『The Sims 4』ギャラリーの言語規制に同性愛者への排斥意図はない、問い合わせにEAが回答

ゲーム内でゲイカップルも演出できる『The Sims 4』ですが、シムを共有するためのギャラリーで同性愛者を指す言葉の使用が規制されているとの報告がありました。海外メディアの問い合わせに対して、Electronic Artsが回答しています。

ゲームコンテンツに矛盾するようなこの仕様を報告したのは、ドイツの『The Sims 4』ユーザー、Anna Eichenauer氏。”gay”や”queer”、”homosexual”といった同性愛者を意味する言葉をシムの名前や説明文に含めることで、禁止用語を警告するエラーメッセージが現れるケースを動画内で詳しく検証しています。

海外サイトKotakuによると、問い合わせに対してElectronic Artsは次のように説明しています。「The Simsには、性的嗜好に関係なくプレイヤーが望むストーリーを提供してきたという長い歴史があります」「ギャラリーには、例に挙げられたような特定の単語を弾くようにプログラムされた自動フィルターが使われているのです。我々は事態を把握しており、現在早期解決に向けて対応しています」

反同性愛を政策として掲げるロシアでは成人向けゲームの認定を受けた本作ですが、Electronic Artsが同性愛者の平等な権利を支持していることは周知の事実で、2013年にはLGBT（レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーを指す略語）プライド月間を称えています。それ以前には、同性愛婚に賛同する共同体にも参加を表明しているほか、99年にリリースされた初代『The Sims』や『Mass Effect』では、同性愛者を扱ったコンテンツを業界内で率先して世に送り出しています。

先月、本作のエグゼクティブプロデューサーを務めるRachel Franklin氏がインタビューで語っていたように、多様なバックグラウンドの人間を尊重する職場を特徴としているElectronic Arts内の開発元Maxis。今回報告された言語規制は、セクシャルマイノリティーを排斥する意図に基づいたものではなく、同性愛者に対する差別発言や誹謗中傷を未然に防ぐためのものではないかとの見方も伝えられています。

《河合律子》