5月8日から東京・秋葉原UDXで開催されている東京インディーフェス2015。90年代のポリゴンモデルを再現した独特なビジュアルで先日話題になった『Back in 1995』。今回、プレイアブル出展されていたため、プレイレポとミニインタビューをお届けしたいと思います。
『Back in 1995』はプレイステーション時代のグラフィックスを再現したアクションアドベンチャーです。操作は移動と攻撃とシンプルなもの。しかしながら、移動はプレイヤーキャラクターの正面方向に合わせて相対的に動く形式であるため、慣れるまで非常にうっとうしいです(笑)。カメラも完全に固定。3Dゲーム初期のぎこちなさが発揮されています。
ゲームがスタートすると主人公は部屋の中にいます。なぜか転がっているレンチを拾って、部屋から出ます。建物の中にはゾンビのような敵が徘徊、なんとか攻撃ボタンで撃退します。カメラが固定であるため、不意をつかれることも多く、攻撃のモーションも非常にゆっくり。独特の緊張感があります。
インタラクトできるアイテムに近づくとボタンが表示され、アイテムを拾うことができます。鍵を拾い、ドアを開け進んでいくといった一連の流れはオーソドックスなアドベンチャーゲーム。デモ自体は短いものですが、操作に慣れてくると意外にもスムーズにプレイできました。今後はこのシステムいかにストーリーに結び付けられるかが勝負になるでしょう。以下では開発のThrow the warped code outの一條貴彰さんにお話をうかがいました。
――制作のきっかけは?
一條:自分は現在29歳なんですが、一番やりこんでいたゲームはPS時代のアクションなんです。最近はインディーでもレトロテイストが多いですんが、それらはほとんど2Dのゲームなんです。ファミコンとかスーファミ世代のグラフィックスを取り入れるという感じで。でもPSとかセガサターンとかを取り入れた作品はあんまりなく、そのうち出てくるかなと思って待っていたんですが、出てこなかった。だったら自分で作るかというのがきっかけです。
――具体的に過去のプレイステーションのタイトルで影響を受けているものは?
一條:一番大きいのは『サイレントヒル』。それから『メタルギアソリッド』や『天誅』。人間の体を操作して進む3Dアクションにはかなり影響を受けています。それらに比べると多少戦闘はありますが、本作はアドベンチャーよりです。
――このローポリのビジュアルづくりで苦労されたことはありますか?
一條:開発はUnityで行っていますが、解像度をあわせるのに苦労しています。無理やり320×244の解像度で出しています。あとはテクスチャを歪ませる処理をしています。プレイステーションでは計算の精度が悪かったので、テクスチャが歪むことがあったんですね。それをシェーダーで再現しようと頑張りました。PC版ではそれが動いています。
――ゲームの物語や世界観は決まっているんですか?
一條:ゲーム内の世界も1995年です。いきなり敵に襲われていますが、一応、設定はあります。都市が何らかの攻撃を受けて壊滅状態になり、その数年後の世界ということになっています。人々はみんなビルの屋上に暮らしています。地表に進むにつれてゾンビのような敵が襲ってくるわけです。主人公はそこでゲームの象徴であるタワーを目指していくのが基本的なストーリーです。
――完成はいつですか?
一條:今年中です。プラットフォームはPCとMacですが、PS4でもリリースしたいと考えています。PS4を買っている世代に届けたいんです。25歳から35歳くらいの昔、熱心にゲームをしていた方にやって欲しい。プレイステーション時代のシンプルなゲームを楽しんでほしい。
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