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【特集】「Steam Workshop」とは?―その歴史と公式採用までの軌跡を解説

ユーザーが制作したModやカスタムマップ、スキンを共有できる“Steam Workshop”。PCゲームライフを楽しむSteamユーザーはよく利用していることでしょう。本記事ではSteam Workshopの誕生からこれまでの歩みを改めてご紹介したいと思います。

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ユーザーが制作したModやカスタムマップ、スキンを共有できる“Steam Workshop”。PCゲームライフを楽しむSteamユーザーはよく利用していることでしょう。筆者は長年『Team Fortress 2』の新アイテムを考えてはSteam Workshopに投稿してきましたが、2015年12月に初めて投稿作品が公式採用されました。そこで、本記事ではSteam Workshopの概要と歴史を、筆者の作品投稿の歩みと共に、改めてご紹介したいと思います。


2010年1月、Valveは『Team Fortress 2』用カスタムコンテンツの募集を開始。この時点ではSteam Workshopは存在しておらず、専用サイトを通じて作品を投稿し、承認されたものがゲームに追加されるという方式でした。そして数ヶ月後、『Team Fortress 2』のインゲームストアがオープンし、採用作品の販売が開始されます(これに合わせてSteamにはウォレット機能が搭載)。採用された作品の作者には売り上げから多額の報酬が支払われました


2011年11月、『Team Fortress 2』のインゲームストアが1周年を迎えるとともに、Steam Workshopが初登場。対応タイトルはまだ『Team Fortress 2』のみでした。同作では前述のように「メーカーが審査後、通過した作品のみ採用もしくは販売」という形式をとっており、ユーザーが他のユーザーの作品をダウンロードして利用することはできません。

その一方で、2012年2月にSteam Workshopに対応した『The Elder Scrolls V: Skyrim』やそれ以降に対応した多くのタイトルは「メーカーによる審査はなく、ユーザーが自由にダウンロード可能」という形式になっています。『The Elder Scrolls V: Skyrim』は対応から約1週間で投稿作品が2,600個超、ダウンロード回数は200万回を突破しました。


その後、Valveは複数の作品をまとめて紹介できるコレクション機能、ユーザー同士の情報交換の場を提供する掲示板機能などで利便性を向上しつつ、さらなる対応タイトルを追加。2012年6月にはFree-to-Playタイトル『Dota 2』のSteam Workshop対応が発表されました。『Dota 2』は『Team Fortress 2』と同様に、Steam Workshopの投稿作品を採用し、インゲームストアで販売する形式をとったのですが、対応直後にとある騒動が発生してしまいます。


Steam Workshop事件簿1: 『Dota 2』のSteam Workshopにおいて高評価を受け、ゲームに公式採用されていたコミュニティ製武器“Timebreaker”のモデルが、韓国産MMORPG『AION(タワー オブ アイオン)』からの盗作であったことが判明しました。この武器は有料の鍵を使用して開けられる宝箱“Sithil's Summer Chest”に収録されており、24,603人のユーザーが武器を入手していたそうです。最終的に武器のモデルは変更、投稿者はBanされるとともにアイテムの販売で得た利益を失い、Valveは調査と改善に多くの時間を費やすという、関わった人全てに負の影響を与えた出来事でした。


左: 『Dota 2』の“Timebreaker”、右: 『Aion』の“Marchutan's Blessed Mace”

そんなトラブルがありつつも対応タイトルは増え続け、2014年5月には対応タイトルが100本を突破。それまでに110万個以上のマップ/アイテム/Modが投稿、1,200万人以上が平均57個の作品をダウンロード(その総数はほぼ7億!)しました。作品に対する評価投票は3,200万回にのぼり、その90%が好評価だったそうです。また、Steam Workshopの仕組みを取り入れた、ゲーム開発者向けの“Steam Greenlight”もローンチしています。


2014年8月、『Dota 2』用の公式Modツール「Dota 2 Workshop Tools」が発表。新エンジン“Source 2”に言及され話題となりました。ここでちょっとツールの話を。Steam Workshopに投稿できる作品はModやカスタムマップ、スキンなど様々。制作するには当然何らかのツールが必要となりますが、基本的に公式ツールや他社ソフトウェア向けのプラグインが用意されており、あまりお金をかけなくとも制作に挑戦することができます。詳細は各タイトルのSteam Workshopページトップのリンクからご確認ください。デベロッパーやコミュニティによる制作ガイドにも目を通しておくと良いでしょう。


2015年1月、『Team Fortress 2』『Dota 2』『Counter-Strike: Global Offensive』において公式採用され、ゲーム内で販売されたSteam Workshop作品の作者への支払報酬が総額5,700万ドルを突破。その対象者は世界75ヶ国、1,500人以上にのぼります。なお、もし投稿作品が採用されゲーム内で販売が行われた場合、その報酬となる収益の一部を受け取るため、銀行口座情報や税金情報をSteamに登録する必要があります。今でこそFAQが日本語で記載されていますが、筆者が登録した時は全て英語だったのでかなり苦労しました……(不安な部分は税理事務所に相談しました)。


Steam Workshop事件簿2: 2015年4月にValveとBethesdaの協力により、Steam Workshop上で『The Elder Scrolls V: Skyrim』のModを販売することが可能となりました。これはMod制作者がよりクリエイティブな作品を作れるようサポートするための新機能でしたが、大きな議論が巻き起こり(販売されたModに別Modのデータが含まれていたというトラブルも)、最終的にMod販売のシステムは停止され、購入代金の返金が行われました。

Valveは制作者がフルタイムでMod開発に取り組める機会を提供し、ゆくゆくは『Dota』『Counter-Strike』『DayZ』『Killing Floor』のような素晴らしい製品が生まれることを目指していたそうです。しかしながら、過去に成功した収益配分モデルとの違いを過小評価したことや、このシステムを始める上で『The Elder Scrolls V: Skyrim』のModコミュニティは適切な場所でなかったことなど、いくつかの手を間違えてしまったと認めています

Mod販売システムの開始から停止までの期間は僅か4日。コミュニティに大きな混乱を引き起こしてしまったものの、すぐさま方向転換できるValveのフットワークの軽さは流石です。ちなみに、この騒動以降Steam Workshopのニュースページは更新が止まっていますが、2015年11月に各デベロッパーがSteam上で有料アイテムを販売できる“アイテムストア”機能が搭載。現在はFacepunch Studiosの『Rust』のみ対応しており、様々なスキンを販売しています。


PCゲームの遊びの幅を広げてくれるSteam Workshop。他のユーザーが制作したModなどを利用するだけでも十分楽しめますが、自分でも制作するようになるとさらに奥深い体験が可能になります。興味が湧いた方は是非挑戦してみください。対応タイトルは今後も続々と増えていくでしょう。それでは次のページでは、僭越ながら筆者がこれまでに制作してきた『Team Fortress 2』投稿作品を一挙にご紹介します。何かの参考になれば幸いです。

《RIKUSYO》

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