サウンドノベル『街 -machi-』20周年! 実写を導入する英断で注目を集めた名作を繰り返る | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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サウンドノベル『街 -machi-』20周年! 実写を導入する英断で注目を集めた名作を繰り返る

チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)がリリースした『街 -machi-』。本作は数多くのプラットフォームに展開されていますが、最初に発売されたセガサターン版は1998年1月22日に登場。本日でちょうど20年を数える形となりました。

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チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)がリリースした『街 -machi-』。本作は数多くのプラットフォームに展開されていますが、最初に発売されたセガサターン版は1998年1月22日に登場。本日でちょうど20年を数える形となりました。

◆一世を風靡した「サウンドノベル」


本作のジャンルである「サウンドノベル」は、ビジュアルよりもストーリーやテキストにに重点を置くスタイル。従来のアドベンチャーゲームではビジュアル表現を前面に押し出す傾向にありましたが、サウンドノベルではテキストを画面全体に表示。グラフィックの上に文字を表示し、展開される物語を主体として描くジャンルです。

このジャンルは、1992年3月にスーパーファミコンソフトとして発売された『弟切草』が切り開き、第2弾『かまいたちの夜』が1994年11月に続きます。ビジュアル表現を押さえたことで、ホラーテイストを膨らませた『弟切草』、殺人事件を扱いながらも登場人物はシルエットで描き、プレイヤーの想像力を刺激した『かまいたちの夜』。いずれも、サウンドノベルの特徴を活かした内容となっていました。

◆サウンドノベルながら、実写表現を選んだ『街 -machi-』



そしてサウンドノベル第3弾として登場したのが、本作『街 -machi-』です。テキスト表示を前面に置くスタイルはそのままに、しかしビジュアル・ゲーム性ともに大きな変化を迎えます。まずは、ビジュアル表現として実写の静止画を選択。この変更に、当時は「サウンドノベルなのに実写!?」と驚いた方も多くいましたが、本作の舞台は現代日本の渋谷。ホラーならば想像力を刺激すれば恐ろしさが増しますが、実在の街が舞台ならばそこはビジュアルで直接表現し、プレイヤーの想像力は物語の展開や登場人物の内面に集中させる方がより良い結果となるのかもしれません。


事実、『街 -machi-』を遊んだプレイヤーの多くは、実写による表現に異を唱えることはなく、満足するプレイ体験を得る形となりました。また、実写でビジュアルを表現しつつも、テキストの表示方法はそのまま継承。気になる単語やキーワードを解説する「TIP」の導入により、読み物としても読み応えは増加。シナリオ自体のボリュームと相まって、まさに“ゲームとして楽しむ小説”といった内容になっています。

さらに特徴的な点として、本作には8人の主人公を用意。各々の物語を綴りながらも、各主人公の行う行動や判断が別の主人公に影響を及ぼし、その結果バッドエンドを迎えたり、行き詰まっていた状況を打破するなど、意外な展開に繋がります。


この複雑な絡み合いを把握しているのは、プレイヤーただ一人だけ。巧みな物語の構成と、その展開の全て把握できる立ち位置が、プレイヤーにかつてないプレイ体験を提供。こうして本作はプレイヤーの間で話題となり始め、多彩な展開に繋がる人気作品となりました。

◆『街 -machi-』は『街 ~運命の交差点~』に


20年前に登場したセガサターンソフト『街 -machi-』は、 1999年1月にプレイステーションソフト『街 ~運命の交差点~』として、装いも新たに返ってきます。チャートが導入され攻略がしやすくなったほか、シルエットモードの追加といったサウンドノベルらしい追加要素も搭載。さらに、携帯アプリ版なども経て、2006年4月にはPSPソフト『街 ~運命の交差点~ 特別篇』がリリースされました。こちらは現在、PS Storeにて2,037円(税込)で販売中。PS Vitaでもプレイ可能です。


PSP版が出たことで、場所を選ばず『街 ~運命の交差点~ 特別篇』を遊べるように。シナリオの追加なども嬉しいポイントですが、実際に渋谷の街中で『街 ~運命の交差点~ 特別篇』がプレイ出来るというのは、ファンとしてもなかなか感慨深いものです。また、プレイステーション版に追加されていたシルエットモードがPSP版にはない点も、これもまたサウンドノベルらしい姿勢だなとなんとなく納得させられます。

◆その後のサウンドノベルの歩み


シリーズ2作目の『かまいたちの夜』の続編となる『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』『かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相』『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』が登場したほか、新たに『忌火起草』もリリース。また、『428 ~封鎖された渋谷で~』といった、同じく渋谷を舞台とした作品も発売されました。

『かまいたちの夜』のようにシリーズ展開が続くものもあれば、様々なプラットフォームに登場するも作品自体は単体で終わることもある「サウンドノベル」シリーズ。また、刺激的な作品がリリースされて欲しいものです。



※画像は『街 ~運命の交差点~ 特別篇』のものです。
(C)1998/2012 Spike Chunsoft Co., Ltd./長坂秀佳/難波弘之

サウンドノベル第3弾『街 -machi-』が20周年! 実写を導入する英断で注目を集めた名作を繰り返る

《臥待 弦》
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  • スパくんのお友達 2018-01-23 22:02:43
    オタク刑事の真似してコーヒー牛乳めちゃ飲んでたわ
    0 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 13:21:25
    チンチコーレ
    3 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 13:21:04
    iOSで428 忌火起草 かまいたちと来たから
    街も来てくれると信じてたのになあ
    これらをプレイしたいが為にiOS11にはしていない
    街の配信をいつまでも待ってます
    4 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 11:47:55
    チンチコール
    6 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 10:14:19
    多感な十代の時にリアルタイムでプレイした世代だったが、本当に名作だった。いま見れば、当時の服装や化粧、髪型などは時代を感じるが、プレイすれば、そんなことは感じさせないシナリオだと思う。
    実写化した時は正直好きになれなかったが、一度プレイしたらキャラクターのイメージがしっかり定着してドラマを見ているようだった。今でもEDを観て1人ブラウン管の前で泣いていたのを覚えている。
    おじさんの戯言だわ。失礼。
    16 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 10:11:54
    水曜日
    7 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 9:11:25
    評判聞いてから期待値上げすぎてやったからか、そんなでもなかったな…、って思った覚えがある。
    何事も期待しすぎは良くないな。
    2 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 7:32:48
    ゲームの中で嗚咽が止まらなかった最初で最後の作品
    5 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 6:45:44
    スマホはOSアプデごとに仕様がけっこう変わるから難しい。
    たしか428も最新のiOSでは正常に動作しなかったはず。
    4 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2018-01-23 6:29:09
    サウンドノベルの移植なら、ゲーム機よりスマホアプリでいいと思う
    もちろん買い切りで
    2 Good
    返信

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