見るゲーム産業のいまの番外編となります。

約1年振りにこのコーナーを再開いたします。今後は不定期連載になりますが、随時有益な情報を提供してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、連載再開1回目は来る2月22日にいよいよ発売されるPlayStation 4(以下『PS4』)をはじめとした次世代コンソール機を取り上げます。

PS4は、既に昨年11月に発売された欧米市場を皮切りに、各国で非常に好調なスタートを切っておりますが、主要マーケットのひとつである日本は約3ヵ月遅れほぼ最後発となります。これ自体が過去に前例がないことですが、国内のゲームユーザーにはPS4の発売を心待ちにしている人も多いことでしょう。

そこで今回は、このPS4に対する国内ゲームユーザーの期待度に関する当社の調査結果から、PS4が持っているマーケットポテンシャルについて考察したいと思います。

それでは当社の国内調査データをご紹介する前に、先行して発売された欧米市場において、このPS4とXbox Oneがどのような評価を受けているかをお伝えします。これについては、イタリアに本社を置きゲームのローカライズを主業務とする【ビナリソノリ社】から現地の生の声が届けられておりますので、それをご紹介いたします。なお、このレポートは昨年11月下旬に寄せられたものです。従って、欧州ではまだPS4がロンチを迎えていない段階で書かれたものですので、一部市場予測を中心にまとめられているところがあることをあらかじめお断りしておきます。

■1.高まるPS4とXbox Oneに対する期待

ヨーロッパは伝統的にソニーがコンソールの売り上げをリードしてきた市場です。 3700万台ほどの売上を達成した初代PlayStationは、NINTENDO 64(630万台)やセガサターン(110万台)を大きく引き離しました。その次の世代のコンソールに関しても同じ現象が起き、PlayStation 2は5500万台以上を売上げ、ヨーロッパで史上最も売れたコンソールになりました。それに対し、Xboxは720万台、ゲームキューブは450万台、ドリームキャストは190万台の販売にとどまりました。

現世代機市場において、任天堂はWiiで大きな成功を収めソニーに追いつきましたが、マイクロソフトはXbox360がPS3よりも売れた北米での成功を欧州では再現できませんでした。ヨーロッパではXbox 360よりPS3の方が普及しており、更に最近数か月はWiiよりもPS3の方が売れています。

これらの理由からヨーロッパはPlayStationフォーマットの牙城と考えられており、次世代機においても状況は変わりそうにないというのが市場関係者の大方の見方です。多くのヨーロッパの小売りがPS4に対する需要は非常に高いものがあるとコメントしています。あまりにも人気が高く、8月初旬にはソニーが小売りに対し発売当日の十分な出荷量が保証できないため、PS4のプリオーダーの受付をやめるよう伝えたほどです。言い方を変えれば、PS4は発売日以降数週間、完全な品切れ状態になることが予想されているということです。この記事を書いている段階で、イタリアとフランスの小売数店舗に聞いてみましたが、予約していないユーザーがPS4を買えるようになるのは早くて“2月か3月頃”とのことでした。

■2.欧州各国の反応

次世代機の初期購入者の割合は欧州諸国間でそれほどの差はないと思われますが、過去にソニーの存在感が強かった国々(スペイン、フランス、イタリア)においてPS4は特に健闘するものと思われます。一方、Xbox Oneは、今でもヨーロッパ最大のゲーム市場であるイギリスでは健闘すると見られています。業界の関係者の中にはイギリスではXbox Oneの方がPS4よりも売れるのではないかと予想する人もいます。そういう人の中の一人、John Lewisというデパートチェーンのhead technology buyerであるJonathan Marsh氏は、“過去の経験から、Xbox Oneの同発ソフトは我々の顧客に大変魅力的に映ることが分かっている”と述べています。

一方ゲームジャーナリストたちは、ほぼ全員がPS4はXbox Oneよりも大きな成功を収めると予想しています。”イタリアの小売から聞く限り、PS4はXbox Oneの4倍の予約を集めています”と、世界で最も売れているゲーム雑誌Game Informerのイタリア版編集長Matteo Bonassiは語ります。”個人的にはXbox Oneのロンチタイトルの方がずっと強力だと思いますが、イタリアの顧客にとっては価格設定が非常に重要です。それに、伝統的にイタリアではPlayStationの名前はとても強力なものです。”

Edge magazine、EGM、GamesTMなど著名な雑誌で記事を書いているベテランゲームジャーナリストのThomas Puha(フィンランド在住)は、北欧市場についてこう語っています。”当地の人々はとにかく新しいハードが欲しいのです。一般的に人々は新しいものが大好きなのであって、そういう意味でロンチタイトルはさほど重要ではありません。新しい強力なコンソールが出るということ自体がエキサイティングなのです。これらのコンソールがオンラインで提供するサービス(ダウンロードゲーム、F2Pゲーム、特にNetflix、Viaplay、HBOなどから提供されるストリーム式の映画)こそが大変重要であり、それらがロンチ時に利用できることが大切だということを認識すべきです。その上で言えることは、PS4が素晴らしいスタートを切ることは疑いがないということです。すでにPS3のロンチ時の販売数を超えています。PlayStationが常にヨーロッパで人気があったことを考えると、これは特に驚くには値しませんが。“

ヨーロッパにおけるソニーの圧倒的な人気の唯一の例外と言える国はオランダです。”Xboxブランドは伝統的にオランダでとても強いのです。マイクロソフトは現在市場の45%弱という圧倒的なシェアを誇っています。これは他のほとんどのヨーロッパの国々をも上回ります”と、ビデオゲームをテーマにしたヨーロッパのTVショーで最も成功したものの一つGameKingsで司会を務めるBoris Van der Venは言います。オランダの国境に近いドイツの電化製品店ではすべて売り切れとなっています。また、オランダのゲームショップはXbox Oneと対応ゲームをヨーロッパの他地域から輸入して売っています。Amazon.de(ドイツのアマゾン)は何千台ものXbox Oneをオランダのゲームユーザーに販売しています。このことは多くのビジネスを失うことになるオランダの小売業の人々を怒らせています。

マイクロソフトがこれらの地域で正式にハードを発売することになった時、オランダで発売時の盛り上がりを再び演出することは大変難しいでしょう。オランダの業界人の間の共通認識は、マイクロソフトはソニーを大変恐れており、そのためXbox Oneの在庫の多数を自分たちにとって最も重要な市場、すなわち北米に振り分けることにしたのだろう、というものです。オランダのゲームユーザーたちも同じように感じており、この決定をこころよく思っていません。これはマイクロソフトのイメージを損なうものです。”
《ゲームエイジ総研》
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