インティ・クリエイツ社長が語るクラウドファンディング開発―『Bloodstained』の今後も【インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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インティ・クリエイツ社長が語るクラウドファンディング開発―『Bloodstained』の今後も【インタビュー】

『ロックマンゼロ』や『ぎゃる☆がん』、稲船敬二氏の新作として注目を集める『Mighty No. 9』、現在Kickstarterキャンペーン中の『Bloodstained』の開発を担当したインティ・クリエイツの代表取締役社長である會津卓也氏にインタビューを実施しました。

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『ロックマンゼロ』や『ぎゃる☆がん』といった作品を手かげてきたインティ・クリエイツというデベロッパーをご存知でしょうか。

最近では自社パブリッシング作品『蒼き雷霆 ガンヴォルト』や、稲船敬二氏の新作として注目を集める『Mighty No. 9』の開発を担当。また、KONAMI時代に『悪魔城ドラキュラ』シリーズのプロデューサーを務めていた五十嵐孝司氏が手がける新規タイトル『Bloodstained: Ritual of the Night』を同社が開発する事が先日発表され、大きな話題となりました。

そこでインサイド/Game*Sparkでは、インティ・クリエイツの代表取締役社長である會津卓也氏にインタビューを実施。19周年を迎えたばかりのインティ・クリエイツの開発スタンスやクラウドファウンディングについて、そして現在Kickstarterキャンペーン中の『Bloodstained』の進捗状況についてお伺いしました。



──まずはインティ・クリエイツという会社の概要からお願いします。

會津:インティ・クリエイツは1996年にカプコンを退社した11人で立ち上げた会社です。当初はオリジナルのゲームを作りたいと思っておりまして、『可変走攻ガンバイク』と『LOVE&DESTORY』をプレイステーションで発売しました。ただ、当時はクリエイターのエゴ全開で作っていたので、売ることにあまり注力されておらず、なかなかうまくいかなかったですね。そこで受託という形で仕事を受けて、会社を存続させることにしました。いくつか仕事をお受けしているうちに、当時カプコンにいらした稲船さんにお会いして、『ロックマン ゼロ』というタイトルを開発することになりました。平行してバンダイナムコエンターテインメントさんで『クレヨンしんちゃんシリーズ』を作らせていただいて、ある程度会社が軌道に乗りました。その後は受託を中心に15年間続けて現在に至ります。

近年はオリジナルタイトルにも徐々に力を入れていまして、PS3/Xbox 360ソフト『ぎゃる☆がん』、3DSソフト『蒼き雷霆 ガンヴォルト』、PS4/PS Vitaソフト『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』などを開発していて、自社リリースとパートナーさんと一緒にタイトルを出していくパブリッシャー寄りの志向が強くなっています。そして2年前に行った『Mighty No. 9』のKickstarterですね。北米市場である程度受け入れられて4億円近い金額をファンディングできたということで、海外展開も視野に入れて今は動いているという所です。

──ホームページを拝見するとまた新作のバナーが増えていて、たくさんの開発ラインがあると感じましたが、それについてはいかがですか?

會津:弊社は今100人弱のスタッフがいるのですが、基本的に受託タイトルは開発期間が短いものが多いです。そうなると、矢継ぎ早に同じ人間が年間2タイトルに関わることもありますね。もちろんメインスタッフは8~10ヶ月程度同タイトルに携わってはいますが、開発タイトルは総じて多くなっています。近々リリースされるのはバンダイナムコゲームスさんの受託タイトルで、3DSソフト『怪盗ジョーカー 時を超える怪盗と失われた宝石』になります。

──インティ・クリエイツというと、2D横スクロールアクションゲームというイメージが強いですが、このジャンルの魅力はなんだと思いますか?

會津:脳が楽しいと感じるのは、自分が入力してオーバーリアクションで返ってくる──少ない操作でたくさんの情報が得られる。それを端的に表すことができるのがこのジャンルです。さらに細かいテクニックを磨くことでアドレナリンが出るようなプレイを自分で行い、どんどん興奮していける。シンプルな自分のアクションによってマルチでオーバーなリアクションが返ってきますし、2D横スクロールアクションは横軸と縦軸という2つの軸を使ってたくさんの遊びを入れられます。なので、ゲームの根本となる楽しさを表現しやすいジャンルだと思っています。

──2D横スクロールアクションのゲームとしての進化の余地についてはどうお考えですか?

會津:このジャンルに関わらず、ディスプレイ上のX軸とY軸という空間で表現できる遊びはある程度出尽くしていると思います。奥行きというZ軸があっても画面上でXY軸に置き換えられて視線として見える中でどうやってコリジョンを合わせていくかという遊びが基本になっているので、これは表示デバイスが変わらない限り普遍的なものだと考えています。例えばVRグラスが最近出てきていますが、そういったものはこれから可能性が広がっていきますし、3DSの裸眼立体視が出た時は新しい可能性を感じました。出力デバイスが変わっていくことで新しい遊びは生まれてくると思いますが、通常のディスプレイで遊べる遊びはほぼ確立されていると思います。あとは、いかに世界観を作るか、没入感を強めるかといった方向性になってくる。その中で3D表現やどういったシェーダーを使うか、どのようなキャラクターなのか、ボイスなのか──こうしたそれぞれの要素がクオリティアップしていき、ゲームへの没入感を高めていって楽しませるといった方向性では、まだまだ余地があると思います。

──とても早いスパンで開発をされていて、アイディアが尽きたりはしませんか?

會津:キャラクターものを作ることが多いのですが、1つ1つの世界観の中で特徴のあるキャラクターがいます。そのキャラクターにどういう遊びをさせると特徴を的確に捉えられるかを考えていくと、最適解はこれだというものが出てきます。これを中心に2Dアクションゲームを構築していくと、同じような2Dアクションゲームであったとしてもキャラクターや世界観が変わることで最適な遊びも変わっていきます。逆に言えば、それらが変われば無限に作ることができるといっても過言ではないですね。このジャンルを絶やしたくないと考えていますし、子どもには最適の遊びなのかなと思っています。走りながらボタンでジャンプして穴を越える、敵にショットを当てる──といったシンプルなタイミングゲームなので、小さいお子さんでも楽しむことができますよね。

※次ページ: インティの挑戦!『Mighty No. 9』で新たな道を切り開く

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