ハンズオンデモで体験できたのはストーリーモードの一部とその中で遊べるCo-opチャレンジ、そしてプレイヤー同士で楽しむCo-op対戦モード。最大4人での協力プレイが可能な本作ですが、今回はツーマンセルでの挑戦でした。ゾンビゲームにゾンビ映画、ゾンビIPにくびったけな筆者はゲーム開始前からテンション最大。パートナーとなるプレイヤーと笑顔で顔合わせした後、ヘッドセットを通して操作方法の説明を受けました。
基本操作は大抵のFPSとほとんど同じでしたが、特筆すべきは本作におけるジャンプキー。ぶら下がったり壁を登ったり、爽快なフリーランニングを全て1つのキーで実行できます。ジャンプした先に掴めるオブジェクトが存在すれば、キーを押しっぱなしにすることでぶら下がることが可能。ジャンプで届かない壁も押しっぱなしでよじ登ることができます。壮大なオープンワールドで建物の屋根から屋根へ自由に走り回れるパルクールアクションは爽快の一言。
本作では『Dead Island』同様に武器をクラフトする機能が備わっていますが、今回のデモプレイで使用できるのはあらかじめ用意された数種類の近接武器のみ。無骨な鈍器や炎をまとった手斧など、4種類の凶器が用意されていました。力任せの脳筋筆者はハンマー一択。ゾンビの頭を次々と叩き潰していく鈍器プレイは恍惚の境地そのものでした。しかし銃が撃ちたくてたまらなかったので開発者にどこにあるのか聞いてみると、なんとデモには登場しないとのこと。テンションはたちまちゾンビ状態。
Co-opでストーリーモードをプレイ中は、ストーリー進行中のところどころでCo-opチャレンジと呼ばれる仲間同士での競技が出現。全員が承諾するとミニゲームが始まります。ゾンビの殺害数を競い合ったり、指定されたゴールポイントまでひたすらかけっこしたり、物語本編の道中に挿入されているので進行の妨げになりません。筆者はパートナーを殴り殺して不戦勝をもぎ取ろうとしましたが、すたこらさっさと逃げられてしまいました。
『Dying Light』では、日中と夜間はまるで別世界です。夜間は闇に包まれ視界を奪われるだけでなく、昼間はおっとりしていたゾンビたちも一変。水を得た魚のようにアクティブな動きで執拗にプレイヤーをつけ回してきます。ゾンビの群れから逃れるためにはフリーランニングをフル活用して可能な限り高所へと非難しなければいけません。しかし、真の恐怖はここからです。
ゾンビ以上に恐ろしいのはハンターと呼ばれる闇夜の強敵。素早い動きで建物から建物へ飛び移り、予期せぬ方向からプレイヤーに飛び掛ります。マウントを取られると即死ですが、特殊なフラッシュライトを照射することで怯ませることができると同時に、ハンターが必殺攻撃を出すのに必要なエネルギーを奪うことができます。夜間にのみ発生するこのハンター強襲イベント。実は対戦モードなのです。
本作ではキャンペーン進行中に他プレイヤーによる乱入が可能。ハンターとなって人間プレイヤーの行く手を邪魔することができます。今回襲撃してきたのは開発者の1人。人間チームが全員承諾すると生き残りをかけた殺し合いの始まりです。メンバー共有のリスポーン回数を使い切るまでに、周囲に点在するハンターの巣を全て破壊すればサバイバルに成功。ハンターは倒されても巣が全滅するまでは何度でも蘇ることが可能です。
闇夜でも視界を確保することができるハンターはプレイヤーに忍び寄り一撃で息の根を止めようとしてきます。そこで活躍するのが人間チームが持つスキル「ナイトセンス」。周囲に音波のような振動を発生させ、一定時間ミニマップでハンターと巣の現在地を確認することができます。ハンターの位置を把握したら、死角を減らすためなるべく壁伝いに移動。敵の巣に向け鈍器掲げてフリーランニングで駆け抜けました。
ハンターの巣は本体の形状にそっくり。結構硬いのでハンマーでかち割ろうにも時間がかかってしまいます。その間背後は完全にお留守の状態。にじり寄るゾンビの魔の手と迫り来るハンターの恐怖から生き残るには仲間との協力プレイが必須です。先ほどまでCo-opチャレンジで争っていた筆者とパートナーでしたが、気がつけば暗黙の了解でお互いの役割を全うしていました。1人が巣の破壊に専念している最中はもう1人がハンターをぴったりマーク。ライトの照射と鈍器のタコ殴りで動きを封じます。
その後、幾重にもわたる攻防を繰り返してハンターの寝床を全て破壊。人間チームが何とか勝利を収めました。ハンズオンデモはここで終了。本編に挿入されているこの対戦モードですが、乱入を許可するユーザー範囲は任意で指定できるとのことでした。見知らぬプレイヤーからの挑戦を受けてもよし、フレンドからの干渉のみを許可してもよし、もしくは邪魔されたくないユーザーは対戦機能をオフにすることも可能です。
最後に、本作のゲームデザイナーを務めるTechlandのMaciej Binkowski氏にわずかな時間を設けてミニインタビューを実施。現在の進捗状況や開発の思い出を語ってもらいました。「ゲームはほとんど完成しているよ。来年2月までの余った時間で、より洗練された作品に仕上げられるように最終調整しているんだ」と語り、現在はベータテストの段階であることを打ち明けました。
さらに開発にあたって最も楽しかった部分を質問すると、「やっぱり何と言っても自由なアクション性だね。フリーランニングでどこへだって行くことができる。これ作るのメチャクチャ大変だったんだ。だけど本作で最も楽しい要素であることは間違いないよ」と笑顔で答えてくれました。発売延期の理由でもあった、オープンワールドにおける自由な移動の実現。彼の顔からは達成感が伝わってくるようでした。
オープンワールドゲームの醍醐味である探索に新たな翼をもたらす本作のフリーランニング。ゾンビであふれる終末の世界を自由に走り回れる『Dying Light』は、Warner Bros. EntertainmentからPC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360を対象に、海外で2015年2月のリリースを予定しています。箱庭ゲームの革新にあふれる期待が尽きません。
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