【特集】初期『EverQuest』はいかに過酷だったのか―理不尽と中毒性そなえた伝説MMORPG | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【特集】初期『EverQuest』はいかに過酷だったのか―理不尽と中毒性そなえた伝説MMORPG

本稿では、初期『EverQuest』いかに過酷だったかを、実際に体験してきた筆者がご紹介したいと思います。

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EverQuest』は、『H1Z1』や『Planetside』などでも知られるSony Online Entertainment(現: Daybreak Games Company)が、1999年3月に世に送り出したファンタジーMMORPG。『Ultima Online』などと並び、MMOの歴史に多大な影響を与えた伝説的作品であり、そのDNAは『World of Warcraft』や『ファイナルファンタジー14』といった現在人気の作品へと受け継がれています。

『EverQuest』は、長年を経て内容が刷新され、Free-to-Playモデルに移行して現在もサービスが続いていますが、バニラや初期拡張リリース時代は、現在の一般的なMMOに比べ、到底考えられないレベルの難易度と理不尽さ、さらには麻薬のような中毒性を兼ねそろえた作品だったのです。本稿では、初期『EverQuest』いかに過酷だったかを、実際に体験してきた筆者がご紹介したいと思います。

種族やクラスの格差がとんでもなく大きい


旧グラフィックのHighElf。新しいキャラクターモデルが導入されて以後は、どちらのモデルを使うか種族ごとに設定で変更できた

ElfやTrollのような「Infravision/Ultravision(暗視能力)」がないHumanなどの種族にとって、暗闇は本当の闇。暗視能力や明かりの効果をもった装備を持たない初心者は、ゲーム内が夜になると、野外において周囲が真っ暗で何も見えないという恐怖をまずは味わうことになります。

種族の格差は身体能力だけでなく、Factionと呼ばれるNPCとの友好度にも存在し、Evil系種族の方が初期の難易度は高め。中でもトカゲのような外見のIksarは自分たち以外の全種族から敵対されるという状態からのスタートです。また、プレイヤーが降り立つ最初の街は、種族と信仰によって自動的に決定されますが、組み合わせによっては故郷のNPCの多くが自分にとってKoS(見かけたら即ぶっ殺す)になるというスーパーハードモードになる可能性も秘めています。


もともとはNPCだったが人気が出すぎてプレイヤーキャラに昇格したFroglok

格差は種族だけでなく、クラスにも存在します。PaladinやRangerといった 「魔法も使える戦士」のようなハイブリッド職は、要求される必要経験値が他のクラスよりも異常に高く、一緒にキャラ作成から始めた友人たちがどんどんレベルアップしているのを横目に見ながらひたすら経験値稼ぎに明け暮れることとなります。

ちなみに魔法が使えるCaster系クラスは、Meditation(瞑想)というスキルで戦闘中にManaを回復しますが、初期の時代は、瞑想中スペルブック(魔法をセットするためのUI)がゲーム画面がいっぱいに表示されて、周囲の状況がまったく見えないという恐ろしい仕様でした。

マップの移動はまさに“旅”。数時間かかることも


馬はアイテムで召喚する

Group Gate(集団移動)の魔法が使えるのはWizardとDruidクラスのみで、他のCaster系クラスもBindポイントに戻る一方通行のGateしか使用できません。ゆえに大半のプレイヤーは、恐ろしいMobの徘徊するフィールドを歩くか、馬に乗って移動し(初期は馬も無し)、海を隔てた別の大陸に行くときはなかなか来ない船をただひたすら待ちます。さらに途中で死ぬと強制的にBindポイントに戻されるので、仲間とダンジョンや狩場にいくために待ち合わせしても、全員が目的地に集まるまでに数時間を要したり、結局出会えなかったり、ということもしばしばあるほどでした。

なお、移動に関しては、第3弾の拡張パック『The Shadows of Luclin』で少し穏和され、各地にあるポータルで惑星Luclinの拠点Nexusに飛ぶことができるようになりました。しかしポータルが作動するのは即時でなく、決まった時間の周期で発動するという仕様だったため、船と同じく出発時間がくるまではその場所でひたすら待つことになります。


フィールドはもちろんダンジョンも広大

地図?そんなものは存在しない

『EverQuest』は後期になってからUIに地図が表示されるようになりましたが、それまではゲーム内はおろか公式サイトでもマップは提供されていませんでした。 プレイヤーが参考にできるのは有志が調査して作成したマップのみで、自分がどの辺りにいるのかは”/loc”のコマンドで得られるロケーション情報から割り出していました。もちろんこの仕様は街中でも同じで、構造をおぼえるまではまるで迷路のよう。 生まれ故郷の街が広すぎて外に出られない、という初心者も後を絶ちません。


Antonica大陸出身の冒険者の拠点となったFreeportも、土地勘が無ければ迷子になりやすい街でした


最大の恐怖は“死ぬこと”―大きなペナルティが課せられる

キャラクターが死亡すると強制的にBindポイントに戻されるシステムなのは前述の通りですが、恐ろしいことに『EverQuest』では装備が全て死体の中に残った状態になります。 Clericクラスなどの蘇生魔法があれば、すぐにその場で復活して、自分の死体を“Loot”できるものの、一人で死んでしまった場合や、蘇生魔法を使えるプレイヤーが周囲にいなければ大変なことになります。


時にはこのように死体の山が築かれることも

その場合、死亡したプレイヤーは、Bindポイントから装備なしの素っ裸状態で、走って死体のある場所まで戻らなければなりません。戻る途中に再び別のMobに殺される、どこで死んだのかわからない、回収困難な溶岩の海に落ちて死ぬ……といった悲劇が起こる可能性もあります。

さらに、キャラクターが死亡すると、何時間もかけてせっせと溜めた経験値が、デスペナルティによって吹き飛び、レベルアップ直後だとレベルダウンしてしまうこともあるという、鬼畜な仕様でした。文字通り“死”は『EverQuest』プレイヤーにとって最大の恐怖だったのです。

次ページ: 阿鼻叫喚!「Train」がプレイヤーを襲う…
《菜種》
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