AMDが展開する低価格のゲーミング向けGPU「Radeon RX480」の国内向けプレス説明会が、7月11日、東京・秋葉原のTKPガーデンシティPREMIUM秋葉原にて開催されました。
説明会会場では、「RX 480」のAIB版やBTOパソコン、Razerのゲーミングウルトラブック「Blade Stealth」と外付けGPUユニット「Razer Core」などの展示が行われていました。また、「RX 480」搭載PCによるHTC ViveのVR体験会も開催され、日本科学未来館の「ビョーク Digital」にて展示されているVR作品「Not Get VR」も体験できました。
説明会では、まずAMDのワールドワイド・セールス・ディレクターTony Fernandez-Stoll氏が登壇し、「RX 480」がこれまでのAMD製GPUの中で最も変化のあったものだと語りました。また、独特の市場である日本をアジアでひとくくりにするのではなく、単一の市場として見ていくことを強調しています。
続いて登壇したのは、計画段階からPolarisにかかわっていたというプロダクトマネージャーのKorhan Erenben氏。昨年末にRadeonテクノロジー・グループという大規模なチームを立ち上げるほど投資しているこの新アーキテクチャの製品は、市場で最も購入されているという100ドルから300ドルの低価格帯を狙っていくのだと説明。VR向けとの位置付けで199ドルからスタートする「RX 480」ですが、世界のPCのインストールベースに対して99%がVRに対応していないという現状で、低価格で提供することによってより多くに普及させようという考えに基づいていると述べました。
VR以外にも、より高解像度のゲームプレイや高品質なストリーミング、HDR機能にも対応。発売後に話題となったカタログ値以上の電力が消費されていた問題も、多くのフィードバックを受けすでに修正済みであるとアナウンスしました。
前世代アーキテクチャとの比較図では、「Primitive Discard Accelerate」機能を使用すると、必要のないジオメトリ処理を省きアンチエイリアスのパフォーマンスを大きく向上させているのがわかります。
DirectX 12では、「Asynchronous Compute」によってモーションエフェクトやブラーなどのコンピューティング処理とオブジェクトをレンダリングするグラフィック処理を同時に行うことができるので処理効率が向上。
VRにおいて重要であると語る「Quick Response Queue」機能は、グラフィック処理とコンピューティング処理が発生したときに、GPUの10%または20%を常にグラフィックス処理に保持し、グラフィック処理が完了する前にコンピューティング処理を完了させるというもの。これによりコンピューティングの作業をVRヘッドセットに映像を送る前にすべて終わらせることができます。
RadeonとDirectX 12による「Asynchronous Compute」に対応するタイトル。今後は60タイトルが予定されています。
『バトルフィールド1』はDICEとの提携で「RX 480」に最適化。
「Polaris 10」と「Polaris 11」のチップ。大型の「10」はデスクトップ向け、小型の「11」はe-Sportsでの活用やノートPCなどモバイルに向けたものとなるとのこと。
対応するメディア接続一覧。
高いグラフィック設定でのゲーミングとVR用である「RX 480」、ゲーミングに適した「RX 470」、熱効率が高いe-Sports向けの「RX 460」。今後、ゲーミング用GPUは「RXシリーズ」となるようです。
「RX 480」のスペック詳細
「RX 470」のスペック詳細
今後のロードマップ。
低価格路線だけではなく、今後もハイエンド路線を手掛けていくことがアナウンスされた今回の説明会。VRの普及を掲げる「RX 480」が日本市場でどのような動きを見せるのか注目されます。「Radeon RX 480」は海外では4GBモデルが199ドル、8GBモデルが229ドルという価格帯で、国内での実売価格は8GBモデルが33,000円前後から。
最後に、会場に展示されていた今後発売予定のAIB版「RX 480」や関連製品のフォトレポをお届けします。
MSI
Sapphire
ASUS
TUL
LGの4Kテレビ「OLED 65E6P」。「RX 480」を使用した4K動画が上映されていた。
「Razer Blade Stealth」と「RX 480」を搭載した「Razer Core」
UPDATE: 誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。