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Blizzard初のFPS『Overwatch』ハンズオンプレビュー ―新奇なアニメ風ビジュアルとチーム戦が魅力

17年ぶりのBlizzard新規フランチャイズとして「BlizzCon 2014」でサプライズ発表された『Overwatch』。Game*SparkではBlizzCon会場で展示中のデモを直接プレイし、開発者セッションなどにも参加してきたので、本作の気になるディテールとインプレッションをお届けします。

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Blizzard初のFPS『Overwatch』ハンズオンプレビュー ―新奇なアニメ風ビジュアルとチーム戦が魅力
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『Warcraft』、『Diablo』、『StarCraft』ユニバースに続く、17年ぶりのBlizzard新規フランチャイズとして「BlizzCon 2014」でサプライズ発表された『Overwatch』。すでに公式サイト上ではシネマティックトレイラーやゲームプレイ映像が公開され、2015年のベータテスト実施も決定。Game*SparkではBlizzCon会場で展示中のデモを直接プレイし、開発者セッションなどにも参加してきたので、本作の気になるディテールとインプレッションをお届けします。



『Overwatch』は、20年以上の歴史を持つBlizzardが初めて手がけるFPSジャンルの作品であり、6対6のチームベースで対戦を行うオンラインマルチプレイタイトル。数十年後の未来が舞台のSci-Fi世界観を持ち、ピクサーや日本のアニメも影響も強く感じられる、既存のBlizzard作品とは対照的な、一貫して明るいゲームビジュアルを採用。Blizzardが長年着手しながら結局日の目を見ないまま開発中止になったMMO『Titan』が原型だと言われ、ゲームディレクターのJeffrey Kaplan氏を筆頭に、かつて『World of Warcraft』を生み出したコア開発メンバーによって制作が進められています。


BlizzCon会場の『Overwatch』試遊コーナー。
これだけたくさんあるのに常に長い列が出来ていた

BlizzCon会場では、さっそく本作のプレイアブルデモがおよそ60台以上も設置。発表されたばかりのタイトルにも関わらず、たくさんのファンが対戦を楽しめるようになっており、筆者もプレス向けクローズドルームでプレイ。ゲームの基礎部分はすでに出来上がっていることが確認できました。

デモは、制限時間内に爆弾の護送または阻止を行うオブジェクティブベースの「Pay Load」と、拠点を奪い合う「Point Capture」という2つのゲームモードが用意。12体の個性的なヒーローがプレイアブルで、リスポーンのたびに自由にキャラを変更できる仕様でした。ヒーローたちは、防御力の高いTank、ダメージディーラーのOffense、ポイントの防衛に適したDefense、回復などで味方の支援を行うSupport、4つのタイプに分類され、それぞれ全く異なる数種類のスキルと必殺技(Ultimate)を備えています。





プレイした最初の印象としては、一部で言われていたようなMOBAではなく、純粋なチームベースFPSと言える作り。その理由として、MOBAにあるキャラクタースキルのアップグレードやアイテムなどによるカスタマイズ要素を持たず、ミニオンのようなNPCも存在しません。また、1マッチあたりの時間がおよそ15~25分程度と短く、試合展開が早いこともあげられます。Valveの『Team Fortress 2』あるいはMicrosoft/FASA Studioの対戦FPS『Shadowrun』に近いゲームプレイフィールです。

一方で、ヒーローごとの役割や特色がはっきりしているのは、MOBAやRPG的なデザインであり、例えばSupportタイプのヒーローは、回復やシールド、バフをはじめとする支援系スキルを主体にチームメイトを助けます。BlizzConのプレゼンでも開発者が説明していたように、FPSが苦手なプレイヤーにも間口を広げていると言えるでしょう。FPSスキルよりもチームワークスキルを重視したデザインで、デスマッチモードが無いことからもそうした意図が伺えます。





他にも『Overwatch』のゲームプレイを特徴付けている要素の一つとしてSHIFTキーによるアクションがあります。大半のFPSでは走りやダッシュがSHIFTキーに割り当てられていますが、本作ではキャラクターごとに全く別の、移動系を中心としたアクションを繰り出すことができ、既存の対戦FPSにはない大胆な立ち回りや戦術、爽快感を生み出します。シネマティックトレイラーにも登場する女性ヒーロー「Tracer」の前方への瞬間移動もその一つ。他にも、壁をよじ登る日本人弓使い「Hanzo」、敵を鈍化させるタレットを設置する「Symmetra」、女スナイパー「Widowmaker」のグラップリングフック、「Pharah」のロケットジャンプなど多彩で、ロボット「Bation」の固定砲台変形など変わったものもあります。





『Overwatch』の主役的な存在「Tracer」を例に取ると、パルスピストルによる通常攻撃に加え、SHIFTの瞬間移動、3秒前に巻き戻る時間移動能力、必殺技の爆弾投下を使って、周囲の敵を撹乱しながらアクロバティックに戦うのが理想的。ただし、各スキルはクールダウンが設けられていたり、ゲージを貯める必要があるため、いつでも自由に使うことができません。トレイラーのようにカッコ良く戦うには、練習して使いどころやタイミング、間合いを身に付ける必要があると感じました。




開発者セッションでは、各キャラクターのインゲームモデルが
シネマティックモデルのクオリティーに近づけてある点が説明

本作でもう一つ特筆すべきが、ビジュアル面の徹底した作り込みです。特にインゲームキャラクターモデルのクオリティーは素晴らしく、CGアニメを見ているかのようにアニメーションが豊か。この点は、Blizzard開発者もパネルディスカッションの場で強調しており、シネマティックトレイラーやデザイナーの用意したコンセプトアートを、インゲームモデルでも忠実に再現するため、表情や体型、細部のパーツまで徹底してディテールにこだわったそう。また、日本風マップ「Hanamura」を見ても分かる通り、マップのビジュアルはどれもユニークで、「Blizzardらしさを残しつつ新鮮なものを目指した」ということです。


和風マップ「Hanamura」。
他にもエジプト風の「Temple of Anubis」、ロンドン市街地風の「King's Row」が存在


キャラクター集合アートには、未発表ヒーローたちの姿も

『Warcraft III』のModをベースに『Dota 2』を作ったValveに対して、『Team Fortress 2』によく似たチームベースシューターをBlizzardが作るというのは、何やら因縁を感じさせます。一つ違うのは、『Overwatch』は『TF2』のようにキャラ固定ではなく、今後も続々と新ヒーローを追加していく考えだという点。日本のゲームファンにも親しみやすい世界観を持つだけに、どのようなキャラクターが登場するのか次回の発表に期待がかかります。

最後に『Overwatch』のプラットフォームに関して、Blizzardいわく現段階ではPC向けに開発しており、その他のプラットフォームについては将来的に考えるということです。

※文中の誤字を修正しました。コメントでのご指摘ありがとうございます。
《Rio Tani》
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