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【俺の電子遊戯】第3回 ファミコン少年野球団

アナログからデジタルまで野球ゲームにもどっぷり漬かっていた私にとって、ファミコンの『ベースボール』も6球団しか選べなかったが、野球ゲームとしては当時最先端でお気に入りだった。

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    73年生まれ。インベーダーが日本中を侵略した頃、小学生だった筆者の目に映ったビデオゲームは間違いなく「未来へのパスポート」だった。その魅力に取り憑かれ、気づけば不惑の40代となったオッサンが、ビデオゲームと共に過ごした30年を語る連載。前回の記事はこちら

'86年の日本シリーズ

授業中、携帯ラジオのイヤホンを制服の袖に仕込み、ほお杖をつく感じで手を耳に当て試合の状況を確認する。ラジオの受信状況をよくするため窓際の席と変わってもらい、試合が動くたびに野球好きのクラスメートに手紙を回す。この年の日本シリーズは、第8戦までもつれ込み、プロ入団1年目の清原が所属する西武が広島を下し日本一に輝いた。

『ベースボール』と『ファミスタ』

Jリーグもないこの時代、プロスポーツといえば、プロ野球が一番人気だった。エポックの「野球盤」、タカラの「プロ野球カードゲーム、学研のLSIゲーム「ベースボール3」とアナログからデジタルまで野球ゲームにもどっぷり漬かっていた私にとって、ファミコンの『ベースボール』も、野球ゲームとして当時の最先端でお気に入りだった。コンピューターまかせの不可解な守備など不満点もあったが、対戦では必ず盛り上がる鉄板のソフトだった。

そんなファミコンの野球ゲームに1986年の暮れに革命が起きる。ナムコが放った『プロ野球ファミリースタジアム』(以下ファミスタ)だ。私の贔屓球団南海ホークスはパ・リーグ関西の鉄道資本を持つ球団(阪急、近鉄、南海)をひとまとめにした「レールウェイズ」となっており、当時のセ・パのリーグ人気の格差を痛感したものだったが、実在する選手とチームをモチーフとし、それぞれに能力差のあるキャラクター、攻守に渡り本物の野球っぽさを感じるゲーム内容に興奮した。『ファミスタ』は野球&ゲーム好きのクラスメイトの間で流行し、帰宅部の友人たちと、レールウェーズ、フーズフーズ以外のチームを取り合い、本物のプロ野球同様の25回戦のペナントレースを開催するほど盛り上がったのだった。

『燃えろ!! プロ野球』の熱狂


ファミコン野球ゲームの次なる刺客と言えば、翌年87年に発売されるジャレコの『燃えろ! プロ野球』。このゲームは『ファミスタ』とは違い、発売前までの盛り上がりが凄かった。12球団完全収録、リアルな8頭身グラフィック、TV中継を思わせるバックスクリーンからのプレイ画面。発売日には飛ぶように売れ、売り切れ店続出。私の周囲では、同年の2月に発売された『ドラゴンクエストII』をも超えるほどの熱狂っぷりだった。ゲームの内容は、2014年の今でも語りぐさになる、バントホームランなどを産んだ迷作であったが、当時『燃えプロ』ゲットに熱狂したゲームキッズは、ひと通り遊び尽くし、ファミコン時代の野球ソフトとして記憶に残る1本となった。
《DOG COMIC》
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