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オーストラリアが国際審査機関IARCを採用―日本のアプリ事業者にも影響を及ぼすか?

豪州政府はPAXオーストラリアで11月1日、現状のパッケージゲームの審査を担当するオーストラリア等級審査委員会(ACB)に加えて、モバイルゲームとオンラインゲームにおいても独自のレーティング制度「IARC(Intenational Age Rting Colition)を設ける方針を発表しました。

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各々の国には各々の文化があり、各々のレーティングがある......。これがパッケージゲーム時代の常識でした。しかしスマホやオンラインゲームではこの常識が当てはまらず、しばしばレーティングを起因とする摩擦がみられます。全世界を同じレーティングで統一するのは、土台無理な話だからです。


こうした中、オーストラリア政府はPAXオーストラリアで11月1日、現状のパッケージゲームの審査を担当するオーストラリア等級審査委員会(ACB)に加えて、モバイルゲームとオンラインゲームにおいても国際レーティング制度「IARC(Intenational Age Rting Colition)を採用する方針を発表しました。

■モバイルゲームの爆発的増加に対応


本概要が発表されたのは、講演「Computer Games Cllasification -The Australian way-」の席上です。講師は業界団体のInteractive Games and Entertainment Association(IGEA)でCEOをつとめるRon Currey氏と、Classification BranchでディレクターをつとめるKathryn Reidy氏。事実上の責任者二人だといえるでしょう。

IARCは2015年7月1日よりパイロット版の運用が試験的に開始されており、2016年6月30日まで実施されます。その後、修正などを経て本格運用が開始される見込みです。IARCでは北米・欧州・ドイツ・ブラジルの審査機関とすでに調整を進めており、オーストラリア向けにゲームを配信する外国企業についても、同様の審査を受ける必要が生じる見込みです。


IARC誕生の背景として、従来の審査ではモバイル&オンラインゲームの爆発的な増加に対応できないことと、何らかのガイドラインが社会的に求められていることの二点があげられました。そのため審査は開発者による自己申告制度がベースとなり、ブラウザ上でチェック項目を選んでいくと、自動的に推奨レーティングが示される形です。

このようにCurrey氏は「初めての人的リソースを必要としないレーティング制度」だと説明しました。またGooglePlay、iOSとの調整も進めているとコメント。現状でも双方で独自のレーティング制度が設けられていますが、これに加えてオーストラリア独自のガイドラインが必要......そのように社会が判断した形となります。

■現状のレーティングがモバイルでも適用


なお、ACBではG(全年齢層鑑賞可能)、PG(保護者者同伴推奨)、M(成人推奨)、MA15+(15歳未満非推奨。15歳未満は保護者または成人の同伴が必用)、R18+(18歳以上鑑賞可)という5段階のレーティングを設けています。IARCでもこのレーティングは踏襲されます。

ACBの最大の特徴は国の機関であり、税金で運用される点です。そのため審査料が無料(日本のCEROはNPO法人で企業からの審査料によって運営)で、ゲームだけでなく映画などの映像メディア(テレビ番組をのぞく)も対象としています。もっとも審査担当者は行政府からは独立しており、審査の中立性は保たれるとのこと。Reidy氏は「審査担当者はさまざまな社会階層から構成され、ゲーマーも存在する」と語りました。

講演ではIARCの導入により、消費者(特に保護者)にとってはアプリ購入の指針ができること。ゲーム開発者にとっては迅速で効果的なレーティングが、無料で得られること。そのためF2Pゲームにおいても現実的な審査であること。大前提として業界の発展に貢献するものであること。VRのような最先端の技術についても随時対応していくこと......などが説明されました。

■日本企業にとっても影響力を及ぼすか


前述の通りACBは国の機関であり、2014年の法改正でIARCとの連携が決まりました。つまり国民によって信任されているということです。何が有害で何が適正かを決めるのは、ローカルの人々です。Reidy氏は「私たちには2つの方針があります。第1に成人は自由にコンテンツを楽しめること。一方で子供やマイノリティは適切に保護されなければならないことです。これは今後も変わりません」と語ります。

最大のポイントはIARCはオーストラリア向けにアプリを配信する日本企業においても適用される可能性が高い、ということです。質疑応答でCurrey氏は日本企業でもIARCを使用できること、そしてIARCを通さないアプリについては、罰則が発生する可能性があることも示唆しました。現地の状況を引き続き注視していく必要がありそうです。
《小野憲史》

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