Xbox One『Quantum Break』プレイレポ―高次元に融合した実写ゲームの到達点を見た | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Xbox One『Quantum Break』プレイレポ―高次元に融合した実写ゲームの到達点を見た

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Xbox One『Quantum Break』プレイレポ―高次元に融合した実写ゲームの到達点を見た
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北欧・フィンランドに拠点を置くゲームデベロッパーRemedy Entertainmentが送り出す新作アクション『Quantum Break』。Xbox OneとWindows 10向けにリリースが予定されている本作の、Xbox One版をプレイする機会を得たので、そのプレイレポをお届け。当記事では物語性が高いゲームの性質上、事前情報を除く物語部分への言及やネタバレを避けているので、これからプレイ予定の方も安心して読み進めて頂ける構成となっています。


Remedy Entertainmentが生み出すアクションゲームの魅力

当初予定されていた2015年内の発売から延期を経て、いよいよ4月7日に待望のリリースを迎える本作ですが、ここではその主題に入る前に、Remedyが過去に手掛けたアクションゲーム作品とその特徴をさらっとおさらい。1995年のスタジオ創立後、現在までに8作品を手掛けた同社の代表作といえば、2001年にリリースされたハードボイルドアクション『Max Payne』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。1999年に映像革命と呼ばれた映画『マトリックス』に端を発したバレットタイム、所謂スローモーション演出をいち早くゲームシステムに組み込んだ『Max Payne』は、シュートドッジによる目も覚めるようなクールで爽快なゲームプレイを実現。実写取り込みの顔テクスチャやアメコミ調のコマ割りカットシーンなど、実写に切迫した演出の数々は、新技術の無限の可能性を擁した新ハード黎明期特有の気概を感じられる同社の出世作の一つでした。


Remedy代表作『Max Payne』におけるカットシーン


実写ゲームは諸刃の剣


前述の『Max Payne』のように、同社は演出手法の一つとして実写への取り組みを積極的に行っているのも特徴です。2010年にXbox 360/Windows向けにリリースした『Alan Wake』においても同様で、ゲームの道中ではとあるシーンがある意図をもって実写で描かれており、ゲーム本編のリリース前には6エピソードにわたる実写ドラマシリーズもウェブ上で展開。物語に深く関連するゲーム本編の前日譚をメディアミックス化して描いていました。

家庭用機における実写ゲームの歴史を紐解くとその原点は1988年のPCエンジンから始まり、その後メガドライブ『ナイトトラップ』や『デスマスク』『モータルコンバット』など、旧来のプラットフォームでは様々な作品が生まれてきました。しかし8bitやローポリなどの近年に古典化し再評価されるゲーム表現とは異なり、実写には鮮度「生もの感」が確実に存在し、ゲームに組み込まれることへの違和感や、アングラ的な様相すら含んでいるともいえるでしょう。また手抜きだと否定的にとらえられる事も少なくなくありません。では『Alan Wake』よりも更に実写の割合が高くなり、ゲーム内に深く組み込まれた『Quantum Break』はどうでしょうか。

表現力の向上が実を結んだ実写ゲームの到達点

結論から言うと、昨今のゲーム表現力の向上により、本作では実写とゲームが高い次元で混ざりあい、新たな表現技法として確立した感があります。実写パートは近年のビックバジェットで展開される米ドラマシリーズと遜色のないクオリティと演出、そして実力派俳優たちの鬼気迫る演技で描かれ、ゲーム映像との差異が狭まったことにより、頭の中でシーンを思い返したときに実写パートとゲームで描かれたシーンが同じ次元のものと感じられたことがとても新鮮な体験でした。


ゲーム内カットシーン(上)と実写シーン(下)のショーン・アシュモア


『Quantum Break』に流れる『Alan Wake』的愉しさ


『Quantum Break』は断片的な物語の謎や真相を頭の中で組み立てていくといった体験が好きな人にとっては最適な作品であり、『Alan Wake』の精神的後継作といっても過言ではないでしょう。『Alan Wake』の物語は前述した実写ドラマ以外にも、限定版に同梱された130ページに及ぶハードカバーブックで、より深く作品の内容を読み解くことができる仕組みとなっていました。『Quantum Break』でも同様で、ゲーム内に様々な文書が数多く配置されており、それらを読むことで物語の側面からその真相を知ることができます。テキストは序盤よりかなりのボリュームが用意されているので、テキストアドベンチャーを楽しむような心構えで楽しむのが良いかもしれません。テキストを読まずとも大筋の物語は理解できるほか、入手したテキストはトップメニュー画面からアクセスできるため、アクションに専念して後でじっくりと読み進めるプレイスタイルも可能です。尚、これはあくまでも憶測でしかありませんが、テキストの文章量も多く、機密ともいえる内容の書類も無防備に配置されていたりするので、近年のパッケージゲーム需要低下のあおりを受けて、ブックレットなどでストーリーを理解せずとも全てゲーム内で完結できるよう、切り替えたのかもしれません。

最高にクールな映像を断裂した世界で


本作ではタイムマシン実験の失敗により、時が崩壊、その影響で時を操る能力「タイムパワー」を得た主人公のジャック・ジョイスを中心に物語が展開。時の崩壊を止めるべく奮闘するジャック・ジョイスは、時として断裂した世界の中で対抗勢力との争いに巻き込まれます。断裂した世界では砕け散った破片や、銃弾の軌跡、人物までもが全て停止した環境下となり、画面のうねり表現や、タイムパワー使用時の緻密なエフェクトなどが重なり合うことで、類のない映像表現が画面全体に広がります。同日発売のWindows 10版ではメモリー16GB、ビデオメモリ6GBのハイスペックPCがウルトラ設定で求められており、このゲーム体験やエフェクトがどのような次元に到達するのか、ある意味恐ろしくも感じるところです。Xboxゲームストアでは、4月4日(月)までにXbox Oneダウンロード版を購入したユーザーを対象に、Windows 10版を入手できるキャンペーンも実施しているので、興味のある方はダウンロード版の購入をお勧めします。

ローカライズは字幕のみ、一部問題点も…


テキストログとは異なり、道中で入手できる音声/映像ログに関しては一切日本語サポートがないという現状です。入手した音声ログや映像ログはトップメニューからアクセスできるものの、字幕の表示もなく、耳で聞き取る以外に知るすべがありません。これらの音声ログにはおまけ的なコンテンツのほか、文書と同様にキャラクターの心境や状況を描く比較的重要なものもあるため、今回の様々な情報を元に物語の理解を深めるという作品が持つ構造に沿わない点といえます。開発のRemedyは、完成に差し掛かった今年の1月に、スペイン市場にてスペイン語音声が収録されず、スペイン語字幕ローカライズのみとなることを謝罪と共に発表。同社PRのThomas Puha氏は「その地域のマーケティング予算とマーケットサイズによるマイクロソフトの決断」としていることから、日本でも同様の理由だと推測されます。この点が本作でとても惜しいところであり、今後なんらかの救済措置が取られることを期待したいところ。

高次元で融合したドラマゲーム


スロー演出による敵を中心としたカメラの回転や、独白に近い描き方で状況を説明する場面も存在するなど、従来のRemedyゲームファンには堪らない演出やおまけ要素も隠されている『Quantum Break』。6種のタイムパワーを駆使したアクション性の高い手ごたえのあるゲームプレイ、そしてゲーム映像と実写の差異が縮まった現行機だからこそ実現したドラマとゲームの高次元の融合は、今後のゲーム作品において新たなスタンダードとなりうる可能性も感じさせます。ドラマ性の高いアクションゲームを欲している方は体験する価値のある作品といえるでしょう。
《Round.D》

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