『メタルギアソリッド』発売20周年!90年代の世相を内包した『MGS』サーガの再出発を振り返る【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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『メタルギアソリッド』発売20周年!90年代の世相を内包した『MGS』サーガの再出発を振り返る【特集】

1998年9月3日に発売された『メタルギア ソリッド(METAL GEAR SOLID)』が20周年!本作が持つ魅力を再確認してみます。

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『メタルギアソリッド』発売20周年!90年代の世相を内包した『MGS』サーガの再出発を振り返る【特集】
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2018年9月3日からちょうど20年前の1998年9月3日、タクティカルエスピオナージアクションゲーム『メタルギア ソリッド(METAL GEAR SOLID)』がプレイステーションにて発売されました。

もちろんご存知とは思いますが、本作は、豪華声優陣によるフルボイスの音声やポリゴンモデルによるリアルタイムレンダリングのカットシーン、遺伝子(GENE)を中心とした反戦/反核のテーマ、そしてミリタリーテイストなどをふんだんに盛り込んだタイトルです。今回の特集では、発売から20周年を迎えた本作が持つ魅力を再確認してみようと思います。

■「ポリスノーツ」など過去作のエッセンスを盛り込んだ、ある意味で小島監督の到達作品



『メタルギア ソリッド』は、MSXで発売された初代『メタルギア』と『メタルギア2 ソリッド・スネーク』の直接的な続編です。時代は1999年の『メタルギア2』から6年後の2005年2月。アラスカ州フォックス諸島沖の架空の島”シャドーモセス島”を舞台に、突如として武装蜂起した特殊部隊FOX HOUNDの核兵器発射を阻止します。

『メタルギア ソリッド』には、小島監督が過去に開発してきたタイトルのエッセンスが各所に盛り込まれています。例えば『ポリスノーツ』から、起動直後に表れるコナミとKCEJのBGMにテーマ曲の一部と、“モスレム”のタバコ、そして“メリル”が登場。しかしながら同じ過去作の『スナッチャー』から『MGS』へと引用された要素は残念ながら発見できませんでした(少なくとも筆者は)。

もう少し過去作からの引用に言及すれば『MGS』は、シリーズを通して前述の『ポリスノーツ』由来のものが多く、初代『MGS』ではメリルエンディングで彼女が来ているジャケットは、『ポリスノーツ』の登場キャラクター”デイブ”が着ていたものと似ています。加えて、オタコンエンドで明らかになるソリッド・スネークの本名も”デイブ”(デイビッド)、オタコンと出会う研究室には同作のポスターとジャパニメーションの説明で映像が登場。

声優陣に目を向けても『ポリスノーツ』の主人公ジョナサン・イングラムの声優である田中秀幸さんが、本作でもオタコン役で続投してると多くの部分で表れています(それ以降のシリーズでも『MGS2』のピーター・スティルマンが同作の相棒エドと同じ容姿と声、組織に取り上げられた子供、白い人工血液、徳川重工、ラットパトロールのエドとジョナサンなど『MGS4』までを通じて現れている)。

■フル3DCGという新たな時代の表現方法を獲得した『メタルギア ソリッド』



『メタルギア』そして『メタルギア2』は、2Dの見下ろし視点を中心に“かくれんぼ”アクションを表現していました。前作『メタルギア2』より8年後に発売された『メタルギア ソリッド』はローポリゴンではあるもの、フル3DCGによるゲームプレイを実現しており、見下ろし視点だけでなく1人称視点で遠景を見ることや、壁張り付きによるダイナミックな視点、そして限定的な高低差の戦闘を表現できるようになりました。

この高低差を活かして表現されたのがFOX HOUND隊員の1人であるスナイパーウルフ戦やMi-24ハインドD戦、そしてメタルギアREX戦です。特にハインドD戦は、『メタルギア2』の2Dから3Dへと変化したことによって、全方位からの攻撃とステレオ音声による疑似的なサラウンドが『ソリッド』での進歩を表しています(ちなみにモノラル音声でハインドDとの戦いに挑むと大佐やメイリンから驚き呆れる無線もある)。


また本作が他の作品と一味違うゲームプレイ感覚を表しているのは無線によるサポートです。『メタルギア』過去2作でも無線によるサポートが行われましたが、本作では状況の説明や次に行動するべき目標の指示と示唆だけでなく、登場キャラクターや兵器/銃器/装備品の解説、攻略方法、ストーリーの進行までも膨大な文字と音声付きで説明してくれることに存在感があります。

そのため、攻略方法の無線については、プレイヤーと共に考える姿勢が強く、戦いながら連絡をすることで、ゲームに慣れないプレイヤーも攻略できるようになるという配慮も見受けられます。


シナリオで取り上げられたテーマに目を向けてみると、舞台が核兵器廃棄場というセンセーショナルな場を選んだことで、冷戦終結とソ連崩壊、湾岸戦争から数年経過していた1998年においても、なお核兵器の脅威は衰えていないことをゲームにおいて暗に示しています。

また無線の多彩な会話シーンでは、『ポリスノーツ』で培われた医学と遺伝子知識を豊富に入れ込んだ内容が展開されることに加え、カットシーンで描けない演出を補っています。特に遺伝子に関しては、90年代当時としても大きな注目を集めていたヒトゲノム計画とクローン生命(クローン羊ドリーなど)を大きくピックアップしたことで、遺伝子(GENE)と運命を両面に掛けて翻弄される人間の姿を描きました。これらのことから、2005年という当時の近未来を舞台にしつつも、90年代に話題となった社会問題などをゲームとストーリーで語った当時の世相を内包したタイトルとも言えます。

次ページ:いかに「20世紀最高のシナリオ」と評されるに至ったか
《G.Suzuki》

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