既に報じられたように、飛び出す絵本のようなアドベンチャーゲーム『Tengami』が先日2月20日にリリースされました。本作は日英独の3名のクリエイターによるインディー・デベロッパー、ニャムヤムのデビュー作となります。メディア用のプロモーションコードを頂いたので、筆者のiPhone5でプレイさせていただきました。
開発段階からセンス・オブ・ワンダーナイト(2012)やIndieCade(2012)などでノミネートされ評価を集めた本作。フラットかつ和風というその独特な美しいビジュアルは既に折り紙つき。気になるのは、このビジュアルがどのようにゲームプレイと融け合うのか。
ジャンルとしてはシンプルなポイント&クリックアドベンチャー。ダブルタップで主人公を操作して、気になった部分をタッチします。可能な限りテキストは廃されており、プレイヤーは四季を感じさせる美しいステージを堪能します。ステージの幕間に短歌が詠まれるのも印象的、まさに行間を楽しむ侘び寂びに満ちたゲームです。
プレイして感じた印象としては、一見、和紙のような2Dのビジュアルながらも、ステージ自体は3D的に構成されている点。最大の特徴である「飛び出す絵本」のようなギミックと合わせて、この3Dのステージ構成はいくつかのパズル要素と絡んできます。
ビジュアルには癒やされるもののパズルには骨を折る......
パズルは、主人公の移動場所を作ったり、数字の暗号を説いたりするといったオーソドックスなもの。癒し系なビジュアルですが、パズル自体は意外と骨に応えました。スムーズにパズルが解ければ、2、3時間でクリアできるコンパクトなボリュームですが、パズルに詰まるとなかなか先に進めず、時間を取られます。
この点、主人公の移動速度がやや遅いのが気になりました。パズルを解くためにプレイヤーはステージを動き回る必要があるのですが、移動速度が遅いため、イライラしてしまう場面があります。スーパードンキーコングシリーズなどを手がけたデビッド・ワイズ氏の音楽も純和風でゆったりとしているだけに、パズルに詰まってくるとゲームプレイの単調さは無視できなくなります。
しかしながら、独自開発したツール「ペーパーキット」で表現される飛び出す絵本のインパクトは、新たなUIの可能性を感じさせてくれます。本作だけではなく、今後もこのツールを利用したアプリやゲームがあれば、ぜひ触ってみたいと思います。
また日本のスマートフォンというプラットフォームで、本作のようなアーティスティックな作品をリリースすることは、非常に野心的です。本作が日本のユーザーに受け入れられることで、今後もスマートフォンでインディーゲームがリリースされることを期待したいです。
筆者自身はiPhone5でプレイしましたが、操作性の点でも美しさの点でもタブレットを推奨します。iPadを持っていて、古風かつ斬新なUIとビジュアルを味わってみたい方にはおすすめしたい作品です。現在はApp storeにて500円で販売されていますが、今後、さらにWii U e-shop、 Windows、OS X向けの発売を予定しているそうです。
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