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「一家に一台プレステ」―トップが語るPlayStationプラットフォームのこれから

編集部は、SIEJA盛田厚プレジデントを取材。2017年年末商戦に向けたPlayStationプラットフォームの戦略と今後の展望を語ってもらうと共に、気になるトピックにも答えてもらいました。

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■スマホシフトによってゲームの裾野広がる、PS4ならではの体験を―盛田氏インタビュー


――オンデマンドのストリーミングを中心として、基本的にPlayStationプラットフォームのコンテンツは、デジタル配信での提供を中心にしたみせかたなのでしょうか

盛田プレジデント: ユーザーがどう思うかなので、我々はどちらかというと、例えば映像配信であれば、一番ユーザーが欲しいと思っているサービスはPlayStationに持ってきたいと思っていますし、PS Storeも同じで、できるだけ買いやすく、いろいろなタイトルを提供できるように頑張って改善やプロモーションはしていきます。でもユーザーの人達はやっぱりパッケージを持つという楽しみ、物欲もあると思うのですが、そこはユーザーのチョイスをできるだけ持たせるようにしたいです。ユーザーが何を一番欲しているかですね。デジタルだからこそ、ネットワークだからこそできることってありますし、せっかくそういうのがあるのだったらフルに活用できるようにさせたいですし、ディスクを買って、ダウンロードコンテンツはデジタルで買うといった連携させていくこともできるので、どうやったらユーザーが一番便利に感じるかというのも考えています。

――提供会社さんのやりとりなどが面倒くさいと感じる部分もありますが、そういうのも取り払っていきたいということですか

盛田プレジデント: できるだけユーザーというところに目線を置いていきたいですね。もちろんいろいろなことは配慮しなきゃいけないことはありますし、勝手にどんどん動いていいとは思っていないですが、一番楽しめる形にしたいです。

――第1のステップで国内タイトルを充実させていきたいとのことですが、逆に今一段落した感はユーザー目線としてはあります。そこから今後どうなっていくのか気になっています

盛田プレジデント: 時代もあると思うので一概に昔と同じことをやるとは言えないです。昔のIP『パラッパラッパー』を発売しましたが、みんなが楽しんでいたIP『クラッシュバンディクー』といったIPを出していくという活動は今展開し始めていますし、すごくゲームファンが欲しいと思っているタイトルを出してあげるというところから、楽しいタイトルを出していくというところにフェーズはシフトしてきています。昔のIPからちょっとカジュアルにみんなで楽しめるタイトルが提供できるようになっていく段階かなと思っています。そういう意味ではPS4が成熟期に入ったので、ソフトウェアの収穫期であり、ピークを迎えてくるということで、それに向けてE3でタイトルが発表できるのは楽しみです。


――今までスペックを活かしたリッチな、大人向けとも言える路線もありましたが、よりカジュアルなものを提供していくことになるのでしょうか

盛田プレジデント: そうですね。PS4 Proも含めてすごくリッチな体験というのはPlayStationの強みでもあるので、今後もそこは出していきます。一方で、もっとカジュアルなタイトルは是非出していただきたいと思っています。海外はインディーズがすごく強いので、いろいろなタイトルが出てくると思っています。

今後アジア展開も強化していきたいと思っていて、1つが東南アジア、もう1つが中国です。東南アジアは普及率もまだまだで伸びる余地があるので、そこに向けてお店を整理して販売活動をしていくというところです。

もう1つの中国はセンサーシップというソフトの認証をしていただかなければならないものもあり、リリースに時間がかかって思うようにタイトルを増やしていけないというのもあります。我々は今「チャイナヒーロープロジェクト」というのをスタートしていまして、ローカルのデベロッパーさんに対して開発機材のサポートやファイナンシャルのサポートをベンチャーキャピタルと組んでやっていくことで、ローカルの人にタイトルを作ってもらって、それをPlayStationでリリースして一緒に成長していく、現地と一緒に成長していくPlayStationというのが良いと思っています。

若い才能が欧米や日本も含めて展開できていくと、また新しいタイトルが日本のユーザーにも提供できる、韓国もそういう人達がすごく多く、VRタイトルも中国、韓国と盛り上がっていてどんどん出てくると思うんですが、そういった意味でもアジアのテイストは日本に近いところもあるので、いろいろなタイトルが出てきてくれると盛り上がってくれるのではないと考えています。

――VR元年から2年目に入りましたが、印象としてはいかがですか

盛田プレジデント: まず、去年PlayStation VRが出るタイミングで、皆さんのお陰でVRが盛り上がり、ユーザーの皆さんも盛り上がってくれました。VRはイノベーションだと思っているので大事に育てていきたいと話していて、そのために盛り上がっているから今のうちに1台でも多く売ろうという考えはあまりなくて、体験をちゃんとできるようにして、買ったけど余り使わなかったというのがないようにしています。

ちゃんと理解して買っていただく、納得して買っていただくことでちゃんと使って遊んでいただき、それを友達に話すというのをきちんとやっていきたいと思っていてそれを実行してきました。体験できる店舗を少しずつ増やしていき、そこだけは絶対焦らずやろうと言ってきました。そこはそれなりにやりきったと思ったのですが、リリースするタイミングで非常に需要が読みづらく、部品が足りなくなったというのは非常に申し訳ないと思っています。今も日本では足りていないので申し訳ないのですが、供給するとその日のうちになくなってしまっていて、それを補うために昨年のうちに増強しました。

欧米を中心に徐々に解消しつつあるので、早い段階でも日本でも解消したいと思っていて、店舗数を増やしてできるだけ体験できる場所を増やしていき、販売店舗数を拡大していきたいと思っています。


――日本ではみんなが持っているゲーム機はスマートフォンのように思えます。そこのマーケットが広がっていく中でコンソールからスマートフォンに移っていく人も多いと思います。そういったところに対して、どういう戦略を当てていくというイメージはあるのでしょうか?

盛田プレジデント: スマートフォン、モバイルゲームに人々がシフトして、コンソールゲームからスマホを買ってモバイルゲームをやるというよりも、既にスマホを持っている人が大半で、その中で彼らが手軽にできるゲームを初めて楽しんでいる、というのはその市場は市場で楽しんでもらえればゲームの裾野が広がるので良いと思っています。

スマホゲームに取られているからどうかというよりも、コンソールゲームならではの楽しみ方をユーザーに伝えることにより、PS4だからこそ体験できるというものをPlayStationで実現する、素晴らしい体験をして「またやりたい」というのをできるだけ増やしていくことだと思っています。

スマホゲームは通勤・通学中に手軽に出来て面白いと思っていて、市場もあるので我々もスマートフォンタイトルを出していますが、その中でもモバイルゲームをやっている人達に向けて、我々のPlayStationのノウハウで一番面白いゲームを出したいというのは我々のアプローチです。ですがそれは別の話で、PS4を遊んでもらって、コンソールの楽しみ方を知ってもらう、というのが大事じゃないかなと思っています。

――TVを持っていない、PCも持っていないけれど、スマホは持っている、というユーザーが増えてくると思います。PlayStationというプラットフォームを通じてできることはスマホでもできると思いますが、そこに関してはどういう考えをお持ちでしょうか

盛田プレジデント: 手軽に手元で楽しんだり、外で楽しめるという楽しさは否定しません。一方で360度の体験の素晴らしさ、コントローラーを使ったゲームの楽しさは違うものなので、そこは逆にぶれずに追求することじゃないかなと思っています。もっと言ってしまうと、エンターテインメントってだんだんボーダーがなくなっていくので、いろいろな連携があっていろいろな楽しみが広がっていくということもあると思いますが、それはまだ先の話で、次のステップだと思っています。我々もPlayStationがどうだということを考えず、楽しいものをやっていこうというのを話しています。

――PlayStationでの携帯機は、今後どうなっていくのでしょうか?

盛田プレジデント: 今後どうなるかというのは私が答えることはできませんが、我々が今PlayStation Vitaというものをどう捉えているかと言うと、この2年間PlayStation Vitaは子供に受け入れられ、子供がたくさん使ってくれています。そこは我々が重要だと思っていたことで、子供の頃にコントローラーを使って遊んでいたということは、子供の頃にピアノやバイオリンをやっていたかどうかというのと同じ話だと思っていて、できるだけコントローラーを使って遊んで欲しい、というのは今現在できていると思っています。PlayStation Vitaは日本の市場では元気だし、大事なプラットフォームだと思っています。

――本日はありがとうございました。


(聞き手、編集: 森 元行 / 撮影: 谷 理央)
《森元行》
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